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第二章
第26話 答え:顔
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まぶたの裏が眩しく光るのを感じて、僕――シリル・アングレームはふと目を覚ました。
窓のカーテンの隙間から、月の光が差し込み自分の顔を照らしている。
見慣れない景色に一瞬戸惑い、すぐに自分がロジェの部屋で泊まったことを思い出した。
頭を巡らせ、壁の時計を確認すると、時刻は真夜中だった。
隣ですやすやと寝息をたてているロジェを見れば、そのあどけない額にも光は差し込んでいる。
柔らかい金の髪を撫でると、ロジェはむにゃむにゃと何か言いながら寝返りを打った。
そろりとベッドを抜け出し、月光の漏れるカーテンを閉めにかかる。
月にしてはやけに強い光だな、などと思いながらカーテンに手を掛けた僕は、驚きの光景に思わず声を上げそうになった。
「……っ!」
なんと、窓いっぱいに妖精がびっちりと群がっていたのだ。
妖精の発光で、窓自体が光って浮いているように見える。
妖精によって放つ色は様々だが、ここにいるのは全て白い光の妖精だった。
「う……ん」
背後でロジェが身動ぎしたのを感じて、咄嗟にカーテンを閉じる。
遮光性の高いカーテンのおかげで眩しい光は収まり、下から揺らめく光がかすかに漏れるのみとなった。
――自然エネルギーの集合体である妖精は、基本的に自然の多いところに集まり、人工物をきらう。
といっても、妖精に意志があるというわけではない。
重く垂れ込めた雲の下に落ちる雷や、暑い日の地面に現れる陽炎のように、これは自然界の現象に近いものだ。
(なのに、どうして……)
あの光景には、明らかに意思のようなものが見えた。
まるで、窓を越えてこちらへ来たがっているような……
「な、で…………が……」
考え込む僕の背後で、ふいにロジェがうわ言を呟いた。
「やだ、誰か、誰か……痛いよ…………」
「どうした? どこが痛い?」
慌てて駆け寄り、屈んで顔を覗き込む。
薄明かりの中わずかに視認できたロジェは、体に掛けられたキルトを胸の上で握りしめ、苦しそうに喘いでいた。
眉間に皺を寄せ、瞼はぎゅっと閉じたままだ。
「痛い、痛い…………」
「ロジェ、ここか? 胸が痛いのか?」
キルトを取り、胸をかきむしる手を外させ、夜着を捲って確認する。
外傷のようなものはない。
心臓や肺に、何か異常でも起きたのだろうか?
人を呼ぼう、と腰を上げかけたその時、ロジェの手が僕の腕を捕え、強く抱き締めた。
「行かないで、俺を……」
青白く浮かぶ、陶器のように滑らかな頬を、一筋の涙が流れた。
(今朝と、同じだ……)
まさに、今朝も見たような魘されようだった。
空いている方の手で、ロジェの頭をあやすように撫でる。
「ロジェ、僕だよ。シリルだ。大丈夫、一緒にいるよ。」
「シリ、ル……?」
僕の声に反応して、ロジェの呻きが止まった。
けぶるような睫が震え、瞼が薄く持ち上げられる。
「ああ、シリルだ」
僕を見上げる瞳が、夢見心地にゆれている。
「また、怖い夢を?」
問うと、ロジェは返事の代わりに目を閉じた。
「シリル、俺……」
「なんだい?」
その濡れた頬をそっと拭う。
「まだ俺、シリルに言ってない事があるんだ」
「……それは、怖い夢に関係のあること?」
ロジェは目を閉じたまま、かすかに頷いた。
「俺、いちど死んだんだ」
「それは、どういう……」
ロジェの言っていることがはかりかねて、思わず僕はその胸へ頭をつける。
温かい肌の下から、しっかり鼓動を刻む音が聞こえた。
「ふふ、今は生きてるよ。やっぱり今度でいいかな……ちゃんと、言うから……」
言いながら、ロジェは大きなあくびをした。
まだかなり眠そうだ。
「……いいよ、ロジェ。おやすみ」
額にキスをして、キルトをロジェに掛け、整える。
そのまま寝入るかに思えたロジェは、急に抗うように目をこじ開け、かぶりを振った。
「あ、でも、これだけ……俺さ、ローズの事で、シリルに迷惑かけるかもってミュゲから聞いたとき、すげー後悔したんだよ」
僕はキルトの端を伸ばす手を止めた。
「そんなこと……そんなことは、関係ない。誰に何を言われようと、僕は君を手に入れるつもりだったよ」
それは、心からの言葉だった。
「やっぱり……シリルはちゃんと理解した上で、俺を好きって言ってくれたんだな。でも俺は、考えもしなかった。言われて初めて気づいたんだよ」
焦点が合わないままのその目に、恥じるような色が浮かんだ。
「悔しいなぁ。みんな、俺には思い付かないくらいきちんと周りが見えてるんだ。ローズが真っ先に頼ったのも、ミュゲの方だった。識別鏡のことも、俺には何も……でも、当たり前だよな。実際、俺は頼りない方の兄なんだから」
「それは、」
違う、と言おうとした僕に、ロジェは畳み掛けた。
「俺はね、シリル。明け透けに言ったら、人生をナメてたんだ。恵まれた環境にありながら、その生活が誰のおかげで成り立っているのかも考えず、くだらないことに時間を費やして無為に過ごした。きっと、前もそうだったんだろうな。だからいまだに何も思い出せないんだろう」
最後の方は、ほぼ独り言のようだった。
「今日、初めて国王陛下が話すところを見たけど、すごく圧倒された。言葉のひとつひとつに民を思う気持ちが溢れていて、心が震えたよ。きっと今まで、大事な選択を何度も重ねてきたんだろうな」
なんと言ったらいいのか分からず、僕はロジェの手を握った。
さすがに眠気の限界が近いのか、ロジェの瞼は閉じたり開いたりを頻繁に繰り返している。
「その陛下の重い旗幟を、シリルは説得ひとつで見事に変えさせたんだ。シリルはこの国にとって、絶対に必要な存在だよ。こんな俺なんかが……その隣に、いて……良いのかな」
呂律がだいぶあやしい。言葉も切れ切れになっていた。
瞼も完全に閉じている。
僕は言葉が届くように、ロジェの手をぎゅっと握りしめ、その耳元で囁いた。
「良いに決まってる。僕には、君が必要なんだ」
「でも俺は、もうちょっとで……この国から……シリル……を………………」
とうとうロジェの口から、ぐぅ、と睡魔へ白旗をあげる音が漏れた。
再び安らかな寝息をたてるのを確認して、僕も隣へ横になる。
しかし、僕の方へ睡魔はやってこなかった。
ロジェの苦悩が、胸の奥へと沈みこむ。
この国に僕が必要とは、ロジェはなかなか過大な評価をくれたようだが、そんなことはない。
僕一人が居なくてやっていけないようでは、この国は既に滅亡しているだろう。
それに僕は元々、王族としての地位に興味なんてなかった。
むしろそれでロジェと一緒になれるのなら、喜んで第二王子の肩書きを捨てたことだろう。
(それにもうひとつ、ロジェの言ったことで訂正する箇所があるな)
――父は、エレーヌがクロであることを確実に知っていた。
その上で、ローズ嬢への迫害を見て見ぬふりをしていたのだ。
エレーヌの支持をやめ、侯爵家の肩を持つことで何を得られるのか……あの時僕は父へ必死に説いて、何とか尋問広間の裏部屋へ連れ出した。
そして、実際の尋問の様子を見た父は、エレーヌと教会を"沈み行く泥舟"とはっきり認識したのだった。
そう。父が意向を変えたのは、決して民のためだとか国の将来を思ってだとか、そんな高尚な理由ではない。
教会がエレーヌを見捨てたように、父も教会を見捨てただけなのだ。
数日もしないうちにはきっと、長きにわたって不正を行い民を騙しつづけた教会と、自らの地位も省みずそれを糾弾し民へ誠意を示した賢王、の図式ができあがっていることだろう。
強かで冷徹な父は、情ある有能な王の仮面をかぶるのが非常に上手かった。
幼少期からその父の教育を直に受けて育った兄も、似たようなものだ。
僕が生まれた時、既に兄が後継者としての素質を顕していたので、僕は何かあった時のスペアとして生かさず殺さず、良い感じに放置されていた。
王宮の隅で母と穏やかに過ごしていたが、10歳の時の適性検査後、僕の運命は変わった。
その検査でかなり優秀な魔法の適性があると分かり、父の命で僕にも本格的な後継者教育が行われるようになったのだ。
それを知った時の兄の顔と言ったら……
そんな身内の中でも唯一、母だけは愛情の深い人間だった。
なぜあんな冷たい人間と一緒になったのか不思議な程だ。
幼い頃に尋ねたこともあったが、その時はただ微笑んで誤魔化された。
だが、心根の真っ直ぐな優しい人間であるが故に、母の心はこの陰鬱な王宮で幾度も傷つけられた。
次第に引きこもりがちになり、今では王宮の行事すら滅多に顔を出すことはない。
(そういえば、母にロジェを会わせる約束だったな)
母の心を慰める唯一のものが"美少年"だ。
どうも見るだけで生きる気力が沸くらしい。
数年前、成長期の僕に母が何度溜め息をついたことか……
舞踏会の後に会わせる予定が、あの騒動のせいでそれどころじゃなくなってしまった。
(早く会わせたいな)
今も無自覚に僕を誘惑するロジェの唇をなぞり、伏せられた瞼の奥の澄んだ瞳を思う。
この美貌は、母の心をこれまでないほど元気付けるに違いない。
それに、彼の謙虚ながらも天真爛漫な内面すらもきっと、存分に気に入ることだろう。
窓のカーテンの隙間から、月の光が差し込み自分の顔を照らしている。
見慣れない景色に一瞬戸惑い、すぐに自分がロジェの部屋で泊まったことを思い出した。
頭を巡らせ、壁の時計を確認すると、時刻は真夜中だった。
隣ですやすやと寝息をたてているロジェを見れば、そのあどけない額にも光は差し込んでいる。
柔らかい金の髪を撫でると、ロジェはむにゃむにゃと何か言いながら寝返りを打った。
そろりとベッドを抜け出し、月光の漏れるカーテンを閉めにかかる。
月にしてはやけに強い光だな、などと思いながらカーテンに手を掛けた僕は、驚きの光景に思わず声を上げそうになった。
「……っ!」
なんと、窓いっぱいに妖精がびっちりと群がっていたのだ。
妖精の発光で、窓自体が光って浮いているように見える。
妖精によって放つ色は様々だが、ここにいるのは全て白い光の妖精だった。
「う……ん」
背後でロジェが身動ぎしたのを感じて、咄嗟にカーテンを閉じる。
遮光性の高いカーテンのおかげで眩しい光は収まり、下から揺らめく光がかすかに漏れるのみとなった。
――自然エネルギーの集合体である妖精は、基本的に自然の多いところに集まり、人工物をきらう。
といっても、妖精に意志があるというわけではない。
重く垂れ込めた雲の下に落ちる雷や、暑い日の地面に現れる陽炎のように、これは自然界の現象に近いものだ。
(なのに、どうして……)
あの光景には、明らかに意思のようなものが見えた。
まるで、窓を越えてこちらへ来たがっているような……
「な、で…………が……」
考え込む僕の背後で、ふいにロジェがうわ言を呟いた。
「やだ、誰か、誰か……痛いよ…………」
「どうした? どこが痛い?」
慌てて駆け寄り、屈んで顔を覗き込む。
薄明かりの中わずかに視認できたロジェは、体に掛けられたキルトを胸の上で握りしめ、苦しそうに喘いでいた。
眉間に皺を寄せ、瞼はぎゅっと閉じたままだ。
「痛い、痛い…………」
「ロジェ、ここか? 胸が痛いのか?」
キルトを取り、胸をかきむしる手を外させ、夜着を捲って確認する。
外傷のようなものはない。
心臓や肺に、何か異常でも起きたのだろうか?
人を呼ぼう、と腰を上げかけたその時、ロジェの手が僕の腕を捕え、強く抱き締めた。
「行かないで、俺を……」
青白く浮かぶ、陶器のように滑らかな頬を、一筋の涙が流れた。
(今朝と、同じだ……)
まさに、今朝も見たような魘されようだった。
空いている方の手で、ロジェの頭をあやすように撫でる。
「ロジェ、僕だよ。シリルだ。大丈夫、一緒にいるよ。」
「シリ、ル……?」
僕の声に反応して、ロジェの呻きが止まった。
けぶるような睫が震え、瞼が薄く持ち上げられる。
「ああ、シリルだ」
僕を見上げる瞳が、夢見心地にゆれている。
「また、怖い夢を?」
問うと、ロジェは返事の代わりに目を閉じた。
「シリル、俺……」
「なんだい?」
その濡れた頬をそっと拭う。
「まだ俺、シリルに言ってない事があるんだ」
「……それは、怖い夢に関係のあること?」
ロジェは目を閉じたまま、かすかに頷いた。
「俺、いちど死んだんだ」
「それは、どういう……」
ロジェの言っていることがはかりかねて、思わず僕はその胸へ頭をつける。
温かい肌の下から、しっかり鼓動を刻む音が聞こえた。
「ふふ、今は生きてるよ。やっぱり今度でいいかな……ちゃんと、言うから……」
言いながら、ロジェは大きなあくびをした。
まだかなり眠そうだ。
「……いいよ、ロジェ。おやすみ」
額にキスをして、キルトをロジェに掛け、整える。
そのまま寝入るかに思えたロジェは、急に抗うように目をこじ開け、かぶりを振った。
「あ、でも、これだけ……俺さ、ローズの事で、シリルに迷惑かけるかもってミュゲから聞いたとき、すげー後悔したんだよ」
僕はキルトの端を伸ばす手を止めた。
「そんなこと……そんなことは、関係ない。誰に何を言われようと、僕は君を手に入れるつもりだったよ」
それは、心からの言葉だった。
「やっぱり……シリルはちゃんと理解した上で、俺を好きって言ってくれたんだな。でも俺は、考えもしなかった。言われて初めて気づいたんだよ」
焦点が合わないままのその目に、恥じるような色が浮かんだ。
「悔しいなぁ。みんな、俺には思い付かないくらいきちんと周りが見えてるんだ。ローズが真っ先に頼ったのも、ミュゲの方だった。識別鏡のことも、俺には何も……でも、当たり前だよな。実際、俺は頼りない方の兄なんだから」
「それは、」
違う、と言おうとした僕に、ロジェは畳み掛けた。
「俺はね、シリル。明け透けに言ったら、人生をナメてたんだ。恵まれた環境にありながら、その生活が誰のおかげで成り立っているのかも考えず、くだらないことに時間を費やして無為に過ごした。きっと、前もそうだったんだろうな。だからいまだに何も思い出せないんだろう」
最後の方は、ほぼ独り言のようだった。
「今日、初めて国王陛下が話すところを見たけど、すごく圧倒された。言葉のひとつひとつに民を思う気持ちが溢れていて、心が震えたよ。きっと今まで、大事な選択を何度も重ねてきたんだろうな」
なんと言ったらいいのか分からず、僕はロジェの手を握った。
さすがに眠気の限界が近いのか、ロジェの瞼は閉じたり開いたりを頻繁に繰り返している。
「その陛下の重い旗幟を、シリルは説得ひとつで見事に変えさせたんだ。シリルはこの国にとって、絶対に必要な存在だよ。こんな俺なんかが……その隣に、いて……良いのかな」
呂律がだいぶあやしい。言葉も切れ切れになっていた。
瞼も完全に閉じている。
僕は言葉が届くように、ロジェの手をぎゅっと握りしめ、その耳元で囁いた。
「良いに決まってる。僕には、君が必要なんだ」
「でも俺は、もうちょっとで……この国から……シリル……を………………」
とうとうロジェの口から、ぐぅ、と睡魔へ白旗をあげる音が漏れた。
再び安らかな寝息をたてるのを確認して、僕も隣へ横になる。
しかし、僕の方へ睡魔はやってこなかった。
ロジェの苦悩が、胸の奥へと沈みこむ。
この国に僕が必要とは、ロジェはなかなか過大な評価をくれたようだが、そんなことはない。
僕一人が居なくてやっていけないようでは、この国は既に滅亡しているだろう。
それに僕は元々、王族としての地位に興味なんてなかった。
むしろそれでロジェと一緒になれるのなら、喜んで第二王子の肩書きを捨てたことだろう。
(それにもうひとつ、ロジェの言ったことで訂正する箇所があるな)
――父は、エレーヌがクロであることを確実に知っていた。
その上で、ローズ嬢への迫害を見て見ぬふりをしていたのだ。
エレーヌの支持をやめ、侯爵家の肩を持つことで何を得られるのか……あの時僕は父へ必死に説いて、何とか尋問広間の裏部屋へ連れ出した。
そして、実際の尋問の様子を見た父は、エレーヌと教会を"沈み行く泥舟"とはっきり認識したのだった。
そう。父が意向を変えたのは、決して民のためだとか国の将来を思ってだとか、そんな高尚な理由ではない。
教会がエレーヌを見捨てたように、父も教会を見捨てただけなのだ。
数日もしないうちにはきっと、長きにわたって不正を行い民を騙しつづけた教会と、自らの地位も省みずそれを糾弾し民へ誠意を示した賢王、の図式ができあがっていることだろう。
強かで冷徹な父は、情ある有能な王の仮面をかぶるのが非常に上手かった。
幼少期からその父の教育を直に受けて育った兄も、似たようなものだ。
僕が生まれた時、既に兄が後継者としての素質を顕していたので、僕は何かあった時のスペアとして生かさず殺さず、良い感じに放置されていた。
王宮の隅で母と穏やかに過ごしていたが、10歳の時の適性検査後、僕の運命は変わった。
その検査でかなり優秀な魔法の適性があると分かり、父の命で僕にも本格的な後継者教育が行われるようになったのだ。
それを知った時の兄の顔と言ったら……
そんな身内の中でも唯一、母だけは愛情の深い人間だった。
なぜあんな冷たい人間と一緒になったのか不思議な程だ。
幼い頃に尋ねたこともあったが、その時はただ微笑んで誤魔化された。
だが、心根の真っ直ぐな優しい人間であるが故に、母の心はこの陰鬱な王宮で幾度も傷つけられた。
次第に引きこもりがちになり、今では王宮の行事すら滅多に顔を出すことはない。
(そういえば、母にロジェを会わせる約束だったな)
母の心を慰める唯一のものが"美少年"だ。
どうも見るだけで生きる気力が沸くらしい。
数年前、成長期の僕に母が何度溜め息をついたことか……
舞踏会の後に会わせる予定が、あの騒動のせいでそれどころじゃなくなってしまった。
(早く会わせたいな)
今も無自覚に僕を誘惑するロジェの唇をなぞり、伏せられた瞼の奥の澄んだ瞳を思う。
この美貌は、母の心をこれまでないほど元気付けるに違いない。
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