46 / 49
帳先輩のヒート
ポンコツαの初恋事情 46
しおりを挟む
日向同様、帳も本能で感じ取ったのであろう。
「ひなたくん‥‥ぁっ、僕たち、番になれたね」
「‥‥‥っ、はいっ!」
「嬉しい、日向くんっ、だいすきっ」
気付けば互いに涙を流して泣いていた。
幸せすぎて、どうにかなってしまいそう。
口に出したのはどちらが先かはわからなかったが、二人共、同じ事を感じていた。
それから本格的なヒートに入った帳に誘発され、二人は最低限の食事や水分補給の時間をとりながら一週間、精根尽きるまで互いを激しく求め合った。
日向が自身の携帯電話を確認すると、会社からの電話が何件もかかって来ており、日向は慌てて上司である武元へと電話をかけた。
「もしもし、照井です。無断欠勤をしてしまい、大変申し訳ございません。あの、俺達やっと結ばれたんです。番になったんです!だから、結婚まで秒読みで‥‥‥!」
「ちょっと、日向くんっ!」
日向の支離滅裂な会話の内容を即座に整理し、理解した武元は
「あ~、そういう事か。望月のヒートが完全に収まるまでは休暇申請を通しておくから、次に出社してくる時までにお前ら医者への報告を済ませて、診断書を持ってこいよ」
武元は理解を示し、日向に対して
「おめでとさん。望月の事、大切にしろよ」
と、明るい声で祝福の言葉を口にした。
そうして通話を終えると、帳が身を寄せ、日向に問いかける。
「名残惜しいけど、そろそろ帰る?」
だが、その言葉とは裏腹に、帳の声色からは、もっと一緒に居たいという思いが伝わってきて、日向は眼を細め、優しく微笑みかけると、帳の欲する言葉であり、また、自身の想いでもある言葉を口にした。
「帳先輩、あと二日程泊まっていきませんか?俺、帳先輩から離れたくないです」
「日向くんっ」
日向は、自身の言葉を受け、嬉しそうに声を弾ませた帳を抱きしめると、顔中に触れるだけの口付けを落とした。
「それに俺、帳先輩と泡風呂に入ったり、枕投げをしたりして、二人でホテルを満喫したいし、帳先輩の身体に負担かけてしまったぶん、全身マッサージを施したいし、なんかもう、貴方に色々してあげたいんです!」
日向の言葉に帳は頬を染め、目を見開くと、両手で口許を覆った。
「日向くん、たまに格好良い事言うよね」
「たまにって‥‥じゃあ、格好良いついでに、ここのホテル代、全額出させて下さいね」
「でも‥‥‥」
帳が申し訳なさそうに口を開くと、日向は彼に向かってヒマワリの花の様に明るく笑いかけた。
「たまには格好つけさせて下さいよ」
「‥‥‥まったく、君には敵わないなぁ」
帳は日向の頬に口付けると、日向に向き合い、幸せそうに微笑みかけた。
「あ~っ、俺の運命の人は、世界一綺麗で、可愛くて、愛しすぎて、もう堪らないっ!」
日向は部屋中に響き渡る声でそう叫ぶと、再び帳の身体を抱き寄せた。
そして、彼を優しく包みこむと、二人で歩む未来を想い描き、今までにない位に幸せそうに微笑んだのであった。
「ひなたくん‥‥ぁっ、僕たち、番になれたね」
「‥‥‥っ、はいっ!」
「嬉しい、日向くんっ、だいすきっ」
気付けば互いに涙を流して泣いていた。
幸せすぎて、どうにかなってしまいそう。
口に出したのはどちらが先かはわからなかったが、二人共、同じ事を感じていた。
それから本格的なヒートに入った帳に誘発され、二人は最低限の食事や水分補給の時間をとりながら一週間、精根尽きるまで互いを激しく求め合った。
日向が自身の携帯電話を確認すると、会社からの電話が何件もかかって来ており、日向は慌てて上司である武元へと電話をかけた。
「もしもし、照井です。無断欠勤をしてしまい、大変申し訳ございません。あの、俺達やっと結ばれたんです。番になったんです!だから、結婚まで秒読みで‥‥‥!」
「ちょっと、日向くんっ!」
日向の支離滅裂な会話の内容を即座に整理し、理解した武元は
「あ~、そういう事か。望月のヒートが完全に収まるまでは休暇申請を通しておくから、次に出社してくる時までにお前ら医者への報告を済ませて、診断書を持ってこいよ」
武元は理解を示し、日向に対して
「おめでとさん。望月の事、大切にしろよ」
と、明るい声で祝福の言葉を口にした。
そうして通話を終えると、帳が身を寄せ、日向に問いかける。
「名残惜しいけど、そろそろ帰る?」
だが、その言葉とは裏腹に、帳の声色からは、もっと一緒に居たいという思いが伝わってきて、日向は眼を細め、優しく微笑みかけると、帳の欲する言葉であり、また、自身の想いでもある言葉を口にした。
「帳先輩、あと二日程泊まっていきませんか?俺、帳先輩から離れたくないです」
「日向くんっ」
日向は、自身の言葉を受け、嬉しそうに声を弾ませた帳を抱きしめると、顔中に触れるだけの口付けを落とした。
「それに俺、帳先輩と泡風呂に入ったり、枕投げをしたりして、二人でホテルを満喫したいし、帳先輩の身体に負担かけてしまったぶん、全身マッサージを施したいし、なんかもう、貴方に色々してあげたいんです!」
日向の言葉に帳は頬を染め、目を見開くと、両手で口許を覆った。
「日向くん、たまに格好良い事言うよね」
「たまにって‥‥じゃあ、格好良いついでに、ここのホテル代、全額出させて下さいね」
「でも‥‥‥」
帳が申し訳なさそうに口を開くと、日向は彼に向かってヒマワリの花の様に明るく笑いかけた。
「たまには格好つけさせて下さいよ」
「‥‥‥まったく、君には敵わないなぁ」
帳は日向の頬に口付けると、日向に向き合い、幸せそうに微笑みかけた。
「あ~っ、俺の運命の人は、世界一綺麗で、可愛くて、愛しすぎて、もう堪らないっ!」
日向は部屋中に響き渡る声でそう叫ぶと、再び帳の身体を抱き寄せた。
そして、彼を優しく包みこむと、二人で歩む未来を想い描き、今までにない位に幸せそうに微笑んだのであった。
8
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
不出来なオメガのフォーチュン
水無瀬 蒼
BL
美形やくざα×平凡卑屈Ω
◇◇◇◇◇
平凡が服を着て歩いている白瀬直生(しらせなお)とやくざの神宮寺誉(じんぐうじほまれ)。
ある日通勤途中のネオン街で突然香った強い香り。
遠く離れていても感じるのに、周りの誰も気づかない。
そんなある日、仕事を終えアパートに帰った直生はアパートが焼け落ちていて、帰る家を失った直生は神宮寺の家を借りることに。
神宮寺と指先が触れると電気が走り、体が熱くなってヒートを起こしそうになり驚く。
それから導き出せるのは運命の番だと言われるが、自分に自信のない直生はそれを認めない。
◇◇◇◇◇
自ら平凡が服着て歩いている、と卑下する直生が運命の番である神宮寺と番になるまでのお話です。
腐男子ですが何か?
みーやん
BL
俺は田中玲央。何処にでもいる一般人。
ただ少し趣味が特殊で男と男がイチャコラしているのをみるのが大好きだってこと以外はね。
そんな俺は中学一年生の頃から密かに企んでいた計画がある。青藍学園。そう全寮制男子校へ入学することだ。しかし定番ながら学費がバカみたい高額だ。そこで特待生を狙うべく勉強に励んだ。
幸いにも俺にはすこぶる頭のいい姉がいたため、中学一年生からの成績は常にトップ。そのまま三年間走り切ったのだ。
そしてついに高校入試の試験。
見事特待生と首席をもぎとったのだ。
「さぁ!ここからが俺の人生の始まりだ!
って。え?
首席って…めっちゃ目立つくねぇ?!
やっちまったぁ!!」
この作品はごく普通の顔をした一般人に思えた田中玲央が実は隠れ美少年だということを知らずに腐男子を隠しながら学園生活を送る物語である。
恋した貴方はαなロミオ
須藤慎弥
BL
Ω性の凛太が恋したのは、ロミオに扮したα性の結城先輩でした。
Ω性に引け目を感じている凛太。
凛太を運命の番だと信じているα性の結城。
すれ違う二人を引き寄せたヒート。
ほんわか現代BLオメガバース♡
※二人それぞれの視点が交互に展開します
※R 18要素はほとんどありませんが、表現と受け取り方に個人差があるものと判断しレーティングマークを付けさせていただきますm(*_ _)m
※fujossy様にて行われました「コスプレ」をテーマにした短編コンテスト出品作です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる