42 / 49
帳先輩のヒート
ポンコツαの初恋事情 42
しおりを挟む
静かな室内には、先程と変わらず、帳の荒い呼吸が響いている。
日向は戸惑いながらも、いつの間にかベッドに座っていた帳に視線を向けた。
帳は震える手で水を飲んでいたが、彼の額には冷や汗が浮かび、唇は震えている。
「帳先輩、まだ起き上がっちゃ駄目ですよ。」
日向が優しく注意を促すが、その声には焦りが混じっていた。
数時間前、突然倒れ、苦しそうに喘いでいた帳の姿を思い出すと、胸が締め付けられ、日向は心配で仕方がなかった。
帳は無理やり笑顔を作りながら、かすれた声で気丈に振る舞う。
「だい‥‥じょうぶ‥‥。薬、効いてきたから‥‥」
その姿を見た日向は、胸の奥が酷く痛むのを感じた。
彼がどれだけ無理をしているのかが、明らかで日向の目から見ても、明らかであったらだ。
「異様に喉が渇くんだ‥‥唇がかさついて‥‥でも、僕、一人で水を飲めるまで落ち着いたよ。だから‥‥大丈夫」
帳の言葉を受け、日向は苦しげに眉を寄せると
「こんなにふらついた状態で、大丈夫なわけがないでしょ!」
と、焦りと心配が入り混じった声で帳の身体を気遣い、彼を支えようと手を伸ばした。
しかし、帳は突然強い声で
「触らないで‥‥!」
と、語気を荒げ、伸ばされた日向の手を拒絶した。
驚いた日向は、その場で固まってしまい、やがて帳の拒絶にじわじわと悲しみがこみ上げ、彼は声を震わせた。
「帳、せん‥‥ぱい‥‥‥?」
日向の表情に、帳は眉を下げ、申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。
「いっ、いきなり怒鳴って、ごめん」
「なんで、どうして、突然、触るななんて‥‥‥」
日向が困惑した様子で帳の言葉を待っていると
「日向くん。申し訳ないんだけど、暫く僕を一人にしてくれないかな。」
と、一人で帰る様促され、その言葉に、日向は胸を突かれたような痛みを感じた。
「どうして、そんな事を言うんですか。さっき、俺が帳先輩を襲いかけたからですか?」
日向は必死に声を震わせ、帳に問いかけたが、彼は力なく首を振った。
「違う、そうじゃないんだ」
「なにも違わないじゃないですか!怖い思いをさせてしまったから、それで、俺のこと、嫌いになったんでしょ?」
日向の声は大きく響かせたが、その声には恐れが強く滲んでいた。
「そんなことで、僕が君を嫌いになるわけないじゃないか!」
日向の言葉を、帳は声を荒げて否定する。
「じゃあ、どうして俺に触られるのを拒むんですか?」
日向の瞳には、悲しさから涙が滲み始める。
彼の表情に帳もまた胸元を抑え、苦しそうに言葉を絞り出した。
「このまま一緒にいたら、僕の発情期に日向くんを巻き込んでしまう」
「だからって、どうして俺を遠ざけようとするんですか。帳先輩にとって、俺はそんなに頼りない存在なんですか?」
必死に問いかける日向の瞳からは、涙がとめどなく溢れ出し、頬を伝い落ちてゆく。
日向の悲痛な表情に、帳もまた、鼻を啜りあげ、目から大粒の涙を流した。
「‥‥ヒートに当てられて‥‥日向くんが僕の項を噛んでしまったら、僕たち番関係になってしまうんだよ」
帳はしゃくりあげながら、どこか辛そうな目で日向を見つめる。
「それの何がいけないんですか?」
「何がって‥‥‥」
「そのまま帳先輩と俺が、番になれば良いだけの話じゃないですか。」
その言葉に、帳の瞳が揺れる。
「俺達の通院先の病院に電話した時に、色々な話を聞きました。帳先輩、強力な薬で発情期を抑えこんでたって、本当ですか?」
日向が詰め寄ると、帳は気まずげに視線を泳がせた。
無言を肯定と捉えた日向は、眉間に皺をよせると
「どうして、俺に隠れて身体に負担のかかる様な事をしていたんですか」
と、帳を問い詰めた。
「だって‥‥発情期が来たら‥‥みっともなく君にすがって‥‥迷惑をかけてしまいそうで‥‥‥その‥‥」
「そんなの、迷惑だなんて思いませんよ。どうして俺に相談してくれなかったんですか」
「それは‥‥その‥‥」
日向は乱暴に自身の涙を拭うと、帳の目を真っ直ぐに見つめ、口を開いた。
「帳先輩は、そんなに俺と番になるのが嫌なんですか?」
帳は流れる涙をそのままに、唇を噛みしめ
「そんな訳ないじゃないか」
と、涙声でポツリと漏らした。
「なら、番になって下さいよ」
「日向くん‥‥それは‥‥‥」
「‥‥‥俺と番になるって、言ってください‥‥‥」
日向は涙で視界が霞むなか、鼻をすすりながら必死に懇願する。
「僕だって、君の番になりたいよ」
日向を見つめる帳の瞳もまた、とめどなく涙が溢れさせる。
「でも、駄目なんだ」
「どうして駄目なんですか?」
「だって、日向くんには僕ではない、運命の相手がいるじゃないか」
帳は深い悲しみの滲んだ声で続ける
「日向くんは、僕が君の運命の相手なの?って聞いた時、運命なんか関係なく僕の事が好きだと言ったじゃないか。僕の事、運命の相手じゃないって、否定したじゃないか!」
「それは‥‥」
「それでも、初めは良かったんだ。日向くんに恋をしていると気付いた僕は、君の恋人になって、楽しい思い出を沢山作って、その幸せな思い出を胸に生きていこうって心に決めていた。だから、君が魂の番と出会った時は、僕は潔く身を引こうって、そう思ってたから。」
「帳先輩、ずっとそんな事を考えていたんですか」
日向は胸が痛むのをぐっと堪え、帳の次の言葉を待つ
「でも、日向くんの事を知れば知る、程強く惹かれていって、一緒に居るだけで幸せだと感じて‥‥僕の中で君の存在がどんどん大きくなっていったんだ」
「それは俺も同じです。帳先輩は、俺の全てなんですから」
日向は強く応えたが、帳の表情はより陰りを帯びてゆく。
「そうして、君がいつも僕ことを深い愛で包みこんでくれるから、それが嬉しくて、幸せで、いつしか君と一生一緒に居たいと願う様になったんだ。君の運命の相手なんて、一生現れなければ良いのにとさえ考えてしまった。僕って最低だよね」
「そっ、そんな事っ‥‥‥!」
「でも、欲張り過ぎて、バチが当たったのかな。最近は、日向くんが主役の結婚式に呼ばれて、友人代表のスピーチをする夢を見る様になったんだ。君が愛おしげに見つめる相手は僕ではない知らない人で‥‥。朝目覚めたら、あぁ、いつかこれが正夢になるんだなって思えてきて‥‥その夢を見る度に、息が出来ない程に苦しくて、辛くてどうしようもなくて、一人、枕を濡らす様になったんだ」
「帳‥先輩‥‥」
「それでも、いつか別れの日が来るその瞬間までは、日向くんの一番側に居させて欲しかったんだ。君は優しいから、僕と番関係になってしまった後に、運命の相手と巡り会ったとしても、自分の幸せよりも、僕の事を優先すると思う。でも、僕の存在が、君の幸せの妨げになるのは耐えられなくて、君の枷になりたくなくて、君とは番わないって、胸に強く誓ったんだ」
肩を震わせ、嗚咽混じりに語る帳の姿に、日向は彼の苦悩と悲しみの深さを強く感じ取った。
日向は自身が言葉足らずであった為に、帳をずっと苦しませていた事に胸が痛み、叫びだしそうになった。
日向は戸惑いながらも、いつの間にかベッドに座っていた帳に視線を向けた。
帳は震える手で水を飲んでいたが、彼の額には冷や汗が浮かび、唇は震えている。
「帳先輩、まだ起き上がっちゃ駄目ですよ。」
日向が優しく注意を促すが、その声には焦りが混じっていた。
数時間前、突然倒れ、苦しそうに喘いでいた帳の姿を思い出すと、胸が締め付けられ、日向は心配で仕方がなかった。
帳は無理やり笑顔を作りながら、かすれた声で気丈に振る舞う。
「だい‥‥じょうぶ‥‥。薬、効いてきたから‥‥」
その姿を見た日向は、胸の奥が酷く痛むのを感じた。
彼がどれだけ無理をしているのかが、明らかで日向の目から見ても、明らかであったらだ。
「異様に喉が渇くんだ‥‥唇がかさついて‥‥でも、僕、一人で水を飲めるまで落ち着いたよ。だから‥‥大丈夫」
帳の言葉を受け、日向は苦しげに眉を寄せると
「こんなにふらついた状態で、大丈夫なわけがないでしょ!」
と、焦りと心配が入り混じった声で帳の身体を気遣い、彼を支えようと手を伸ばした。
しかし、帳は突然強い声で
「触らないで‥‥!」
と、語気を荒げ、伸ばされた日向の手を拒絶した。
驚いた日向は、その場で固まってしまい、やがて帳の拒絶にじわじわと悲しみがこみ上げ、彼は声を震わせた。
「帳、せん‥‥ぱい‥‥‥?」
日向の表情に、帳は眉を下げ、申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。
「いっ、いきなり怒鳴って、ごめん」
「なんで、どうして、突然、触るななんて‥‥‥」
日向が困惑した様子で帳の言葉を待っていると
「日向くん。申し訳ないんだけど、暫く僕を一人にしてくれないかな。」
と、一人で帰る様促され、その言葉に、日向は胸を突かれたような痛みを感じた。
「どうして、そんな事を言うんですか。さっき、俺が帳先輩を襲いかけたからですか?」
日向は必死に声を震わせ、帳に問いかけたが、彼は力なく首を振った。
「違う、そうじゃないんだ」
「なにも違わないじゃないですか!怖い思いをさせてしまったから、それで、俺のこと、嫌いになったんでしょ?」
日向の声は大きく響かせたが、その声には恐れが強く滲んでいた。
「そんなことで、僕が君を嫌いになるわけないじゃないか!」
日向の言葉を、帳は声を荒げて否定する。
「じゃあ、どうして俺に触られるのを拒むんですか?」
日向の瞳には、悲しさから涙が滲み始める。
彼の表情に帳もまた胸元を抑え、苦しそうに言葉を絞り出した。
「このまま一緒にいたら、僕の発情期に日向くんを巻き込んでしまう」
「だからって、どうして俺を遠ざけようとするんですか。帳先輩にとって、俺はそんなに頼りない存在なんですか?」
必死に問いかける日向の瞳からは、涙がとめどなく溢れ出し、頬を伝い落ちてゆく。
日向の悲痛な表情に、帳もまた、鼻を啜りあげ、目から大粒の涙を流した。
「‥‥ヒートに当てられて‥‥日向くんが僕の項を噛んでしまったら、僕たち番関係になってしまうんだよ」
帳はしゃくりあげながら、どこか辛そうな目で日向を見つめる。
「それの何がいけないんですか?」
「何がって‥‥‥」
「そのまま帳先輩と俺が、番になれば良いだけの話じゃないですか。」
その言葉に、帳の瞳が揺れる。
「俺達の通院先の病院に電話した時に、色々な話を聞きました。帳先輩、強力な薬で発情期を抑えこんでたって、本当ですか?」
日向が詰め寄ると、帳は気まずげに視線を泳がせた。
無言を肯定と捉えた日向は、眉間に皺をよせると
「どうして、俺に隠れて身体に負担のかかる様な事をしていたんですか」
と、帳を問い詰めた。
「だって‥‥発情期が来たら‥‥みっともなく君にすがって‥‥迷惑をかけてしまいそうで‥‥‥その‥‥」
「そんなの、迷惑だなんて思いませんよ。どうして俺に相談してくれなかったんですか」
「それは‥‥その‥‥」
日向は乱暴に自身の涙を拭うと、帳の目を真っ直ぐに見つめ、口を開いた。
「帳先輩は、そんなに俺と番になるのが嫌なんですか?」
帳は流れる涙をそのままに、唇を噛みしめ
「そんな訳ないじゃないか」
と、涙声でポツリと漏らした。
「なら、番になって下さいよ」
「日向くん‥‥それは‥‥‥」
「‥‥‥俺と番になるって、言ってください‥‥‥」
日向は涙で視界が霞むなか、鼻をすすりながら必死に懇願する。
「僕だって、君の番になりたいよ」
日向を見つめる帳の瞳もまた、とめどなく涙が溢れさせる。
「でも、駄目なんだ」
「どうして駄目なんですか?」
「だって、日向くんには僕ではない、運命の相手がいるじゃないか」
帳は深い悲しみの滲んだ声で続ける
「日向くんは、僕が君の運命の相手なの?って聞いた時、運命なんか関係なく僕の事が好きだと言ったじゃないか。僕の事、運命の相手じゃないって、否定したじゃないか!」
「それは‥‥」
「それでも、初めは良かったんだ。日向くんに恋をしていると気付いた僕は、君の恋人になって、楽しい思い出を沢山作って、その幸せな思い出を胸に生きていこうって心に決めていた。だから、君が魂の番と出会った時は、僕は潔く身を引こうって、そう思ってたから。」
「帳先輩、ずっとそんな事を考えていたんですか」
日向は胸が痛むのをぐっと堪え、帳の次の言葉を待つ
「でも、日向くんの事を知れば知る、程強く惹かれていって、一緒に居るだけで幸せだと感じて‥‥僕の中で君の存在がどんどん大きくなっていったんだ」
「それは俺も同じです。帳先輩は、俺の全てなんですから」
日向は強く応えたが、帳の表情はより陰りを帯びてゆく。
「そうして、君がいつも僕ことを深い愛で包みこんでくれるから、それが嬉しくて、幸せで、いつしか君と一生一緒に居たいと願う様になったんだ。君の運命の相手なんて、一生現れなければ良いのにとさえ考えてしまった。僕って最低だよね」
「そっ、そんな事っ‥‥‥!」
「でも、欲張り過ぎて、バチが当たったのかな。最近は、日向くんが主役の結婚式に呼ばれて、友人代表のスピーチをする夢を見る様になったんだ。君が愛おしげに見つめる相手は僕ではない知らない人で‥‥。朝目覚めたら、あぁ、いつかこれが正夢になるんだなって思えてきて‥‥その夢を見る度に、息が出来ない程に苦しくて、辛くてどうしようもなくて、一人、枕を濡らす様になったんだ」
「帳‥先輩‥‥」
「それでも、いつか別れの日が来るその瞬間までは、日向くんの一番側に居させて欲しかったんだ。君は優しいから、僕と番関係になってしまった後に、運命の相手と巡り会ったとしても、自分の幸せよりも、僕の事を優先すると思う。でも、僕の存在が、君の幸せの妨げになるのは耐えられなくて、君の枷になりたくなくて、君とは番わないって、胸に強く誓ったんだ」
肩を震わせ、嗚咽混じりに語る帳の姿に、日向は彼の苦悩と悲しみの深さを強く感じ取った。
日向は自身が言葉足らずであった為に、帳をずっと苦しませていた事に胸が痛み、叫びだしそうになった。
20
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
君は俺の光
もものみ
BL
【オメガバースの創作BL小説です】
ヤンデレです。
受けが不憫です。
虐待、いじめ等の描写を含むので苦手な方はお気をつけください。
もともと実家で虐待まがいの扱いを受けておりそれによって暗い性格になった優月(ゆづき)はさらに学校ではいじめにあっていた。
ある日、そんなΩの優月を優秀でお金もあってイケメンのαでモテていた陽仁(はると)が学生時代にいじめから救い出し、さらに告白をしてくる。そして陽仁と仲良くなってから優月はいじめられなくなり、最終的には付き合うことにまでなってしまう。
結局関係はずるずる続き二人は同棲まですることになるが、優月は陽仁が親切心から自分を助けてくれただけなので早く解放してあげなければならないと思い悩む。離れなければ、そう思いはするものの既に優月は陽仁のことを好きになっており、離れ難く思っている。離れなければ、だけれど離れたくない…そんな思いが続くある日、優月は美女と並んで歩く陽仁を見つけてしまう。さらにここで優月にとっては衝撃的なあることが発覚する。そして、ついに優月は決意する。陽仁のもとから、離れることを―――――
明るくて優しい光属性っぽいα×自分に自信のないいじめられっ子の闇属性っぽいΩの二人が、運命をかけて追いかけっこする、謎解き要素ありのお話です。
【完結】魔力至上主義の異世界に転生した魔力なしの俺は、依存系最強魔法使いに溺愛される
秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】
哀れな魔力なし転生少年が可愛くて手中に収めたい、魔法階級社会の頂点に君臨する霊体最強魔法使い(ズレてるが良識持ち) VS 加虐本能を持つ魔法使いに飼われるのが怖いので、さっさと自立したい人間不信魔力なし転生少年
\ファイ!/
■作品傾向:両片思い&ハピエン確約のすれ違い(たまにイチャイチャ)
■性癖:異世界ファンタジー×身分差×魔法契約
力の差に怯えながらも、不器用ながらも優しい攻めに受けが絆されていく異世界BLです。
【詳しいあらすじ】
魔法至上主義の世界で、魔法が使えない転生少年オルディールに価値はない。
優秀な魔法使いである弟に売られかけたオルディールは逃げ出すも、そこは魔法の為に人の姿を捨てた者が徘徊する王国だった。
オルディールは偶然出会った最強魔法使いスヴィーレネスに救われるが、今度は彼に攫われた上に監禁されてしまう。
しかし彼は諦めておらず、スヴィーレネスの元で魔法を覚えて逃走することを決意していた。
僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
薫る薔薇に盲目の愛を
不来方しい
BL
代々医師の家系で育った宮野蓮は、受験と親からのプレッシャーに耐えられず、ストレスから目の機能が低下し見えなくなってしまう。
目には包帯を巻かれ、外を遮断された世界にいた蓮の前に現れたのは「かずと先生」だった。
爽やかな声と暖かな気持ちで接してくれる彼に惹かれていく。勇気を出して告白した蓮だが、彼と気持ちが通じ合うことはなかった。
彼が残してくれたものを胸に秘め、蓮は大学生になった。偶然にも駅前でかずとらしき声を聞き、蓮は追いかけていく。かずとは蓮の顔を見るや驚き、目が見える人との差を突きつけられた。
うまく話せない蓮は帰り道、かずとへ文化祭の誘いをする。「必ず行くよ」とあの頃と変わらない優しさを向けるかずとに、振られた過去を引きずりながら想いを募らせていく。
色のある世界で紡いでいく、小さな暖かい恋──。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
【R18】【Bl】イケメン生徒会長αは俺の運命らしいです。えっと俺βなんですが??
ペーパーナイフ
BL
俺はΩの高校2年ナギ。この春、αとΩだけの学園に転校した。しかし転校数日前にストレス性変異によって、突然性別がβに変わってしまった!
Ωクラスに入ったもののバカにされる毎日。そんなとき学園一のαである生徒会長から
「お前は俺の運命だ」と言われてしまい…。
いや、俺今βなんですが??
βに変わり運命の匂いがわからず攻めから逃げようとする受け。アホな受けがαにえっちな溺愛されます。
注意
無理やり 自慰 玩具 フェラ 中出し 何でもありな人向け
妊娠可能ですが、主人公は妊娠しません
リバなし
無理やりだけど愛はある
ほぼエロ ストーリー薄め
オメガバース独自設定あり
極道アルファは極上オメガに転生して、愛に啼く
夏芽玉
BL
オレは八剱斗環(やつるぎとわ)──八剱組の跡取りアルファだ。
だけど、目が覚めたら何故かオメガになっていた。それも、同じ組のライバルである相神崇春(あいがみたかはる)に売った、処女オメガの琴宮睦和(ことみやとわ)にだ。
ラブホテルでセクシーランジェリーを着ていたので、今から客を取らされるのかと身構えていたら、そこにやってきたのは何故か相神で……
【ド執着アルファ】×【超強気オメガ(元アルファ)】
第11回BL小説大賞に参加します。よろしくお願いします!
表紙イラスト:律富様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる