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帳先輩と、ヒマワリ園デート
ポンコツαの初恋事情 34
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8月の夏の夜、日向の家のリビングには、虫の鳴き声がかすかに響き渡っていた。
エアコンの心地よい風が部屋を満たし、ソファーに座る二人の間には、穏やかな時間が流れている。
夏のデートスポットを紹介する雑誌をめくっていた帳が、突然目を輝かせると、ひまわり園の特集ページを日向に見せた。
「日向くん、今度の土曜日に一緒にヒマワリ園に行こうよ!」
日向は少し驚いた様子で顔を上げ、声を発した。
「ひまわり園…ですか?」
根はインドアな日向は、日中、酷暑の中歩き回るのに乗り気ではなかった。
帳は雑誌を畳むと
「僕、どうしても日向くんと二人で行きたくて…ダメ…かな?」
と、日向の目をじっと見つめた。
その瞬間、日向の心は大きく揺れる。
帳のキラキラとした瞳は、純粋な期待に満ちており、その瞳に見つめられると、日向は胸が高鳴るのを抑えきれず
「うっ…!」
と、唸り声をあげ、胸に両手を当て、帳に対してどこまでも甘い彼は、自身の考えをあっさりと曲げると
「はいっ、行きましょう。俺、帳先輩とならどこに行っても楽しめるので、是非お供させて下さい!」
と元気に返事をした。
日向の返事に、帳は
「そう言って貰えると嬉しいな。日向くん、有り難う」
と、嬉しそうにはにかむと、そっと日向の肩にもたれかり
日向は、その柔らかな温もりを感じながら
(あぁ…今日も可愛いなぁ、俺の天使は)
と、頬を緩ませた。
(よくよく考えたら、沢山のひまわりを背景に微笑む帳先輩の愛くるしい表情や、無邪気にはしゃぐ姿がみられるチャンスじゃないか。沢山写真を撮って、アルバム一冊丸々帳先輩の写真で埋めつくそう)
日向がそんな事を考えているなど、知るよしもない帳は、幸せそうに日向の手を重ねた。
「日向くんとのヒマワリ園デートに行くの、楽しみだなぁ」
囁きかける様な穏やかな声には甘さが混じっており、日向は彼の肩にそっと腕をまわすと、より身体を密着させた。
エアコンの心地よい風が部屋を満たし、ソファーに座る二人の間には、穏やかな時間が流れている。
夏のデートスポットを紹介する雑誌をめくっていた帳が、突然目を輝かせると、ひまわり園の特集ページを日向に見せた。
「日向くん、今度の土曜日に一緒にヒマワリ園に行こうよ!」
日向は少し驚いた様子で顔を上げ、声を発した。
「ひまわり園…ですか?」
根はインドアな日向は、日中、酷暑の中歩き回るのに乗り気ではなかった。
帳は雑誌を畳むと
「僕、どうしても日向くんと二人で行きたくて…ダメ…かな?」
と、日向の目をじっと見つめた。
その瞬間、日向の心は大きく揺れる。
帳のキラキラとした瞳は、純粋な期待に満ちており、その瞳に見つめられると、日向は胸が高鳴るのを抑えきれず
「うっ…!」
と、唸り声をあげ、胸に両手を当て、帳に対してどこまでも甘い彼は、自身の考えをあっさりと曲げると
「はいっ、行きましょう。俺、帳先輩とならどこに行っても楽しめるので、是非お供させて下さい!」
と元気に返事をした。
日向の返事に、帳は
「そう言って貰えると嬉しいな。日向くん、有り難う」
と、嬉しそうにはにかむと、そっと日向の肩にもたれかり
日向は、その柔らかな温もりを感じながら
(あぁ…今日も可愛いなぁ、俺の天使は)
と、頬を緩ませた。
(よくよく考えたら、沢山のひまわりを背景に微笑む帳先輩の愛くるしい表情や、無邪気にはしゃぐ姿がみられるチャンスじゃないか。沢山写真を撮って、アルバム一冊丸々帳先輩の写真で埋めつくそう)
日向がそんな事を考えているなど、知るよしもない帳は、幸せそうに日向の手を重ねた。
「日向くんとのヒマワリ園デートに行くの、楽しみだなぁ」
囁きかける様な穏やかな声には甘さが混じっており、日向は彼の肩にそっと腕をまわすと、より身体を密着させた。
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