ポンコツαの初恋事情

京夜灯

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二度目の‥‥‥

ポンコツαの初恋事情 30(R18)

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「――っ、あぁぁっ!」

「っく、ハァッ……きつ‥‥」

日向はゆっくりと律動を開始し、内壁を擦り、抉りながら帳に快楽を与える。

「あっ‥‥ぁぁ、あぁっ‥‥ひ‥‥ぃ‥‥あっん‥‥あぁっ!」

「はぁ、帳先輩の中……っ、堪らない……!」

「やぁっ……ああぁッ……奥まで…はぁんっ…!」

言葉とは裏腹に、逃がさないとばかりに絡みつく腸壁を擦り、日向は何度も何度も帳の奥まで楔を打ち込んだ。

「ぁっ‥‥そこっ、そこぉっ‥‥‥」

帳が堪らないといった様子で首を反らすと、湧き立つような甘い匂いが、鼻腔を伝って胃の腑を侵す。



(あぁ‥‥帳先輩の匂い、たまらない)

帳から溢れ出るフェロモンが、追い立てるように日向の興奮を煽る。

「はぁっ‥‥‥帳先輩‥‥すき‥ですっ‥‥」

薄い膜を通したように、自分のみっともない声が響くが、気にする余裕もなく、一心に帳を求めて腰を振り、日向自らの熱を打ちつけ続ける。

「あぁん、ひ、んんッ」

「はぁっ‥‥ここ、擦るとすごく締まりますね……」

「ぁ、やだ、言わないでぇっ……!」

「帷先輩‥‥かわいい‥‥んっ、どうにかなりそうです」

「ひなたくんっ、ひなたくんっ……!」

「ここにいますよ、帳先輩っ……とばりせんっ、ぱいっ…!!」

帳に耳元で甘く名前を呼ばれる度、ひぞわぞわと、日向の背筋が痺れる。

声も、顔も、身体も、匂いも、優しいところも、時折見せる幼げな顔も、何もかもが好きで。

職場では凛としていて、でも実は甘えん坊で、茶目っ気もあって、そんなところも大好きで。

たまらず日向が帳の両手を握り、指を絡めると、彼は蕩けた顔で笑い、手を握り返した。

「帳っ‥‥せんぱい、好き‥‥大好きっ……はぁっ……!」

「ぁっ…‥はっ、ん…僕も‥‥大好きっ‥‥はぁっ、ぁっ‥あぁっ!」

どこを擦れば帳が反応するのか理解している筈なのに、身体は自分の官能を追ってしまう。

愛する者の全てを身体で感じ、支配したいと願う独占欲の塊に、日向は成り果てていた。

「やぁぁッ、あぁ、あついッ、きもちぃよぉっ」

「くっ……帳、先輩…帳先輩…!」

「らめぇ、お、おくぅ……ふかいぃっ……!」

理性などとうに捨て去り、全身で愛を叫び、二人は互いを求めてより深く混じりあう。

「帳先輩、愛しています、帳‥先輩っ……!」

「あっ、ひなたくっ、でるっ、いっちゃっ、あ、あっ‥あぁぁぁぁっっ!!」

「‥‥ん‥‥くっ!!」

帳は勢いよく精を放ち、二人の腹を白く濡らしていく。

強まる締め付けに抗わず、日向もまた、スキンごしに帳の中へと精を放った。

「あつい‥‥すき、うれしい、きもちいい、ひなたくん、すき、だいすき」

帳の口から繰り返される愛の言葉を受けて、溢れた感情は、言葉に出来ない位に大きくて、日向は帳をかき抱くと、大粒の涙を流し、小刻みに身体を震わせた。

言葉を伴わずとも、日向の気持ちが帳には通じたのであろう。

彼は日向の背中をゆっくりさすると

「僕も‥‥‥愛しているよ」

と、優しい声で囁いた。


「日向くん、日向くんってば!」

「ん~、まだ眠いのに‥‥って、帳先輩?」

日向が目蓋を擦り、ゆっくりと目を開くと、近くには帳の顔があった。

(昨日は確か帳先輩と話し合って、誤解をといて、それから‥‥‥って、うわあぁぁぁっ!!)

昨日の交わりを思い出した日向が勢いよくベッドから跳ね起きると、帳が呆れた様子で再度、日向くん!と名前を呼んだ。

(あれからシャワーを交代で浴びて、帳先輩がシーツをかえてくれて、二人寄り添って眠ったんだった)

日向が昨晩の事を思い出し、顔を真っ赤に染めて俯くと、帳もまた、つられて頬を赤らめ、恥ずかしそうに視線をそらした。

「エッグトースト作ったから、それ食べたら顔洗って、洗面所に新品の歯ブラシ用意してるから、それで歯磨きしてね」

「はっ、はい。有り難うございます」

「何度も声をかけたんだけど、日向君、なかなか起きてくれないんだもん。仕事に遅刻しない様に急いだ急いだっ!」

そう言って手を叩く帳に急かされながら食べた帳お手製のエッグトーストはそれでも手作り特有のあたたかな味で、もっとゆっくり味わいたいなと思っていると、日向の心を見透かした様に、帳はにこりと微笑むと微笑み

「朝食ならいつでも作ってあげるから、今度は二人で食卓を囲もうね」

と、日向にとって、この上なく嬉しい言葉を口にした。

「服も洗って乾かしてあるから、それに着替えたら出よっか」

「はいっ!」

日向は急いで歯磨きを済ませ、顔を洗うと、綺麗に畳まれた自身の服に着替え、玄関前で待つ帳の元へと急いだ。

「あの、帳先輩」

「日向くん、なぁに?」

「手を繋いでもいいですか?」

日向が緊張した面持ちで手を差し出すと、帳は日向の手をとり

「勿論だよ!」
と答え、花咲く様に微笑んだ。

窓の外からは朝日が差し込み、マンションの下には青い紫陽花が美しく咲き誇っていた。
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