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迫られる、選択
悠人の仕事を知った花音。それどころか自身の父親との因果関係…その秘密を知った花音が選ぶ道は…
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父親から悠人との関係、因果を聞いた花音。どうしていいのか解らずにいた時だった。父は悠人に頭を下げた。
「済まなかったね、申し訳ない。悠人、君の過去をも話してしまう事になってしまった。」
「大丈夫です、すみません…頭首。」
「まって…?じゃぁ私と悠人は…兄妹?」
「違う、養子縁組をした訳じゃないからね。問題はない。」
「でも…矢野さんも…誰も何も知らない顔をしてたじゃない…それは…」
そう聞く花音に母は口を開いた。
「話してもよかったの。でも、もし話してしまったら、花音は素直に心が開けた?自分に向けてくれてた愛情、廉に向けた愛情が他の他人にまで向けられていたっていう事実。それが自分の執事としてやってきた。…それを伝えるのが怖かったのも正直あるわ?だけど」
「もぉ…いいよ。」
そう母の言葉を遮った花音。
「廉は…廉は知ってるの?」
「あの子も知らない。」
「そっか…その仕事って…いつまでやるの?」
「期限はないよ。あるとすれば、私が死んだ時・悠人達に力が及ばなくなったと判断された時・あとあるとすれば私始め、悠人達の申し入れが強く、また、それが受理された時。この三点の内のどれかに該当する時だな。」
「そう…」
少し俯き加減で返事をする花音。何度か小さく頷いては『うん…』と言うばかりだった。
「花音…」
「私は大丈夫…新崎さん達待ってるから…行って来て?」
そういいフワリと笑いかける花音に何と表現したらよいか…解らない様な顔で父は病室を後にした。残された母と花音、悠人の間にも少しの沈黙があった。その沈黙を破ったのは悠人だった。
「花音様、黙っていたのは何も頭首だけではございません。私もまた同様でございます。」
「解ってる。でも…」
「驚いたには間違いないだろう。それでも、こうして私が居られるのも、存在を自身で否定しないのも…頭首に出会えたからです。」
「悠人…」
「そして、花音様にも出逢えた。それは偏に私にとって最大の幸せであり、存在価値を増した…と言えます。」
そういい優しく笑いかけると悠人は眼鏡を外し、花音の母に視線を向けた。
「奥様…申し訳ございません。」
「悠人?」
突然の悠人の謝罪に花音の母も驚いた。しかし、穏やかな表情で悠人は言葉を止める事無く続けて言った。
「私は、禁忌を犯してしまったようです。」
「…何を…」
「花音様に対して、最愛たる好意を抱きました。」
「悠人…ッ」
「いいんだ、花音。私は、花音の存在があの仕事をしていたとしても生きて帰る…そう強くさせてくれる。大きくて、とてつもなく偉大で…花音が居てくれるからこそ、私は強くなれる。」
「悠人…」
「あってはならないと…そう言われるお気持ちは重々承知しております。しかしながら、もう私の中では、花音様無くして、どう過ごしていくべきなのか…今後の未来に於いて、どう生きるか…それは要否に対してとても大きな割合を占めております。」
「悠人、それはつまり…」
「私は、いえ、僕は花音を愛しています。」
そうはっきりと母に伝える悠人。そう言い切った悠人をおいて、花音の母は花音に問うた。
「悠人君はあぁ言ってるけれど、花音?あなたはどう?」
「私も…悠人は好き。…でも……」
明らかに花音は戸惑っていた。確かに数日前には笑って『好きだ』と言えていた。しかし、ついさっき父からあんな過去を聞かされたばかり…花音の中では、悠人の過去がどうとかではなかった。ただ、これから先に将来を見据えた時、毎夜毎夜、悠人の帰りを神に祈るかの様な気持ちで待たなくてはならないのか…そんな思いが巡り巡っていたのだった。それを察したのか、悠人は花音に向かって声をかけた。
「返事は今じゃなくてもいい。もちろん断ってくれたって構わない。仕事とはいえ、何人も人の血を見てきた俺だから花音が戸惑うのだって仕方ない。それでも、俺をちゃんと見てほしい。俺を見て、着いてきてくれるか、そうでなく他の男を選ぶか…ちゃんと花音の心に問うてくれたらそれでいいから。」
「悠…人」
そうして花音はしっかりとした返事が出来ないまま俯いていた。
一方の花音の父と、新崎達は院内にある喫茶店の奥で話をしていた。
「…それで、今後の仕事についてだが…」
「僕たちは仕事があろうとなかろうとどちらでも構いません。」
「まぁそうだね。悠人ありきだし。」
「悠人が例えばこれから先、うちの花音と将来を見据えていくとしたら、この仕事はきっと他の所に回されることになるだろう。」
「構わないですよ。」
「そうそう!何より、NDLも大事だけど、結婚とか幸せな事も人生で必要だしね!」
そう話していくのは工藤と梶谷だった。その間、新崎は口を開く事はなく、黙って聞いていた。
「新崎君、君は…どう思う?」
「俺は、正直これからの事を考えたら引くのも有なのかもしれない。でも、ここで辞めたら実際どうなるのかって思う。いま悠人が向かっていられるのも、前よりも強くなったのも花音ちゃんが居るからです。自分が死んだら、自分が負けたら、花音ちゃんが泣くからと…だから悠人は以前にもまして、時間通りに、且つ、正確に仕事をしてきてる。無くなるならそれはそれで結婚だったり、いろんな面でも心配は減るかも知れない。俺らだって、正直なところいつ死ぬかも解らない中で必死になってる。報酬だってしっかりともらえてる中でそれじゃ下手したら足りないと思うくらいヘビーな時だってあったしね。だけど今辞めたら、花音ちゃん…自分を責め無いかな。私が悠人の仕事を取ったと…安堵するかもしれない。それでも心のどこかで寂しさも交えてくるような…そんな気がする。」
そう話しきった新崎。それを聞いていた工藤や梶谷、花音の父はすっかりと黙ってしまっていた。
「…安堵の幸せを取るか、思いやりの不安を取るか…って事か?」
「それもなんか違う気がするけどね、それでも花音ちゃんはきっと悠人の事を第一に考えちゃいそうだなぁって思ってね?」
「あの子ならそうなるかもね…」
「…ではこの件は一旦預けてくれるか?」
「ya…」
そうして短い時間ではあったが四人での話し合いは終える事となった。
どっちの道を選ぶのが一番得策なのか…
どの道を行ったら誰も傷つかずに生きていけるか…
愛する人の涙…悲しむ顔…それをいかに見ないで済むか…
大切な人と、笑って過ごせる未来…
幸せなのは…一体どの道なのか…当の本人の悠人はどう思っているのか…それも考えるべく事の一つであった。
工藤と梶谷はそのまま帰宅をし、新崎は花音の父について病室に戻る。ちょうど戻ってくるとほぼ同時に、病室から花音の母が出てきた。
「詩音?」
「…あなた…お話は?終わったの?」
「あぁ、花音は?」
「今、中にいるわ?」
「そうか…少し話してくる。」
そうして二人は仲に入っていった。花音を母と一緒に関を外させて三人で話をし出した。
「頭首…」
「悠人?これから先、どうしていきたい?」
「どう…と言いますと…」
「悠人はどんな未来を見たい?」
「私は…」
「正直な気もち…それを聞きたい。教えてほしい。花音が知った今、正直な心をさらけ出す必要がある。」
「だとしたら俺は、花音と生きたい。これから先、NDLを続けるでも、辞めるでも…それは関係ない。花音と生きていきたい。それだけです。」
真っ直ぐに自分自身を見つめてくる悠人から目線を外すことなくしっかりと受け止める花音の父。悠人自身もその言葉と眼差しに偽りや迷いはなかった。しかし、時期にくすりと小さく笑うと両の掌に視線を落として寂しそうな様子で口を開いた。
「とはいっても…血に塗れたこの手を取ってくれるか…法に触れないと言っても、殺人鬼としての俺を受け入れてくれるか…俺が花音ならたぶん、拒絶をすると思うから。」
「悠人…」
「今まで順風満帆にやってきて、まだ芹澤卿のお嬢様からの仕打ちも傷はしっかりと癒えてないはずだから。そんな時に執事がこんな血腥い男と知って…拒絶をしない方が珍しい。貴重だよ」
そう話している中、主治医がやってきて退院の目処がついたと話にやってきた。このまま何もなければ二日後。その日が悠人の退院の日となる。其の後も数回の通院や薬の処方はある事を告げると病室を後にした。
「二日後…か」
「どうする?無理は出来ないが、花音と夏目の屋敷にまだ入ってくれるか?」
「喜んで。」
そうして上げた悠人の顔を見て、花音の父もまた、小さく息を吐いた。
「済まなかったね、申し訳ない。悠人、君の過去をも話してしまう事になってしまった。」
「大丈夫です、すみません…頭首。」
「まって…?じゃぁ私と悠人は…兄妹?」
「違う、養子縁組をした訳じゃないからね。問題はない。」
「でも…矢野さんも…誰も何も知らない顔をしてたじゃない…それは…」
そう聞く花音に母は口を開いた。
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「そう…」
少し俯き加減で返事をする花音。何度か小さく頷いては『うん…』と言うばかりだった。
「花音…」
「私は大丈夫…新崎さん達待ってるから…行って来て?」
そういいフワリと笑いかける花音に何と表現したらよいか…解らない様な顔で父は病室を後にした。残された母と花音、悠人の間にも少しの沈黙があった。その沈黙を破ったのは悠人だった。
「花音様、黙っていたのは何も頭首だけではございません。私もまた同様でございます。」
「解ってる。でも…」
「驚いたには間違いないだろう。それでも、こうして私が居られるのも、存在を自身で否定しないのも…頭首に出会えたからです。」
「悠人…」
「そして、花音様にも出逢えた。それは偏に私にとって最大の幸せであり、存在価値を増した…と言えます。」
そういい優しく笑いかけると悠人は眼鏡を外し、花音の母に視線を向けた。
「奥様…申し訳ございません。」
「悠人?」
突然の悠人の謝罪に花音の母も驚いた。しかし、穏やかな表情で悠人は言葉を止める事無く続けて言った。
「私は、禁忌を犯してしまったようです。」
「…何を…」
「花音様に対して、最愛たる好意を抱きました。」
「悠人…ッ」
「いいんだ、花音。私は、花音の存在があの仕事をしていたとしても生きて帰る…そう強くさせてくれる。大きくて、とてつもなく偉大で…花音が居てくれるからこそ、私は強くなれる。」
「悠人…」
「あってはならないと…そう言われるお気持ちは重々承知しております。しかしながら、もう私の中では、花音様無くして、どう過ごしていくべきなのか…今後の未来に於いて、どう生きるか…それは要否に対してとても大きな割合を占めております。」
「悠人、それはつまり…」
「私は、いえ、僕は花音を愛しています。」
そうはっきりと母に伝える悠人。そう言い切った悠人をおいて、花音の母は花音に問うた。
「悠人君はあぁ言ってるけれど、花音?あなたはどう?」
「私も…悠人は好き。…でも……」
明らかに花音は戸惑っていた。確かに数日前には笑って『好きだ』と言えていた。しかし、ついさっき父からあんな過去を聞かされたばかり…花音の中では、悠人の過去がどうとかではなかった。ただ、これから先に将来を見据えた時、毎夜毎夜、悠人の帰りを神に祈るかの様な気持ちで待たなくてはならないのか…そんな思いが巡り巡っていたのだった。それを察したのか、悠人は花音に向かって声をかけた。
「返事は今じゃなくてもいい。もちろん断ってくれたって構わない。仕事とはいえ、何人も人の血を見てきた俺だから花音が戸惑うのだって仕方ない。それでも、俺をちゃんと見てほしい。俺を見て、着いてきてくれるか、そうでなく他の男を選ぶか…ちゃんと花音の心に問うてくれたらそれでいいから。」
「悠…人」
そうして花音はしっかりとした返事が出来ないまま俯いていた。
一方の花音の父と、新崎達は院内にある喫茶店の奥で話をしていた。
「…それで、今後の仕事についてだが…」
「僕たちは仕事があろうとなかろうとどちらでも構いません。」
「まぁそうだね。悠人ありきだし。」
「悠人が例えばこれから先、うちの花音と将来を見据えていくとしたら、この仕事はきっと他の所に回されることになるだろう。」
「構わないですよ。」
「そうそう!何より、NDLも大事だけど、結婚とか幸せな事も人生で必要だしね!」
そう話していくのは工藤と梶谷だった。その間、新崎は口を開く事はなく、黙って聞いていた。
「新崎君、君は…どう思う?」
「俺は、正直これからの事を考えたら引くのも有なのかもしれない。でも、ここで辞めたら実際どうなるのかって思う。いま悠人が向かっていられるのも、前よりも強くなったのも花音ちゃんが居るからです。自分が死んだら、自分が負けたら、花音ちゃんが泣くからと…だから悠人は以前にもまして、時間通りに、且つ、正確に仕事をしてきてる。無くなるならそれはそれで結婚だったり、いろんな面でも心配は減るかも知れない。俺らだって、正直なところいつ死ぬかも解らない中で必死になってる。報酬だってしっかりともらえてる中でそれじゃ下手したら足りないと思うくらいヘビーな時だってあったしね。だけど今辞めたら、花音ちゃん…自分を責め無いかな。私が悠人の仕事を取ったと…安堵するかもしれない。それでも心のどこかで寂しさも交えてくるような…そんな気がする。」
そう話しきった新崎。それを聞いていた工藤や梶谷、花音の父はすっかりと黙ってしまっていた。
「…安堵の幸せを取るか、思いやりの不安を取るか…って事か?」
「それもなんか違う気がするけどね、それでも花音ちゃんはきっと悠人の事を第一に考えちゃいそうだなぁって思ってね?」
「あの子ならそうなるかもね…」
「…ではこの件は一旦預けてくれるか?」
「ya…」
そうして短い時間ではあったが四人での話し合いは終える事となった。
どっちの道を選ぶのが一番得策なのか…
どの道を行ったら誰も傷つかずに生きていけるか…
愛する人の涙…悲しむ顔…それをいかに見ないで済むか…
大切な人と、笑って過ごせる未来…
幸せなのは…一体どの道なのか…当の本人の悠人はどう思っているのか…それも考えるべく事の一つであった。
工藤と梶谷はそのまま帰宅をし、新崎は花音の父について病室に戻る。ちょうど戻ってくるとほぼ同時に、病室から花音の母が出てきた。
「詩音?」
「…あなた…お話は?終わったの?」
「あぁ、花音は?」
「今、中にいるわ?」
「そうか…少し話してくる。」
そうして二人は仲に入っていった。花音を母と一緒に関を外させて三人で話をし出した。
「頭首…」
「悠人?これから先、どうしていきたい?」
「どう…と言いますと…」
「悠人はどんな未来を見たい?」
「私は…」
「正直な気もち…それを聞きたい。教えてほしい。花音が知った今、正直な心をさらけ出す必要がある。」
「だとしたら俺は、花音と生きたい。これから先、NDLを続けるでも、辞めるでも…それは関係ない。花音と生きていきたい。それだけです。」
真っ直ぐに自分自身を見つめてくる悠人から目線を外すことなくしっかりと受け止める花音の父。悠人自身もその言葉と眼差しに偽りや迷いはなかった。しかし、時期にくすりと小さく笑うと両の掌に視線を落として寂しそうな様子で口を開いた。
「とはいっても…血に塗れたこの手を取ってくれるか…法に触れないと言っても、殺人鬼としての俺を受け入れてくれるか…俺が花音ならたぶん、拒絶をすると思うから。」
「悠人…」
「今まで順風満帆にやってきて、まだ芹澤卿のお嬢様からの仕打ちも傷はしっかりと癒えてないはずだから。そんな時に執事がこんな血腥い男と知って…拒絶をしない方が珍しい。貴重だよ」
そう話している中、主治医がやってきて退院の目処がついたと話にやってきた。このまま何もなければ二日後。その日が悠人の退院の日となる。其の後も数回の通院や薬の処方はある事を告げると病室を後にした。
「二日後…か」
「どうする?無理は出来ないが、花音と夏目の屋敷にまだ入ってくれるか?」
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