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battle47…疑問と本音
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翌朝…なにも言わない雅を見て、住職は申し訳なさそうに近付いてくる。
「あの……女人様?」
「……」
「おい、呼ばれてるぞ」
「え?私?」
「他にどこに女が居るんだ」
「あ、そか。」
「……ッ…ハァ…昨夜は大変失礼しました。」
「あ、いいですよ…別に」
「そうは言われましても……ご……強姦など……」
「強姦?未遂でしょ?」
「…しかし!」
「別に?たいして……って言うか、お坊さんも大変なんだなぁって……それに住職さんも大変だなぁって…」
「え?そういわれますと?」
「…人の事襲っておいて殴られた方が重罪なんて笑っちゃうなって。大それたこと言っても煩悩にまみれてる方が素直になれるってもう少し知った方がいいのに…、あ、出来ないのか…御仏様の御前、でしたっけ?」
そう言いながらもにこやかに笑い離している雅を見て悟浄と悟空は顔を見合わせていた。
「なんか…俺…雅が怖い……」
「たまにあぁ言うとこあるよな…雅って…」
「三蔵に似てきたんじゃんね?」
「やぁなとこだけに似てきてんじゃねえって…」
「なにか言ったか…」
「別に?」
「雅?そのくらいにしておかないと…」
「八戒?私なにも怒ってないよ?」
「いえ…そのご住職さんが……」
「あの……本当にすみませんでした」
「頭下げて欲しいなんて頼んでないです。その代わり…」
「その代わり……なんでございましょうか…」
「もう少しお坊さんの方達のしつけ…された方が良いと思いますが…?」
「……御意…」
「あーらら、住職に御意言わせたぜ?」
「…ッフ…」
「三蔵?笑い事じゃねえんじゃねえの?」
「言わせておけ…」
そう話しながら朝食を食べ、出発した。
「そういや三蔵?」
「…なんだ」
「珍しくそれ、しわくちゃじゃねえ?」
「…あ、それ私のせい……」
「…み…やび?」
「私が三蔵の法衣にくるまって寝ちゃったから…」
「お陰でヨレヨレだ」
「…ごめん…」
「惚気ないでくれませんか?」
「俺はありのままの事を言ってるだけだが?」
「…自覚ねえのはマジタチ悪りいぜ…」
「なぁな、三蔵のあれってあったけえの?」
「暖かいよ?」
「へぇぇ」
「…ダメだ」
「…え?…てか俺まだなにも言ってねえし!」
「ダメだ」
「なんだよ!」
「悟空、察しろ」
「……察するって?」
「雅にしか貸したくねえんだよ、ぜってー」
「うるせえ!」
「三蔵?照れ隠しにむやみに撃つのやめてください?」
そんな会話を聞きながら雅は嬉しそうにはにかんでいた。
そうこうしている内に、気付けばかなり後ろに寺院は去り、街が遠くに見え始めてきた。
「あ!!あそこ?次の街!!」
「そうですよ?でも、雅?危ないので座ってください?」
「あ……」
「俺はそのままでも構わねえよ?」
「え?」
「良いライン…!」
「とっとと座れ!!そして貴様は死ね!」
そう三蔵の怒号が聞こえてきた。
「悟浄が変なこと言うから……」
「俺のせいかよ…クス…」
「他に誰がいるのよ」
「なぁ三蔵、腹減った…」
「うるせえ!」
「…平和ですねぇ…」
そう話しながらも街に着いた一行。買い出し、宿、食事……色々と意見が飛び交う中、少し早い昼食に向かった。相も変わらずに大量に注文し、届いては平らげていく悟空と、人並みの食事を楽しむ四人。
食事を済ませ、買い出しよりもまずは宿の確保、とした。
「…すみません、シングル二部屋と、ツインが一部屋になってしまうのですが…」
「あーー…どうします?」
「どうもこうも、良いんじゃね?」
そうしてその部屋を借りることにした。キーを出されるとすっと八戒の脇からシングルの部屋をひとつ取ると、三蔵は雅の手首を掴んでスタスタと先に言ってしまった。
「……あーー……」
「なぁ、もしかして…三蔵がここ最近機嫌悪かったのって……」
「…雅との時間が取れなかった…ということでしょうか…」
「…たく、ガキかよ」
「はは」
「フフフ…」
「あぁ、すみません」
「いえ、ではお布団…予備の分要らないですか?」
「あとベッドが三つなら……あ、大丈夫です」
「わかりました。
そう伝えてそれぞれ部屋割りを決めようかとしていた。
その頃の三蔵と雅。
「ちょ…っ!三蔵?」
雅の言葉も聞かないで部屋に入ると内鍵をかけた三蔵。ドサリと荷物を降ろすとぎゅっと抱き締めた。
「さ……んぞ?」
「……ッ…」
「ねぇ…三蔵?」
「少し…黙ってろ…」
「どうかした?」
「…うるせえよ…」
そう言いながらも腕を一切緩めようとしなかった。
「……どうかした?」
「どうかした、じゃねえよ…」
「……?部屋割りとか…決めなくてよかった?」
「俺と一緒じゃ不満か?」
「そうじゃなくて……でも」
その言葉を聞いた三蔵はいきなり腕を離すとふいっと背中を向けた。
「さ…んぞ?」
「嫌なら誰かと変わってもらえば良いだろう…」
「あの…!」
ドアノブに手をかけた三蔵の背中から今度は雅が巻き付いた。
「嫌だったんじゃないのか?」
「……嫌なんて…言ってない…」
「じゃぁなんだよ!」
「久しぶりで……緊張しただけ…」
「……雅」
「嫌じゃない…三蔵と二人っきりは…嬉しいよ?」
「……ハァ…」
前に回る腕にゆっくりと手のひらを重ね、指を絡める三蔵。
「……三蔵は?急にどうしたの…?」
「……ずっと…」
「ずっと?」
「いや、何でもねえよ」
「なに?聞きたい…」
「…抱き締めたかった…それだけだ…」
そう言い終わると雅の腕を緩め、体の向きを変えるとそっと抱き寄せた。
「三蔵?」
「なんだ」
「……ううん、何でもない…」
そっと三蔵の背中に腕を回すと巻き付いた雅。ふっと優しく笑うかのように口許を緩めると体を離した。
「…いきなり悪かったな…」
「…三蔵?どうしたの?」
「それよりも、八戒達と買い出しいくんだろう?」
「でも…」
「早く行け…じゃないと今すぐ抱きたくなるだろうが……」
そう言われた雅。三蔵と一緒にいたい、でも八戒との買い物の約束もある。
「…私はどっちを選ぶのが正解?」
「好きにしろ」
「……じゃぁ…」
袖の袂をきゅっと握るとぽすっと胸元に凭れた。
「戻ってきたら…離さないで居てくれる?」
「…ッッ……あぁ」
そう答える三蔵からゆっくり離れ、いってきます!と伝えた。
「バカだろ…俺は………何で好きにしろなんて…」
そう呟いていた。三蔵の部屋にノックと同時に扉は開く。
「…何しに来た。」
「いんや?八戒や猿と一緒に雅出てったからさ?フラれた三蔵と一緒に話でもしようかなぁって」
「俺に話はない」
「まぁそう言うなって」
にっと笑いながらも悟浄はカチツとたばこに火をつけた。
「…なぁ三蔵?」
「なんだ」
「俺さ、思うんだけど…」
「だからなんだ」
「雅と、結婚とかしねえの?」
「なんだ急に…」
「いや?ただふと思っただけ」
「…しねえな」
「は?!」
「今のままじゃしないと言うより出来ねえだろうが」
「……いつかはする気あるのか?」
「するとしても約束なんざしねえよ」
「……三蔵?何か矛盾してね?」
「どういうことだ」
「だってお前、結婚するって約束みたいなもんだろうが。一生かけて幸せにするって…」
「だからだろうが」
そういう三蔵に視線を送ったまま悟浄の頭にはクエスチョンが着いた。
「いつだったかにも言ったが。俺たちは追ってる身の様で追われてんだ。明日にでも死ぬかもしれねえ。そんなときに『いつか結婚しよう』なんて約束できねえだろうが。もし俺たちが死んだとして…その約束にあいつが囚われて身動き取れなくなるのが目に見えてる。」
「……死ぬかもって、死なねえだろうが」
「死ぬつもりは毛頭ねえよ」
「だったら。」
「それでも生きてる間には思いがけないことだってある。もし仮に囚われるって言うなら、あいつじゃなくて俺であればいい…」
「三蔵……お前って…」
「なんだ」
「どんだけ雅に惚れてんの?」
「うるせえよ」
「雅の事になると後先見えなくなるもんな。あ、あと悟空な?」
「…悟空がどうした。」
「雅と悟空にたいしてはめちゃくちゃ甘いの、気付いてねえの?」
「甘やかしてるつもりはねえよ」
「あーーさいですか」
「下らんな」
「……それは悪ぅございましたね」
「…フン」
そうして二人の間に沈黙が訪れる。
「なぁ三蔵?」
「やかましい」
「…いや、何でもね」
「だったら呼ぶな」
「へーへー」
そのまま二人はたばこをふかしながらも買い物に出かけた三人を待っていた。
「…おい」
「んー?」
「用がないならさっさと自分の部屋戻れ」
「いいじゃんたまには、さ?」
「気持ちわりぃな」
「まぁまぁ。」
まだかまだかと待ちながら、ちらりと三蔵の横顔を盗み見ている悟浄。
「……」
「…言いたいことがあるなら言え」
「ん、雅はなんでこんな生臭坊主が好きなんかナァって思ってみてた」
「余計なお世話だ」
クツクツと喉をならして悟浄はふっと笑っていたのだった。
「あの……女人様?」
「……」
「おい、呼ばれてるぞ」
「え?私?」
「他にどこに女が居るんだ」
「あ、そか。」
「……ッ…ハァ…昨夜は大変失礼しました。」
「あ、いいですよ…別に」
「そうは言われましても……ご……強姦など……」
「強姦?未遂でしょ?」
「…しかし!」
「別に?たいして……って言うか、お坊さんも大変なんだなぁって……それに住職さんも大変だなぁって…」
「え?そういわれますと?」
「…人の事襲っておいて殴られた方が重罪なんて笑っちゃうなって。大それたこと言っても煩悩にまみれてる方が素直になれるってもう少し知った方がいいのに…、あ、出来ないのか…御仏様の御前、でしたっけ?」
そう言いながらもにこやかに笑い離している雅を見て悟浄と悟空は顔を見合わせていた。
「なんか…俺…雅が怖い……」
「たまにあぁ言うとこあるよな…雅って…」
「三蔵に似てきたんじゃんね?」
「やぁなとこだけに似てきてんじゃねえって…」
「なにか言ったか…」
「別に?」
「雅?そのくらいにしておかないと…」
「八戒?私なにも怒ってないよ?」
「いえ…そのご住職さんが……」
「あの……本当にすみませんでした」
「頭下げて欲しいなんて頼んでないです。その代わり…」
「その代わり……なんでございましょうか…」
「もう少しお坊さんの方達のしつけ…された方が良いと思いますが…?」
「……御意…」
「あーらら、住職に御意言わせたぜ?」
「…ッフ…」
「三蔵?笑い事じゃねえんじゃねえの?」
「言わせておけ…」
そう話しながら朝食を食べ、出発した。
「そういや三蔵?」
「…なんだ」
「珍しくそれ、しわくちゃじゃねえ?」
「…あ、それ私のせい……」
「…み…やび?」
「私が三蔵の法衣にくるまって寝ちゃったから…」
「お陰でヨレヨレだ」
「…ごめん…」
「惚気ないでくれませんか?」
「俺はありのままの事を言ってるだけだが?」
「…自覚ねえのはマジタチ悪りいぜ…」
「なぁな、三蔵のあれってあったけえの?」
「暖かいよ?」
「へぇぇ」
「…ダメだ」
「…え?…てか俺まだなにも言ってねえし!」
「ダメだ」
「なんだよ!」
「悟空、察しろ」
「……察するって?」
「雅にしか貸したくねえんだよ、ぜってー」
「うるせえ!」
「三蔵?照れ隠しにむやみに撃つのやめてください?」
そんな会話を聞きながら雅は嬉しそうにはにかんでいた。
そうこうしている内に、気付けばかなり後ろに寺院は去り、街が遠くに見え始めてきた。
「あ!!あそこ?次の街!!」
「そうですよ?でも、雅?危ないので座ってください?」
「あ……」
「俺はそのままでも構わねえよ?」
「え?」
「良いライン…!」
「とっとと座れ!!そして貴様は死ね!」
そう三蔵の怒号が聞こえてきた。
「悟浄が変なこと言うから……」
「俺のせいかよ…クス…」
「他に誰がいるのよ」
「なぁ三蔵、腹減った…」
「うるせえ!」
「…平和ですねぇ…」
そう話しながらも街に着いた一行。買い出し、宿、食事……色々と意見が飛び交う中、少し早い昼食に向かった。相も変わらずに大量に注文し、届いては平らげていく悟空と、人並みの食事を楽しむ四人。
食事を済ませ、買い出しよりもまずは宿の確保、とした。
「…すみません、シングル二部屋と、ツインが一部屋になってしまうのですが…」
「あーー…どうします?」
「どうもこうも、良いんじゃね?」
そうしてその部屋を借りることにした。キーを出されるとすっと八戒の脇からシングルの部屋をひとつ取ると、三蔵は雅の手首を掴んでスタスタと先に言ってしまった。
「……あーー……」
「なぁ、もしかして…三蔵がここ最近機嫌悪かったのって……」
「…雅との時間が取れなかった…ということでしょうか…」
「…たく、ガキかよ」
「はは」
「フフフ…」
「あぁ、すみません」
「いえ、ではお布団…予備の分要らないですか?」
「あとベッドが三つなら……あ、大丈夫です」
「わかりました。
そう伝えてそれぞれ部屋割りを決めようかとしていた。
その頃の三蔵と雅。
「ちょ…っ!三蔵?」
雅の言葉も聞かないで部屋に入ると内鍵をかけた三蔵。ドサリと荷物を降ろすとぎゅっと抱き締めた。
「さ……んぞ?」
「……ッ…」
「ねぇ…三蔵?」
「少し…黙ってろ…」
「どうかした?」
「…うるせえよ…」
そう言いながらも腕を一切緩めようとしなかった。
「……どうかした?」
「どうかした、じゃねえよ…」
「……?部屋割りとか…決めなくてよかった?」
「俺と一緒じゃ不満か?」
「そうじゃなくて……でも」
その言葉を聞いた三蔵はいきなり腕を離すとふいっと背中を向けた。
「さ…んぞ?」
「嫌なら誰かと変わってもらえば良いだろう…」
「あの…!」
ドアノブに手をかけた三蔵の背中から今度は雅が巻き付いた。
「嫌だったんじゃないのか?」
「……嫌なんて…言ってない…」
「じゃぁなんだよ!」
「久しぶりで……緊張しただけ…」
「……雅」
「嫌じゃない…三蔵と二人っきりは…嬉しいよ?」
「……ハァ…」
前に回る腕にゆっくりと手のひらを重ね、指を絡める三蔵。
「……三蔵は?急にどうしたの…?」
「……ずっと…」
「ずっと?」
「いや、何でもねえよ」
「なに?聞きたい…」
「…抱き締めたかった…それだけだ…」
そう言い終わると雅の腕を緩め、体の向きを変えるとそっと抱き寄せた。
「三蔵?」
「なんだ」
「……ううん、何でもない…」
そっと三蔵の背中に腕を回すと巻き付いた雅。ふっと優しく笑うかのように口許を緩めると体を離した。
「…いきなり悪かったな…」
「…三蔵?どうしたの?」
「それよりも、八戒達と買い出しいくんだろう?」
「でも…」
「早く行け…じゃないと今すぐ抱きたくなるだろうが……」
そう言われた雅。三蔵と一緒にいたい、でも八戒との買い物の約束もある。
「…私はどっちを選ぶのが正解?」
「好きにしろ」
「……じゃぁ…」
袖の袂をきゅっと握るとぽすっと胸元に凭れた。
「戻ってきたら…離さないで居てくれる?」
「…ッッ……あぁ」
そう答える三蔵からゆっくり離れ、いってきます!と伝えた。
「バカだろ…俺は………何で好きにしろなんて…」
そう呟いていた。三蔵の部屋にノックと同時に扉は開く。
「…何しに来た。」
「いんや?八戒や猿と一緒に雅出てったからさ?フラれた三蔵と一緒に話でもしようかなぁって」
「俺に話はない」
「まぁそう言うなって」
にっと笑いながらも悟浄はカチツとたばこに火をつけた。
「…なぁ三蔵?」
「なんだ」
「俺さ、思うんだけど…」
「だからなんだ」
「雅と、結婚とかしねえの?」
「なんだ急に…」
「いや?ただふと思っただけ」
「…しねえな」
「は?!」
「今のままじゃしないと言うより出来ねえだろうが」
「……いつかはする気あるのか?」
「するとしても約束なんざしねえよ」
「……三蔵?何か矛盾してね?」
「どういうことだ」
「だってお前、結婚するって約束みたいなもんだろうが。一生かけて幸せにするって…」
「だからだろうが」
そういう三蔵に視線を送ったまま悟浄の頭にはクエスチョンが着いた。
「いつだったかにも言ったが。俺たちは追ってる身の様で追われてんだ。明日にでも死ぬかもしれねえ。そんなときに『いつか結婚しよう』なんて約束できねえだろうが。もし俺たちが死んだとして…その約束にあいつが囚われて身動き取れなくなるのが目に見えてる。」
「……死ぬかもって、死なねえだろうが」
「死ぬつもりは毛頭ねえよ」
「だったら。」
「それでも生きてる間には思いがけないことだってある。もし仮に囚われるって言うなら、あいつじゃなくて俺であればいい…」
「三蔵……お前って…」
「なんだ」
「どんだけ雅に惚れてんの?」
「うるせえよ」
「雅の事になると後先見えなくなるもんな。あ、あと悟空な?」
「…悟空がどうした。」
「雅と悟空にたいしてはめちゃくちゃ甘いの、気付いてねえの?」
「甘やかしてるつもりはねえよ」
「あーーさいですか」
「下らんな」
「……それは悪ぅございましたね」
「…フン」
そうして二人の間に沈黙が訪れる。
「なぁ三蔵?」
「やかましい」
「…いや、何でもね」
「だったら呼ぶな」
「へーへー」
そのまま二人はたばこをふかしながらも買い物に出かけた三人を待っていた。
「…おい」
「んー?」
「用がないならさっさと自分の部屋戻れ」
「いいじゃんたまには、さ?」
「気持ちわりぃな」
「まぁまぁ。」
まだかまだかと待ちながら、ちらりと三蔵の横顔を盗み見ている悟浄。
「……」
「…言いたいことがあるなら言え」
「ん、雅はなんでこんな生臭坊主が好きなんかナァって思ってみてた」
「余計なお世話だ」
クツクツと喉をならして悟浄はふっと笑っていたのだった。
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