54 / 94
battle46…神と煩悩の狭間
しおりを挟む 他に売れそうなものはないかと聞かれたので、特にこれといったものはないんだけど、しいて言えば革のベルトもいいんじゃないかと言ってみた。あと、革パンツやベストで、もちろんポケット付き。
「ふむ……ベルトですか」
「あい。しょのままもいいんでしゅけろ、しゃりげにゃいおしゃれとして、かわをほしょくしゃいてあみこんでもいいとおもうんでしゅよ」
「なるほど……。そうねぇ……こんな感じかしら?」
「お~、しゃしゅがキャシーしゃん! しょうでしゅ!」
「あら、これなら女性もさり気ないおしゃれとして腰に巻けるわね」
編み込んだベルトという言葉でなにやら思いついたのか、革の切れ端をベルトのように細長くしたあと、さらにそこに切れ込みを入れて器用に編んでいく。すると、日本でも見たことがある、編み込みの革ベルトが出来上がっていた。
とはいえ、あくまでも試作なので切り込みを入れた部分の処理やほつれないようにするにはどうするかとか、革によっての耐久性を調べなければわからないが、そこは鎧にもなっちゃうくらい頑丈な革。なので、耐久性は合格なわけで。
あとはほつれなどの問題を解決すればOKとなった。
他にも、ポンチョの提案をしてみた。外套よりは短いけれど、ケープよりも長いサイズで、マントよりは動きやすいと思うんだよね。
特に、新人冒険者の女の子にはいいと思う。
「うしゅいかわにゃら、しゅしょにししゅうをしてもいいとおもうんでしゅ」
「しゅしょ? ああ、裾ね。そうねぇ、オークなら比較的薄い皮だし、蜘蛛の糸ならできるわね」
「女の子だもの、おしゃれはしたいわよね」
「そうよね! 町の中用と、冒険用に分けてもいいんじゃないかしら! アタシが頑張って作るわよ!」
「「てことで、ステラ、デザインよろしくね!」」
「あ、あい!」
キャシーさんとセレスさんの圧が凄い……! 言い出しっぺなので、頑張ってデザインするさ!
そんな話から、トートバッグももうちょっと可愛いデザインが欲しいだの、男性用のマジックバッグも、もっといろんなデザインがあってもいいだのと、私の提案が呼び水になったのか、いろんな意見が出てくる。
なぜかポーションホルダーも欲しいと、バトラーさんとテトさんから意見が出た。
ポーションホルダーとはなんぞやと疑問に思いつつ、彼らの話聞きながら、若干圧がかかったにっこにこ笑顔で紙とペンをセバスさんに渡された私は、ポンチョの基本的な形と二、三点のデザインを起こす。そこに大きく作ればリュックを背負ったまま歩けること、雨を弾く素材なら雨合羽になることも明記しておく。
刺繍についてはまだこの世界の基準がわからないので、そこは丸投げした。
あとは鞄の形も描いてと言われ、日本や海外で見た形を描いていく。マチの幅はもちろんのこと、縦横の長さ、ポケットはどの位置か、リュックも女性や少年少女が背負えるサイズを描いたり、冒険者だけではなく小さなお子さんが背負えるようなものまで描いてみた。
幼児な私でも背負えるようなものだ。
たとえばデフォルメした人気のある魔物や神獣を模したものをリュックにしたりね。これはぬいぐるみを見て、そういえば日本にそんなリュックがあったなあと思い出したからこそ、描いたものだったり。
おかあさんもさ、子どもが背負ってる中にタオルやハンカチ、水筒やお菓子を入れられる鞄があれば楽だと思うんだよね。三歳くらいになれば自分でやってみたい! と言うだろうし。
そうなった時に、これに入れておでかけしましょうと言えば、率先してやってくれる気がする。とはいえ、ここは異世界なので、甥っ子や姪っ子たちがやっていたことがこの世界で通用するかどうかは聞いてみなければ。
そんなことをしているとアルバートさんが帰ってきた。のはいいが、私をほったらかしてセバスさん以外が白熱したように意見を出し合っていたものだから、アルバートさんが唖然とした顔をして目を白黒させてた。
すぐに我に返って大人たちをとめたあと、どうしてそんなことになったのか話を聞いたアルバートさんは、私が描いたデザイン画を眺めて一言。
「腕のいい職人と工房を紹介しようか?」
その言葉に、渡りに船とばかりにセバスさんが頷いた。
そこからは着替えなどを渡されたセバスさんがアルバートさんにお金を払い、やっとのことで晩ご飯。宝石のカットに関しては簡単そうなものを二点ほど描いたところでストップがかかり、残りは明日以降となった。
「ふむ……ベルトですか」
「あい。しょのままもいいんでしゅけろ、しゃりげにゃいおしゃれとして、かわをほしょくしゃいてあみこんでもいいとおもうんでしゅよ」
「なるほど……。そうねぇ……こんな感じかしら?」
「お~、しゃしゅがキャシーしゃん! しょうでしゅ!」
「あら、これなら女性もさり気ないおしゃれとして腰に巻けるわね」
編み込んだベルトという言葉でなにやら思いついたのか、革の切れ端をベルトのように細長くしたあと、さらにそこに切れ込みを入れて器用に編んでいく。すると、日本でも見たことがある、編み込みの革ベルトが出来上がっていた。
とはいえ、あくまでも試作なので切り込みを入れた部分の処理やほつれないようにするにはどうするかとか、革によっての耐久性を調べなければわからないが、そこは鎧にもなっちゃうくらい頑丈な革。なので、耐久性は合格なわけで。
あとはほつれなどの問題を解決すればOKとなった。
他にも、ポンチョの提案をしてみた。外套よりは短いけれど、ケープよりも長いサイズで、マントよりは動きやすいと思うんだよね。
特に、新人冒険者の女の子にはいいと思う。
「うしゅいかわにゃら、しゅしょにししゅうをしてもいいとおもうんでしゅ」
「しゅしょ? ああ、裾ね。そうねぇ、オークなら比較的薄い皮だし、蜘蛛の糸ならできるわね」
「女の子だもの、おしゃれはしたいわよね」
「そうよね! 町の中用と、冒険用に分けてもいいんじゃないかしら! アタシが頑張って作るわよ!」
「「てことで、ステラ、デザインよろしくね!」」
「あ、あい!」
キャシーさんとセレスさんの圧が凄い……! 言い出しっぺなので、頑張ってデザインするさ!
そんな話から、トートバッグももうちょっと可愛いデザインが欲しいだの、男性用のマジックバッグも、もっといろんなデザインがあってもいいだのと、私の提案が呼び水になったのか、いろんな意見が出てくる。
なぜかポーションホルダーも欲しいと、バトラーさんとテトさんから意見が出た。
ポーションホルダーとはなんぞやと疑問に思いつつ、彼らの話聞きながら、若干圧がかかったにっこにこ笑顔で紙とペンをセバスさんに渡された私は、ポンチョの基本的な形と二、三点のデザインを起こす。そこに大きく作ればリュックを背負ったまま歩けること、雨を弾く素材なら雨合羽になることも明記しておく。
刺繍についてはまだこの世界の基準がわからないので、そこは丸投げした。
あとは鞄の形も描いてと言われ、日本や海外で見た形を描いていく。マチの幅はもちろんのこと、縦横の長さ、ポケットはどの位置か、リュックも女性や少年少女が背負えるサイズを描いたり、冒険者だけではなく小さなお子さんが背負えるようなものまで描いてみた。
幼児な私でも背負えるようなものだ。
たとえばデフォルメした人気のある魔物や神獣を模したものをリュックにしたりね。これはぬいぐるみを見て、そういえば日本にそんなリュックがあったなあと思い出したからこそ、描いたものだったり。
おかあさんもさ、子どもが背負ってる中にタオルやハンカチ、水筒やお菓子を入れられる鞄があれば楽だと思うんだよね。三歳くらいになれば自分でやってみたい! と言うだろうし。
そうなった時に、これに入れておでかけしましょうと言えば、率先してやってくれる気がする。とはいえ、ここは異世界なので、甥っ子や姪っ子たちがやっていたことがこの世界で通用するかどうかは聞いてみなければ。
そんなことをしているとアルバートさんが帰ってきた。のはいいが、私をほったらかしてセバスさん以外が白熱したように意見を出し合っていたものだから、アルバートさんが唖然とした顔をして目を白黒させてた。
すぐに我に返って大人たちをとめたあと、どうしてそんなことになったのか話を聞いたアルバートさんは、私が描いたデザイン画を眺めて一言。
「腕のいい職人と工房を紹介しようか?」
その言葉に、渡りに船とばかりにセバスさんが頷いた。
そこからは着替えなどを渡されたセバスさんがアルバートさんにお金を払い、やっとのことで晩ご飯。宝石のカットに関しては簡単そうなものを二点ほど描いたところでストップがかかり、残りは明日以降となった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

真実の愛は、誰のもの?
ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」
妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。
だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。
ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。
「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」
「……ロマンチック、ですか……?」
「そう。二人ともに、想い出に残るような」
それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる