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battle27…過去と、価値
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翌朝、心配していた三人と裏腹に雅はすんなりと目覚めた。
「おはよう…!」
「お、雅!」
「雅…大丈夫ですか?」
「あの…なんか…ごめんね?」
「もう触っても大丈夫か?」
「大丈夫!」
「それはそうと……」
「ん?なに?」
「いや…」
そう、雅の首もとにあるキスマークに一早く気付いた悟浄。
「あれ、雅?三蔵は?」
「まだ部屋で寝てる」
「そうでしたか…」
「三蔵低血圧だからなぁ…」
「そういう理由じゃねぇと思うぜ?」
「え?」
悟浄はぽんっと雅の頭を一撫でした。飯ぃぃぃとうなだれる悟空を見て、八戒は笑いかけて部屋を移動する。
「失礼しますね?」
そう一言言いながら入ると、今まさに目覚めたばかり、と言わん姿の三蔵が居た。
「おや、これは…」
「目覚めに貴様か…八戒」
「ごめんなさいね?雅じゃなくて…」
「…フン」
「お疲れさまでした。」
「別に、何も疲れちゃあいねぇよ」
「そうですか?」
「それで…?」
「悟空が朝食!と言っています」
「俺は財布か」
「そうでも無いんですが…皆で行った方が良いと思いまして。まだ寝られますか?」
「俺は後で行く。先に行ってろ」
「解りました」
そう返事をして八戒は部屋を後にする。その事を伝えると雅は少し心配そうに三蔵の元へと戻っていった。
「三蔵?」
「入れ替わり立ち代わり何だ」
「……大丈夫?」
「別に、問題ない」
「そう?」
「……おい」
そう一言言うとくいっと指で呼びつける三蔵。呼ばれるがままに雅は三蔵のもとに向かった。
「どうしたの?」
「昨日の今日で何避けてんだ」
「避けてないよ?」
「……」
「ただ…疲れてるだろうからと思って…」
「問題ねぇよ…」
「そう?」
そう答える雅の顔を見て、三蔵はフッと笑った。
「余計な心配してんじゃねぇよ」
「余計なことじゃないもん」
「…好きな女抱いたくらいじゃ翌朝起きれねぇことねぇ」
「……ッッ…」
そう言われて恥ずかしくなり、くるりと向きを変えた。
「わ……たし…ごはん食べてくる…」
そう言ってドキドキしながらも部屋を後にした。
「三蔵は?」
「あ……聞いてくるの忘れた…」
「でもまぁ、後で来ると言ってましたから…」
「そか……」
そう答えて四人で朝食へと向かった。
「でもさ?雅、よかったな!」
「え……!?」
「だって、アイツに飲まされた薬も副作用とか無かったみたいだし!」
「あ…うん」
「八戒がさ?言ってたんだ。副作用とかあったら心配ですがって…」
「大丈夫…!!」
「そりゃ何より!」
そんな会話をしながらも朝食を済ませていった。そうこうしながらも三蔵を待つが、まだまだやってきそうにはない。そうして食事も終わった頃、少し買い出しを…と言い出した八戒。その買い出しに雅も着いていくと言い出した。悟空は遊びに行くと言い出し、悟浄はちょっくらそこまで…と言い出した。
「全く、買い物をこっちに押し付けて」
「でも私は八戒とお買い物行けて嬉しいよ?」
「それは…雅が居てくれて本当によかったです。僕一人では到底…!」
「クスクス…でも、三蔵っていつもお買い物行かないよね…」
「それはそうですね。とはいっても、行く事は回数増えましたよ?」
「そうなの?」
「えぇ、あなたが来てからは…」
そういいながらも八戒は雅を見下ろして、嬉しそうに目を細めた。
「わ…私…?」
「えぇ、少し前に菩薩が来たでしょう?」
「うん」
「その時に『連れていけと言ったのはオレ』と言ったそうですが、どうも僕にはその前から三蔵は連れていく気満々だった様に思えて仕方ないんですよ。」
「…それは…どうなんだろう…」
「雅?」
「三蔵ね…『いつか話す』って言ってくれたの…でもそれが何かは解らなくて…」
「なんでしょうね、」
「解らない…よくよく考えたら私三蔵の事もだけど皆の事よく知らないなって思って…」
「そういわれてみれば、話してませんでしたね…」
「…八戒?」
「あまり気持ちの良いものでも無いと勝手に思っていました。」
「そう…なの?」
「少なくても僕の場合は、ですけど」
そう話し、八戒は伏せ目がちに話し出した。
「僕ね、実は恋人が居るんです。」
「え?」
突然の八戒の告白に雅は驚いた。
「その彼女さん……」
「死んじゃいました」
「……八戒…」
「花喃、僕の双子の姉です。」
「お…姉ちゃん?」
「はい。小さい頃から孤児院で過ごしてきたんです。僕ら。姉弟なんですけど、そんなことはどうでもいいくらい愛してました。そんなある日、妖怪に殺されたんです。いえ、殺したのは花喃自身なんですけど。拉致られて、助けに行った時には既に花喃のお腹には妖怪の子供が宿っていました。追い詰めて、殺された、そう思える理由とでなんかもうどうでも良くなったんです。同時に僕の中の理性なんて弾けちゃったんでしょうね…その殺した妖怪の手下を殺しました。」
淡々と語られる八戒の過去。雅は黙って聞くしかできなかった。
「人間が妖怪を千匹殺して、その血を浴びると、妖怪になるって言う謂れがありましてね。僕は憎くて仕方の無かった妖怪になったんです。で、これ…」
そういうとそっと耳に着いているイヤカフに触れた。
「これ、僕の妖力制御装置なんです。つまりは悟空の金環と同じですね。」
「そうなんだ……」
「三蔵達に出会って、諭されて…三蔵が見張ると言うのを条件に執行猶予的な感じですよ。」
「……八戒……ごめんなさい…」
そういう雅の目からは一筋の涙が溢れていた。
「雅?泣かないでください。泣かせたくて話した訳じゃないんですから…」
「そうだけど…でも…何も知らないのに…」
「いいじゃないですか。知らないから知りたい、そう思ってくれるのは僕の事を大切に思ってくれてるから、でしょう?」
「でも…辛い過去…思い出させちゃって」
「やだなあ、思い出してませんよ」
「え?」
「常に覚えてます。思い出す余裕も無いくらい。だからわざわざ思い出した訳じゃないですから。」
「八戒…」
ふと顔をあげた雅はその優しい八戒の笑みに少しだけ救われていた。
「ごめん…ありがとう……教えてくれて…」
「いいんですよ。雅だから話したんです」
「八戒…」
「そんなことよりも。昨日は大変じゃなかったですか?」
「私は……別に…」
「そうでしたか。本当に副作用は…無いですか?」
「…?うん、今のところは…何も変わりないよ?」
そう話していた。その時、思い出したかの様に八戒は買い忘れがあることに気付いた。
「あ、だったら私見てくるよ!まだ買うものあるだろうし!」
「なんか、僕の方こそすみません」
「いいよ!じゃぁ、行った先のお店で待ってて?」
「解りました。」
そういって雅は買いに戻る。少し離れてしまってはいたが、店も覚えていたし、問題はないはずだった。
「えっと……これかな」
「……あら、あなた…」
「えっと……あの…ごめんなさい…名前…」
「八百鼡です」
そういい挨拶を返してくれたのは紅孩児付きの薬師だった。
「昨日は李厘様が申し訳ありませんでした。」
「あ……大丈夫です」
「それなら良かった…!」
「八百鼡ちゃん!!」
「李厘様!!」
「あ……君」
「…こんにちわ」
「あの…昨日はごめん……な?」
「え?」
「お兄ちゃんにもすごく怒られて…八百鼡ちゃんと一緒に行動しろって言われて…」
「大変ですね…」
「問題はありません」
そうにこりと笑う八百鼡。李厘はシュンとした様子で雅を見ていた。
「でも…三蔵、君相手なら経文渡すと思ったんだけど…」
「それはないよ。大事なものだし…」
「でも、それじゃぁ手放す君は三蔵にとって大切じゃないみたいに聞こえるぞ?」
「……それは…」
「だって…そうだろ?」
「李厘様?それぞれ大切なものの価値は違うものです」
「でもおいらだったら巻物なんかよりお兄ちゃんや……大事なもののが大事だ!」
そういう李厘の言葉は雅に心にチクリと感じた。大切なものだから失いたくない…それは解るし、三蔵はあれを手放してはならない。それは雅自身もしっかりと解っていた。
「でも、前に言ってたじゃん!誰も俺は信用何ざしちゃいねぇって!!だから、この子ならって…」
「ごめんなさい…ほら、李厘様、行きましょう?」
「待ってよ!八百鼡ちゃん!!」
半ば引きずられるように雅の前から帰っていく二人。買うものを見つけ、重たくなりかけた足をどうにか持ち上げる。
「雅?」
「……」
「雅!」
「あ……八戒…」
「どうしたんですか?あんまり遅いから…」
「あ、ごめん、少し迷っちゃったかも…」
「もう、大丈夫ですか?やはり僕が行けばよかったですね…すみません」
「大丈夫だよ…!心配ない」
そう答えてにこりと微笑んで見せる。うまく笑っていなくては、八戒にばれてしまう。そう感じていた。
「おはよう…!」
「お、雅!」
「雅…大丈夫ですか?」
「あの…なんか…ごめんね?」
「もう触っても大丈夫か?」
「大丈夫!」
「それはそうと……」
「ん?なに?」
「いや…」
そう、雅の首もとにあるキスマークに一早く気付いた悟浄。
「あれ、雅?三蔵は?」
「まだ部屋で寝てる」
「そうでしたか…」
「三蔵低血圧だからなぁ…」
「そういう理由じゃねぇと思うぜ?」
「え?」
悟浄はぽんっと雅の頭を一撫でした。飯ぃぃぃとうなだれる悟空を見て、八戒は笑いかけて部屋を移動する。
「失礼しますね?」
そう一言言いながら入ると、今まさに目覚めたばかり、と言わん姿の三蔵が居た。
「おや、これは…」
「目覚めに貴様か…八戒」
「ごめんなさいね?雅じゃなくて…」
「…フン」
「お疲れさまでした。」
「別に、何も疲れちゃあいねぇよ」
「そうですか?」
「それで…?」
「悟空が朝食!と言っています」
「俺は財布か」
「そうでも無いんですが…皆で行った方が良いと思いまして。まだ寝られますか?」
「俺は後で行く。先に行ってろ」
「解りました」
そう返事をして八戒は部屋を後にする。その事を伝えると雅は少し心配そうに三蔵の元へと戻っていった。
「三蔵?」
「入れ替わり立ち代わり何だ」
「……大丈夫?」
「別に、問題ない」
「そう?」
「……おい」
そう一言言うとくいっと指で呼びつける三蔵。呼ばれるがままに雅は三蔵のもとに向かった。
「どうしたの?」
「昨日の今日で何避けてんだ」
「避けてないよ?」
「……」
「ただ…疲れてるだろうからと思って…」
「問題ねぇよ…」
「そう?」
そう答える雅の顔を見て、三蔵はフッと笑った。
「余計な心配してんじゃねぇよ」
「余計なことじゃないもん」
「…好きな女抱いたくらいじゃ翌朝起きれねぇことねぇ」
「……ッッ…」
そう言われて恥ずかしくなり、くるりと向きを変えた。
「わ……たし…ごはん食べてくる…」
そう言ってドキドキしながらも部屋を後にした。
「三蔵は?」
「あ……聞いてくるの忘れた…」
「でもまぁ、後で来ると言ってましたから…」
「そか……」
そう答えて四人で朝食へと向かった。
「でもさ?雅、よかったな!」
「え……!?」
「だって、アイツに飲まされた薬も副作用とか無かったみたいだし!」
「あ…うん」
「八戒がさ?言ってたんだ。副作用とかあったら心配ですがって…」
「大丈夫…!!」
「そりゃ何より!」
そんな会話をしながらも朝食を済ませていった。そうこうしながらも三蔵を待つが、まだまだやってきそうにはない。そうして食事も終わった頃、少し買い出しを…と言い出した八戒。その買い出しに雅も着いていくと言い出した。悟空は遊びに行くと言い出し、悟浄はちょっくらそこまで…と言い出した。
「全く、買い物をこっちに押し付けて」
「でも私は八戒とお買い物行けて嬉しいよ?」
「それは…雅が居てくれて本当によかったです。僕一人では到底…!」
「クスクス…でも、三蔵っていつもお買い物行かないよね…」
「それはそうですね。とはいっても、行く事は回数増えましたよ?」
「そうなの?」
「えぇ、あなたが来てからは…」
そういいながらも八戒は雅を見下ろして、嬉しそうに目を細めた。
「わ…私…?」
「えぇ、少し前に菩薩が来たでしょう?」
「うん」
「その時に『連れていけと言ったのはオレ』と言ったそうですが、どうも僕にはその前から三蔵は連れていく気満々だった様に思えて仕方ないんですよ。」
「…それは…どうなんだろう…」
「雅?」
「三蔵ね…『いつか話す』って言ってくれたの…でもそれが何かは解らなくて…」
「なんでしょうね、」
「解らない…よくよく考えたら私三蔵の事もだけど皆の事よく知らないなって思って…」
「そういわれてみれば、話してませんでしたね…」
「…八戒?」
「あまり気持ちの良いものでも無いと勝手に思っていました。」
「そう…なの?」
「少なくても僕の場合は、ですけど」
そう話し、八戒は伏せ目がちに話し出した。
「僕ね、実は恋人が居るんです。」
「え?」
突然の八戒の告白に雅は驚いた。
「その彼女さん……」
「死んじゃいました」
「……八戒…」
「花喃、僕の双子の姉です。」
「お…姉ちゃん?」
「はい。小さい頃から孤児院で過ごしてきたんです。僕ら。姉弟なんですけど、そんなことはどうでもいいくらい愛してました。そんなある日、妖怪に殺されたんです。いえ、殺したのは花喃自身なんですけど。拉致られて、助けに行った時には既に花喃のお腹には妖怪の子供が宿っていました。追い詰めて、殺された、そう思える理由とでなんかもうどうでも良くなったんです。同時に僕の中の理性なんて弾けちゃったんでしょうね…その殺した妖怪の手下を殺しました。」
淡々と語られる八戒の過去。雅は黙って聞くしかできなかった。
「人間が妖怪を千匹殺して、その血を浴びると、妖怪になるって言う謂れがありましてね。僕は憎くて仕方の無かった妖怪になったんです。で、これ…」
そういうとそっと耳に着いているイヤカフに触れた。
「これ、僕の妖力制御装置なんです。つまりは悟空の金環と同じですね。」
「そうなんだ……」
「三蔵達に出会って、諭されて…三蔵が見張ると言うのを条件に執行猶予的な感じですよ。」
「……八戒……ごめんなさい…」
そういう雅の目からは一筋の涙が溢れていた。
「雅?泣かないでください。泣かせたくて話した訳じゃないんですから…」
「そうだけど…でも…何も知らないのに…」
「いいじゃないですか。知らないから知りたい、そう思ってくれるのは僕の事を大切に思ってくれてるから、でしょう?」
「でも…辛い過去…思い出させちゃって」
「やだなあ、思い出してませんよ」
「え?」
「常に覚えてます。思い出す余裕も無いくらい。だからわざわざ思い出した訳じゃないですから。」
「八戒…」
ふと顔をあげた雅はその優しい八戒の笑みに少しだけ救われていた。
「ごめん…ありがとう……教えてくれて…」
「いいんですよ。雅だから話したんです」
「八戒…」
「そんなことよりも。昨日は大変じゃなかったですか?」
「私は……別に…」
「そうでしたか。本当に副作用は…無いですか?」
「…?うん、今のところは…何も変わりないよ?」
そう話していた。その時、思い出したかの様に八戒は買い忘れがあることに気付いた。
「あ、だったら私見てくるよ!まだ買うものあるだろうし!」
「なんか、僕の方こそすみません」
「いいよ!じゃぁ、行った先のお店で待ってて?」
「解りました。」
そういって雅は買いに戻る。少し離れてしまってはいたが、店も覚えていたし、問題はないはずだった。
「えっと……これかな」
「……あら、あなた…」
「えっと……あの…ごめんなさい…名前…」
「八百鼡です」
そういい挨拶を返してくれたのは紅孩児付きの薬師だった。
「昨日は李厘様が申し訳ありませんでした。」
「あ……大丈夫です」
「それなら良かった…!」
「八百鼡ちゃん!!」
「李厘様!!」
「あ……君」
「…こんにちわ」
「あの…昨日はごめん……な?」
「え?」
「お兄ちゃんにもすごく怒られて…八百鼡ちゃんと一緒に行動しろって言われて…」
「大変ですね…」
「問題はありません」
そうにこりと笑う八百鼡。李厘はシュンとした様子で雅を見ていた。
「でも…三蔵、君相手なら経文渡すと思ったんだけど…」
「それはないよ。大事なものだし…」
「でも、それじゃぁ手放す君は三蔵にとって大切じゃないみたいに聞こえるぞ?」
「……それは…」
「だって…そうだろ?」
「李厘様?それぞれ大切なものの価値は違うものです」
「でもおいらだったら巻物なんかよりお兄ちゃんや……大事なもののが大事だ!」
そういう李厘の言葉は雅に心にチクリと感じた。大切なものだから失いたくない…それは解るし、三蔵はあれを手放してはならない。それは雅自身もしっかりと解っていた。
「でも、前に言ってたじゃん!誰も俺は信用何ざしちゃいねぇって!!だから、この子ならって…」
「ごめんなさい…ほら、李厘様、行きましょう?」
「待ってよ!八百鼡ちゃん!!」
半ば引きずられるように雅の前から帰っていく二人。買うものを見つけ、重たくなりかけた足をどうにか持ち上げる。
「雅?」
「……」
「雅!」
「あ……八戒…」
「どうしたんですか?あんまり遅いから…」
「あ、ごめん、少し迷っちゃったかも…」
「もう、大丈夫ですか?やはり僕が行けばよかったですね…すみません」
「大丈夫だよ…!心配ない」
そう答えてにこりと微笑んで見せる。うまく笑っていなくては、八戒にばれてしまう。そう感じていた。
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