3 / 94
battle3…初乱闘
しおりを挟む
村から出て、雅は色々なことを聞かれていた。好きな食べ物や力の事、世間話にもなるくらいの内容ばかり…
「…でさでさ!雅って誕生日いつ?」
「なんだ唐突にその質問」
「いえ、悟浄?大事ですよ?誕生パーティーも出来ますし!」
「そうだよなぁ!で、いつ?」
「私、十一月二十九日だよ、もぉ時期冬って時…でもあんまり誕生日は好きじゃない、かな」
「…ぶは」
思いっきり吹き出したのは悟浄だった。腹を抱えてジープの上でのたうち回る。
「悟浄?失礼ですよ?」
「だって…ひーひひ…!!あー腹いてぇ!」
「悟浄!」
「……そんなに笑いますか…?」
「だって、同じ誕生日でこうも違うんだぜ?」
「あー!!そうか!!」
「え…?」
「三蔵とおんなじだぁ!」
「……うるせぇ」
「だから雅誕生日嫌いなのか…」
「そうじゃなくて…」
「…うるせぇ」
「生臭坊主と同じ誕生日じゃぁそら嫌かぁ」
「恐らく雅ちゃんの嫌いな理由は違うと思いますが…」
「あーマジうける!月とスッポ『ガチャリ…』ちょ…」
悟浄の言葉を遮るように助手席から体を反転させ、身を乗りだした三蔵が銃口を悟浄の額に近付ける。
「うるせぇって言ってんだろうが、このゴキブリ河童が…」
「ちょ…!この距離はまずいって!マジで死ぬ!三蔵さま!!」
「ほう、なら一回死んでみろ。もう少し大人しくなって生まれ変われたら良いよなぁ」
「はは、三蔵?死んだら生き返れませんよ?」
和やかに見えるがかなり大胆にも聞こえる会話。雅はおろおろしながら見ていた。
「あの、私誕生日会とか、要らないので…!三蔵さんをお祝いしてあげてください!」
「…は?」
「だって…今まで一人のお誕生日会が私入って半分になったら…」
「バカか…てめぇは」
そう一言言い放つと三蔵はカチャリと銃を引いて懐にしまう。
「誕生日会なんざ要らねぇよ。」
「あ………そうですね…まだ誕生日先ですし…」
ふっと暗くなった雅の顔色に悟浄がいち早く気付いた。
「三蔵が要らねぇって言っても雅まで、んな暗い顔しなくて良いじゃねぇの。」
「…でも……」
「ん?」
「次の町まで連れていってもらってお別れなのに…」
「んぁ?」
「え…?」
「そうなの!?」
「……だってあの村から連れ出してくれただけで…」
「バカだろ…」
「……あの!お言葉ですが!」
ばか、と言い放つ三蔵に対して雅はもの申し出した。
「さっきからバカバカって失礼です!そりゃ確かに三蔵様にしたらバカかもしれないけど、そんな風に言わなくてもいいじゃないですか!」
「…おぉー、言うねぇ」
「バカにバカと言って何が悪い」
「じゃぁ何をもってバカと言うんですか!?」
「じゃぁ聞くが、誰が次の町までと言った?」
「…え?」
「確かに、誰も言ってませんねぇ」
「だって、私なんて…」
「あー、雅ちゃん、それ止めにしましょう?」
「八戒さん?」
「それも無し、八戒でいいですよ」
「俺も悟浄で」
「俺も悟空でいーよ!!」
「解りました」
「それですよ、敬語。三蔵が二十四、僕と悟浄が二十三、悟空は十九、で、雅が二十一。ほぼ同じ年ですからね。」
「三蔵さん二十四才!?」
「…悪いか」
「おっさんだよなぁ!」
スパーーーァァァン!
悟浄の一言と間髪いれずにハリセンが飛んでくる。
「三蔵も呼び捨てでいいですよね」
「好きにしろ」
「…だそうですよ?」
「解った、ありがとぉ」
「気にしないでくださいね?あ、」
その八戒の『あっ』の言葉と同時にジープは止まる。
「雅?隠れてな?」
「え、隠れるって…」
そう話している最中から色々な方面から妖怪が姿を表す。
「居たぜ、三蔵一行だ」
「ケケ…行くぜ?」
「あーらら、全く…モッテモテだねぇ、相変わらずうちの三蔵サマは☆」
「いらん」
「あれ…妖怪…しかもあんなにたくさん!?」
「まぁ、何と言いますか、三蔵のファンクラブの皆さん達とでも言いましょうか」
「下らんこと言ってねぇでさっさと殺れ」
「へーへー」
「珍しく村で来なかったからなぁ、鈍っちゃうとこだった!」
そう言うと三蔵と雅を残して三人はジープを降りる。
「あっれー?三蔵は?」
「あの程度お前らだけで十分だろうが」
「悟空、悟浄?察してあげてください?」
「何を?」
「雅を守るって約束ですよ」
「あ、なーる!!そうならそうと言えばいいのに、三蔵サマったら照れ屋さ『ガウンッ!』ん…」
またしても悟浄の言葉の間に銃が唸りをあげる。しかし、悟浄を黙らせるだけではなく、妖怪を一匹仕留めていた。
「え…今…消えた…?」
「あぁ、これは昇霊銃。妖怪共を蹴散らすにはちょうど良い。」
「じゃぁ人間の悟浄じゃ…効かないんじゃ…」
「深傷を追わせることは可能だ。それにあいつらはただの人間じゃねぇ。妖怪だ。」
その一言を聞いて雅は自信の耳をも疑った。
「妖…怪?」
「あぁ。悟浄と八戒は妖怪。正確には悟浄は人間と妖怪のハーフだ。悟空は、岩から生まれたそれこそ異端児だ。」
「異端…児……?」
「で、俺はただの三蔵だ。お前を救ったのは紛れもない妖怪と異端児とただの三蔵。怖くなったか?」
「怖くなんて…」
怖くない…そう答えたかったはずなのに雅の手はカタカタと小さく震えていた。三蔵から突きつけられた事実と、目の前で今まさに終わりを告げた戦いと、その戦いを笑顔で楽しむように妖怪に向かう人……知るまでは怖いなんて思わなかったのに、今では震えが止まらないでいる自身がどうしてなのか、解らなくなっていた。話しながらジープのもとに戻る三人が付く前に三蔵は雅に問うていた。
「次の町までに一日、二日ある。それまでに考えれば良い。次の町に残るか、俺達と来るか…」
そう言い追えると同時に三人は乗り込んできた。
「なぁぁぁ三蔵ぉぉぉぉ!腹減ったぁぁぁぁ!」
「うるせぇ」
「何でだよぉぅぅぅぅ」
「黙れ」
「雅だってきっと腹減ってるって言うよ!?」
「黙れって言ってんだろうが!」
「ねぇ悟空?豚まん、食べる?」
「いいのか!?やったぁ!いっただっきまぁす!」
そういいパクッと食いつく悟空を見て、隣で悟浄が雅に聞いた。
「あれってさぁ?今朝悟空に貰った奴?」
「ん、そぉ。お腹空いたって言ったから…」
「わういあ!おえまいえうあひ!」
「何言ってんだ?」
「マジで旨い!ってんの!」
「ちゃんとのみこんでから言え…」
そうこう話しながらも雅はさっき三蔵に言われていた言葉、話してくれた内容が頭から離れずに居た。
「……やび、雅?!」
「え?」
「どうしたよ、気分でも悪い?」
「そんな事ないよ?ちょっと考え事…」
「さっきの間になんか三蔵にいわれた?」
「大丈夫!ありがとう、悟浄」
「そうそう、話が途中になっちゃいましたが、雅?これからは『私なんか』はNGワードです。言ったら三蔵のハリセンの刑にしますよ?」
「え、それは嫌だけど…でも…」
「私なんか、ではないんです。雅は雅の良さがあり、その力も雅?あなたの個性ですから。」
「…個性……」
「まぁそうだな、悪くはないんじゃねぇか?」
「俺は雅の魔法?好きだよ!キラキラしてすげぇキレイだし!」
「俺も、猿に同意だな。」
「猿って言うな!」
「クスクス、ありがとう」
「それに…」
ふと付け加えた八戒。
「妖怪が村の外には居るのに、なぜ村に押し入ってこなかったか…解りますか?」
「え…?人間には興味ないからじゃ…」
「あなたですよ、雅。」
「私?」
「恐らく。確信や根拠はないですが、いつも外に居たあなたは人知れず力を上手く使える様にコントロールの練習をして居た。それが妖力でなく魔力であっても妖怪達には驚異の力と感じ取ったのでしょう。それが十年となれば自然と寄り付かなくなります。」
「そっか……ちょっとまって、だとしたら今のあの村は…!」
「少しの間は持ちます。それがどの位持続するかは僕らにも解りません。効果が切れた時に襲われるかもしれませんし、なぜか襲われない村や町も少なからず存在しますから。」
「どっちにしろ気にする必要はない。要らないと言ってきたのはそもそもあいつらだ。雅が気に病むことはねぇだろうが。」
「三蔵?言い方」
「事実だろうが。それでも十そこそこの子供の力に今まで知らなかったとはいえ頼っていたのはあの大人共だ。雅に感謝することは実際なくても、無能な妖怪共がペラペラと話すだろうしな。」
「その時に雅に守られてたんだって気付かされんだろうな。」
「お前が気にすることはない。むしろ誇れることをして来たんだ。お前はあの村で、存在価値がないと言われてたみたいだかな、十分すぎる程の価値があった。それを忘れるな。」
「ほぉ…珍しいな、三蔵がそんなに褒めるなんて。」
「ほんとだ。」
「まぁ、事実ですからね。」
「あの…ありがとぉ…三蔵…」
「…フン」
三蔵の言葉に、にこりと笑い、雅は手のひらをみつめていた。
「…でさでさ!雅って誕生日いつ?」
「なんだ唐突にその質問」
「いえ、悟浄?大事ですよ?誕生パーティーも出来ますし!」
「そうだよなぁ!で、いつ?」
「私、十一月二十九日だよ、もぉ時期冬って時…でもあんまり誕生日は好きじゃない、かな」
「…ぶは」
思いっきり吹き出したのは悟浄だった。腹を抱えてジープの上でのたうち回る。
「悟浄?失礼ですよ?」
「だって…ひーひひ…!!あー腹いてぇ!」
「悟浄!」
「……そんなに笑いますか…?」
「だって、同じ誕生日でこうも違うんだぜ?」
「あー!!そうか!!」
「え…?」
「三蔵とおんなじだぁ!」
「……うるせぇ」
「だから雅誕生日嫌いなのか…」
「そうじゃなくて…」
「…うるせぇ」
「生臭坊主と同じ誕生日じゃぁそら嫌かぁ」
「恐らく雅ちゃんの嫌いな理由は違うと思いますが…」
「あーマジうける!月とスッポ『ガチャリ…』ちょ…」
悟浄の言葉を遮るように助手席から体を反転させ、身を乗りだした三蔵が銃口を悟浄の額に近付ける。
「うるせぇって言ってんだろうが、このゴキブリ河童が…」
「ちょ…!この距離はまずいって!マジで死ぬ!三蔵さま!!」
「ほう、なら一回死んでみろ。もう少し大人しくなって生まれ変われたら良いよなぁ」
「はは、三蔵?死んだら生き返れませんよ?」
和やかに見えるがかなり大胆にも聞こえる会話。雅はおろおろしながら見ていた。
「あの、私誕生日会とか、要らないので…!三蔵さんをお祝いしてあげてください!」
「…は?」
「だって…今まで一人のお誕生日会が私入って半分になったら…」
「バカか…てめぇは」
そう一言言い放つと三蔵はカチャリと銃を引いて懐にしまう。
「誕生日会なんざ要らねぇよ。」
「あ………そうですね…まだ誕生日先ですし…」
ふっと暗くなった雅の顔色に悟浄がいち早く気付いた。
「三蔵が要らねぇって言っても雅まで、んな暗い顔しなくて良いじゃねぇの。」
「…でも……」
「ん?」
「次の町まで連れていってもらってお別れなのに…」
「んぁ?」
「え…?」
「そうなの!?」
「……だってあの村から連れ出してくれただけで…」
「バカだろ…」
「……あの!お言葉ですが!」
ばか、と言い放つ三蔵に対して雅はもの申し出した。
「さっきからバカバカって失礼です!そりゃ確かに三蔵様にしたらバカかもしれないけど、そんな風に言わなくてもいいじゃないですか!」
「…おぉー、言うねぇ」
「バカにバカと言って何が悪い」
「じゃぁ何をもってバカと言うんですか!?」
「じゃぁ聞くが、誰が次の町までと言った?」
「…え?」
「確かに、誰も言ってませんねぇ」
「だって、私なんて…」
「あー、雅ちゃん、それ止めにしましょう?」
「八戒さん?」
「それも無し、八戒でいいですよ」
「俺も悟浄で」
「俺も悟空でいーよ!!」
「解りました」
「それですよ、敬語。三蔵が二十四、僕と悟浄が二十三、悟空は十九、で、雅が二十一。ほぼ同じ年ですからね。」
「三蔵さん二十四才!?」
「…悪いか」
「おっさんだよなぁ!」
スパーーーァァァン!
悟浄の一言と間髪いれずにハリセンが飛んでくる。
「三蔵も呼び捨てでいいですよね」
「好きにしろ」
「…だそうですよ?」
「解った、ありがとぉ」
「気にしないでくださいね?あ、」
その八戒の『あっ』の言葉と同時にジープは止まる。
「雅?隠れてな?」
「え、隠れるって…」
そう話している最中から色々な方面から妖怪が姿を表す。
「居たぜ、三蔵一行だ」
「ケケ…行くぜ?」
「あーらら、全く…モッテモテだねぇ、相変わらずうちの三蔵サマは☆」
「いらん」
「あれ…妖怪…しかもあんなにたくさん!?」
「まぁ、何と言いますか、三蔵のファンクラブの皆さん達とでも言いましょうか」
「下らんこと言ってねぇでさっさと殺れ」
「へーへー」
「珍しく村で来なかったからなぁ、鈍っちゃうとこだった!」
そう言うと三蔵と雅を残して三人はジープを降りる。
「あっれー?三蔵は?」
「あの程度お前らだけで十分だろうが」
「悟空、悟浄?察してあげてください?」
「何を?」
「雅を守るって約束ですよ」
「あ、なーる!!そうならそうと言えばいいのに、三蔵サマったら照れ屋さ『ガウンッ!』ん…」
またしても悟浄の言葉の間に銃が唸りをあげる。しかし、悟浄を黙らせるだけではなく、妖怪を一匹仕留めていた。
「え…今…消えた…?」
「あぁ、これは昇霊銃。妖怪共を蹴散らすにはちょうど良い。」
「じゃぁ人間の悟浄じゃ…効かないんじゃ…」
「深傷を追わせることは可能だ。それにあいつらはただの人間じゃねぇ。妖怪だ。」
その一言を聞いて雅は自信の耳をも疑った。
「妖…怪?」
「あぁ。悟浄と八戒は妖怪。正確には悟浄は人間と妖怪のハーフだ。悟空は、岩から生まれたそれこそ異端児だ。」
「異端…児……?」
「で、俺はただの三蔵だ。お前を救ったのは紛れもない妖怪と異端児とただの三蔵。怖くなったか?」
「怖くなんて…」
怖くない…そう答えたかったはずなのに雅の手はカタカタと小さく震えていた。三蔵から突きつけられた事実と、目の前で今まさに終わりを告げた戦いと、その戦いを笑顔で楽しむように妖怪に向かう人……知るまでは怖いなんて思わなかったのに、今では震えが止まらないでいる自身がどうしてなのか、解らなくなっていた。話しながらジープのもとに戻る三人が付く前に三蔵は雅に問うていた。
「次の町までに一日、二日ある。それまでに考えれば良い。次の町に残るか、俺達と来るか…」
そう言い追えると同時に三人は乗り込んできた。
「なぁぁぁ三蔵ぉぉぉぉ!腹減ったぁぁぁぁ!」
「うるせぇ」
「何でだよぉぅぅぅぅ」
「黙れ」
「雅だってきっと腹減ってるって言うよ!?」
「黙れって言ってんだろうが!」
「ねぇ悟空?豚まん、食べる?」
「いいのか!?やったぁ!いっただっきまぁす!」
そういいパクッと食いつく悟空を見て、隣で悟浄が雅に聞いた。
「あれってさぁ?今朝悟空に貰った奴?」
「ん、そぉ。お腹空いたって言ったから…」
「わういあ!おえまいえうあひ!」
「何言ってんだ?」
「マジで旨い!ってんの!」
「ちゃんとのみこんでから言え…」
そうこう話しながらも雅はさっき三蔵に言われていた言葉、話してくれた内容が頭から離れずに居た。
「……やび、雅?!」
「え?」
「どうしたよ、気分でも悪い?」
「そんな事ないよ?ちょっと考え事…」
「さっきの間になんか三蔵にいわれた?」
「大丈夫!ありがとう、悟浄」
「そうそう、話が途中になっちゃいましたが、雅?これからは『私なんか』はNGワードです。言ったら三蔵のハリセンの刑にしますよ?」
「え、それは嫌だけど…でも…」
「私なんか、ではないんです。雅は雅の良さがあり、その力も雅?あなたの個性ですから。」
「…個性……」
「まぁそうだな、悪くはないんじゃねぇか?」
「俺は雅の魔法?好きだよ!キラキラしてすげぇキレイだし!」
「俺も、猿に同意だな。」
「猿って言うな!」
「クスクス、ありがとう」
「それに…」
ふと付け加えた八戒。
「妖怪が村の外には居るのに、なぜ村に押し入ってこなかったか…解りますか?」
「え…?人間には興味ないからじゃ…」
「あなたですよ、雅。」
「私?」
「恐らく。確信や根拠はないですが、いつも外に居たあなたは人知れず力を上手く使える様にコントロールの練習をして居た。それが妖力でなく魔力であっても妖怪達には驚異の力と感じ取ったのでしょう。それが十年となれば自然と寄り付かなくなります。」
「そっか……ちょっとまって、だとしたら今のあの村は…!」
「少しの間は持ちます。それがどの位持続するかは僕らにも解りません。効果が切れた時に襲われるかもしれませんし、なぜか襲われない村や町も少なからず存在しますから。」
「どっちにしろ気にする必要はない。要らないと言ってきたのはそもそもあいつらだ。雅が気に病むことはねぇだろうが。」
「三蔵?言い方」
「事実だろうが。それでも十そこそこの子供の力に今まで知らなかったとはいえ頼っていたのはあの大人共だ。雅に感謝することは実際なくても、無能な妖怪共がペラペラと話すだろうしな。」
「その時に雅に守られてたんだって気付かされんだろうな。」
「お前が気にすることはない。むしろ誇れることをして来たんだ。お前はあの村で、存在価値がないと言われてたみたいだかな、十分すぎる程の価値があった。それを忘れるな。」
「ほぉ…珍しいな、三蔵がそんなに褒めるなんて。」
「ほんとだ。」
「まぁ、事実ですからね。」
「あの…ありがとぉ…三蔵…」
「…フン」
三蔵の言葉に、にこりと笑い、雅は手のひらをみつめていた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

真実の愛は、誰のもの?
ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」
妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。
だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。
ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。
「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」
「……ロマンチック、ですか……?」
「そう。二人ともに、想い出に残るような」
それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?
宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。
そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。
婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。
彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。
婚約者を前に彼らはどうするのだろうか?
短編になる予定です。
たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます!
【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。
ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる