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こうして会長様と会うのも、もう何度目かになった今回は、会長様の少し早い誕生日のサプライズに会いたいと連絡を取ったのだった。
『君から誘ってくれるとはね。』
『まぁ…その…』
少し俯きなからも私は会長様の言葉に少し緊張しながらも答えた。車はゆっくりと駐車場に入ると、会長様は珍しく早々にシートベルトを外した。
『あの…!』
『ん?どうした?降りないのか?』
『降りる前に…これ…』
そういいながらも私は小さな包みをそっと差し出した。
『これは?』
『お誕生日、少し早いですけどおめでとうございます』
『えっと……』
『私が買えるのだと会長ならすんなり買えちゃうと思うんですけど…4回目のお誕生日…今年なら直接言えるかなって…』
『4…回目?』
『はい!』
まっすぐに会長様を見つめて頷きながら話を始めた。
『初めての時は手紙、あと2回はメールでしたから。やっと直接言えました』
『クス…』
『あ、でも会長だと私が買えるなんてのはさらーっと買えちゃいそうだし、他に祝ってくださる方がいたらすごく申し訳ないんですけど……』
『居たらどうする?』
『居る…んですか?』
『だから、居たらって言ってるんだけど?』
少し考えるような面持ちでうつむいてしまった私。そんな重苦しさを一括するように会長様の声が頭上から降ってきた。
『居ないよ…ごめん、意地悪だった?』
『居たらどうしようって…思って…』
『嫌?俺にそういう人いたら…』
『居たらもう会えないかなって思って…』
『居てもいなくても、俺は君との距離も関係も変えるつもりはないよ?』
『居たら…だめですよ』
そう切り返した私。会長様に会えるのは嬉しいけど誰か大切な人がいるのにその行為はいけないのでは…と今更ながらに思っていたのだった。
『…居ないよ、本当に。』
『そっか…』
『そんなに俺に会う時間減るの嫌?』
『嫌…です』
きゅっと手を握りしめたまま真っすぐに見つめ返した私。ことりと渡したプレゼントをダッシュボードの上に置くとそっと会長様の手が頬に触れる。
『誕生日…か』
『え?』
『誕生日プレゼント、もう1つもらってもいい?』
『もう1つって…』
『もう…解るだろ?』
そういうとゆっくりと会長様の唇がそっと自身のそれに重なってくる。何度となく角度を変えて重なり合っては、ゆっくりと少し開けた唇の隙をつく様に、会長様の舌は滑り込んでくる。柔らかく、口内を犯され、舌が絡み合う。
『ン…ァ』
小さく漏れる吐息が、熱を帯びているのが解る。もっととねだらないように…でも、もっとと望んでしまう…いけないと解っていても…もっと欲しいと願ってしまう。
『会長…ン…』
『なに?もっとって顔して…』
『それは…!』
『でも悪いな…』
そう言い残して会長様からのキスが止むことはなかった。
『止めてと言われたとしても、止めてやれそうにない…』
助手席と運転席…少し距離はあるものの、会長様がぐっと近付いてきた。誰かに見られているかも知れない…そんな思いを胸に私はそっと体を押し戻す。
『どうした?』
『だって…誰かに見られたら…』
『大丈夫だろ』
『ふぇ?でも…』
『クス…見られたら嫌だ?』
『…はずかしい』
なら…と言って会長様は運転席を降りた。
『こっちならどう?』
いつもなら後部座席に移るはずなのに、今回はなぜか助手席を開ける。シートベルトを外し、支えながらゆっくりとシートを倒す。
『あの…会長?』
『もう黙って?』
そう言うと
『君から誘ってくれるとはね。』
『まぁ…その…』
少し俯きなからも私は会長様の言葉に少し緊張しながらも答えた。車はゆっくりと駐車場に入ると、会長様は珍しく早々にシートベルトを外した。
『あの…!』
『ん?どうした?降りないのか?』
『降りる前に…これ…』
そういいながらも私は小さな包みをそっと差し出した。
『これは?』
『お誕生日、少し早いですけどおめでとうございます』
『えっと……』
『私が買えるのだと会長ならすんなり買えちゃうと思うんですけど…4回目のお誕生日…今年なら直接言えるかなって…』
『4…回目?』
『はい!』
まっすぐに会長様を見つめて頷きながら話を始めた。
『初めての時は手紙、あと2回はメールでしたから。やっと直接言えました』
『クス…』
『あ、でも会長だと私が買えるなんてのはさらーっと買えちゃいそうだし、他に祝ってくださる方がいたらすごく申し訳ないんですけど……』
『居たらどうする?』
『居る…んですか?』
『だから、居たらって言ってるんだけど?』
少し考えるような面持ちでうつむいてしまった私。そんな重苦しさを一括するように会長様の声が頭上から降ってきた。
『居ないよ…ごめん、意地悪だった?』
『居たらどうしようって…思って…』
『嫌?俺にそういう人いたら…』
『居たらもう会えないかなって思って…』
『居てもいなくても、俺は君との距離も関係も変えるつもりはないよ?』
『居たら…だめですよ』
そう切り返した私。会長様に会えるのは嬉しいけど誰か大切な人がいるのにその行為はいけないのでは…と今更ながらに思っていたのだった。
『…居ないよ、本当に。』
『そっか…』
『そんなに俺に会う時間減るの嫌?』
『嫌…です』
きゅっと手を握りしめたまま真っすぐに見つめ返した私。ことりと渡したプレゼントをダッシュボードの上に置くとそっと会長様の手が頬に触れる。
『誕生日…か』
『え?』
『誕生日プレゼント、もう1つもらってもいい?』
『もう1つって…』
『もう…解るだろ?』
そういうとゆっくりと会長様の唇がそっと自身のそれに重なってくる。何度となく角度を変えて重なり合っては、ゆっくりと少し開けた唇の隙をつく様に、会長様の舌は滑り込んでくる。柔らかく、口内を犯され、舌が絡み合う。
『ン…ァ』
小さく漏れる吐息が、熱を帯びているのが解る。もっととねだらないように…でも、もっとと望んでしまう…いけないと解っていても…もっと欲しいと願ってしまう。
『会長…ン…』
『なに?もっとって顔して…』
『それは…!』
『でも悪いな…』
そう言い残して会長様からのキスが止むことはなかった。
『止めてと言われたとしても、止めてやれそうにない…』
助手席と運転席…少し距離はあるものの、会長様がぐっと近付いてきた。誰かに見られているかも知れない…そんな思いを胸に私はそっと体を押し戻す。
『どうした?』
『だって…誰かに見られたら…』
『大丈夫だろ』
『ふぇ?でも…』
『クス…見られたら嫌だ?』
『…はずかしい』
なら…と言って会長様は運転席を降りた。
『こっちならどう?』
いつもなら後部座席に移るはずなのに、今回はなぜか助手席を開ける。シートベルトを外し、支えながらゆっくりとシートを倒す。
『あの…会長?』
『もう黙って?』
そう言うと
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