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『誕生日、なにが良い?』
『え?…何がって…そこまで甘えれないですよ?』
『そうはいかない』
そう言い帰り道の車の中で、会長様に唐突に言われた。
『誕生日過ぎちゃったけどさ、何もないと言う訳にはいかないだろ。』
『でも…今日こうして時間作ってくれただけでも…』
『ほら、変わってない。』
くすくすと喉をならしながら笑い、背もたれに深く凭れこんで会長様はふぅっと息を吐いた。
『何が良いか解らないから聞いてからにしようかとも迷ったんだよ』
『んー……そうですね…』
少し俯き加減に考えていたものの、ちらりと会長様の方を見た。
『…ん?』
『…ッ/////』
そのままゆっくりと俯き直してしまう。そんな相手を見て会長様はすっと頬に手を添えた。
『…ぇ?』
ドキリとした心を押さえながらふと顔を上げると、次の瞬間には自身の唇に会長様のそれが重なっていた。
『…ン』
ゆっくりと離れると、少し間を置いて角度を変えてさらに深く、何度も重なりあう。どちらの唾液とも解らないほどに混ざり合った後にようやく離れた。
『あの…』
『ん?』
『…その…なん『ストップ…』…ぇ?』
なぜど問いかけはじめた頃、会長様にその言葉を遮られた。続けて会長様は言葉を紡ぐ。
『何でシたのかなんて野暮なことは聞くなよ?』
『…ッ』
『…それでも聞きたいって顔だな』
言葉無く小さく頷く姿を見てハンドルに凭れると顔だけ向けて微笑みながら答えだす。
『若気の至りって程子供じゃないんだ。好きだって想いもないままキスはしないでしょ。』
『…言い方』
『まだ好きなんだから。仕方ない』
『…え?』
不意を突かれたかの様に会長様の顔を見ると、ふっと笑った。
『何て顔してんの。』
『だって…!!まだって…まだって言いましたか?』
『うん、言った』
『まだって…なに…?』
『知らなかった?二年位前?』
『二年って…』
その時にふと頭をよぎったのはおよそ二年前に経営者が変わったと言うこと。会長様から社長に経営の布陣が変わったのだ。それをきっかけになかなか会えなくなり今に至る。
『だってそんな素振り全く無かった…』
『見せなかっただけ』
『…そんな』
『さて、と。』
そう仕切り直すと会長様は、じっと見つめるなりニッと口角を上げた。
『次は君の番だ』
『なんでしょう…か』
『何でじゃない』
意味が解らないと言わんばかりの顔をしているが、会長様は続けて言った。
『俺だけ言うって、ズルいでしょ』
『私…?』
『そ、何でキス、拒まなかったの?』
『な…!んでって…いきなりだったし…』
『うん、一回目はそれで通じるけど、じゃぁ二回目は?拒絶する隙はあったはずだけど』
『それは…』
『ん?』
意地悪そうな、しかし優しい顔で会長様は目を逸らすこと無く見つめている。
『…たかも』
『聞こえない。』
『嫌じゃなかったし…その…』
その先を早く聞きたい気持ちを押さえながら会長様は見つめている。
『でも俺言ったよね、若気の至りって訳ではないんだから想いがあるって』
『そりゃ…嫌いじゃないですから』
『嫌いじゃなければするの?』
『意地悪です…』
そう言うとふいっと顔を背けた。クツクツと喉を鳴らしながら笑う会長様の方を見ることも出来なくなっていた。
『ねぇ?』
『…はい』
そっと体の向きを変えさせると大きな掌が頭を撫でる。
『…君にエステのプレゼントは要らなかったね』
『?え…?』
『キス一つでこれだけかわいさを取り戻すんだから』
『…意地悪』
『どの口が言ってんの?』
そういうとそっと触れるだけのキスが唇に落ちてくる。そのまま温もりを確かめるようにゆっくりと離れ、もう一度重なりあった。
『誕生日プレゼント、まだ決まってなかったな』
『いいです…』
『良くない』
『だったら…』
そういうと今度は自身から会長様にキスをする。
『これでいいです…』
『君は…もう少し欲張りになった方がいい』
『ぇ…?』
答えを待たずに会長様の舌が唇を割り口内を犯して行く。
『ン…フゥ…』
『プレゼントにするには色んなものが足りない』
そう呟いて会長様の手はするりと後頭部に回ってくる。
逃げ場を無くすかのように…
.
『え?…何がって…そこまで甘えれないですよ?』
『そうはいかない』
そう言い帰り道の車の中で、会長様に唐突に言われた。
『誕生日過ぎちゃったけどさ、何もないと言う訳にはいかないだろ。』
『でも…今日こうして時間作ってくれただけでも…』
『ほら、変わってない。』
くすくすと喉をならしながら笑い、背もたれに深く凭れこんで会長様はふぅっと息を吐いた。
『何が良いか解らないから聞いてからにしようかとも迷ったんだよ』
『んー……そうですね…』
少し俯き加減に考えていたものの、ちらりと会長様の方を見た。
『…ん?』
『…ッ/////』
そのままゆっくりと俯き直してしまう。そんな相手を見て会長様はすっと頬に手を添えた。
『…ぇ?』
ドキリとした心を押さえながらふと顔を上げると、次の瞬間には自身の唇に会長様のそれが重なっていた。
『…ン』
ゆっくりと離れると、少し間を置いて角度を変えてさらに深く、何度も重なりあう。どちらの唾液とも解らないほどに混ざり合った後にようやく離れた。
『あの…』
『ん?』
『…その…なん『ストップ…』…ぇ?』
なぜど問いかけはじめた頃、会長様にその言葉を遮られた。続けて会長様は言葉を紡ぐ。
『何でシたのかなんて野暮なことは聞くなよ?』
『…ッ』
『…それでも聞きたいって顔だな』
言葉無く小さく頷く姿を見てハンドルに凭れると顔だけ向けて微笑みながら答えだす。
『若気の至りって程子供じゃないんだ。好きだって想いもないままキスはしないでしょ。』
『…言い方』
『まだ好きなんだから。仕方ない』
『…え?』
不意を突かれたかの様に会長様の顔を見ると、ふっと笑った。
『何て顔してんの。』
『だって…!!まだって…まだって言いましたか?』
『うん、言った』
『まだって…なに…?』
『知らなかった?二年位前?』
『二年って…』
その時にふと頭をよぎったのはおよそ二年前に経営者が変わったと言うこと。会長様から社長に経営の布陣が変わったのだ。それをきっかけになかなか会えなくなり今に至る。
『だってそんな素振り全く無かった…』
『見せなかっただけ』
『…そんな』
『さて、と。』
そう仕切り直すと会長様は、じっと見つめるなりニッと口角を上げた。
『次は君の番だ』
『なんでしょう…か』
『何でじゃない』
意味が解らないと言わんばかりの顔をしているが、会長様は続けて言った。
『俺だけ言うって、ズルいでしょ』
『私…?』
『そ、何でキス、拒まなかったの?』
『な…!んでって…いきなりだったし…』
『うん、一回目はそれで通じるけど、じゃぁ二回目は?拒絶する隙はあったはずだけど』
『それは…』
『ん?』
意地悪そうな、しかし優しい顔で会長様は目を逸らすこと無く見つめている。
『…たかも』
『聞こえない。』
『嫌じゃなかったし…その…』
その先を早く聞きたい気持ちを押さえながら会長様は見つめている。
『でも俺言ったよね、若気の至りって訳ではないんだから想いがあるって』
『そりゃ…嫌いじゃないですから』
『嫌いじゃなければするの?』
『意地悪です…』
そう言うとふいっと顔を背けた。クツクツと喉を鳴らしながら笑う会長様の方を見ることも出来なくなっていた。
『ねぇ?』
『…はい』
そっと体の向きを変えさせると大きな掌が頭を撫でる。
『…君にエステのプレゼントは要らなかったね』
『?え…?』
『キス一つでこれだけかわいさを取り戻すんだから』
『…意地悪』
『どの口が言ってんの?』
そういうとそっと触れるだけのキスが唇に落ちてくる。そのまま温もりを確かめるようにゆっくりと離れ、もう一度重なりあった。
『誕生日プレゼント、まだ決まってなかったな』
『いいです…』
『良くない』
『だったら…』
そういうと今度は自身から会長様にキスをする。
『これでいいです…』
『君は…もう少し欲張りになった方がいい』
『ぇ…?』
答えを待たずに会長様の舌が唇を割り口内を犯して行く。
『ン…フゥ…』
『プレゼントにするには色んなものが足りない』
そう呟いて会長様の手はするりと後頭部に回ってくる。
逃げ場を無くすかのように…
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