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魔導王国アミリ朝クテシア編 〜砂塵と共に流れる因縁の章〜
憎い、憎い、憎い
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壁と床、天井を太い鎖が削り取る。命中の精度は疲労によって著しく下がり、壁を手当り次第に破壊していた。
「流石に年だな、社月」
梦蝶は苏月を父方の姓で呼んだ。
「…肉体年齢が変わらないのは、流石に卑怯過ぎるだろ」
槍で身体を支えて何とか立っているが、もう疲れた。座ってしまいたい。
梦蝶は苏月の横で槍を構えているネメシアを見て小さく呟いた。
「あの子が生きていれば、お前と同じくらいの歳だっただろうか」
「えっ?」
ネメシアが聞き返すが、梦蝶は首を振った。
「小僧も月も粘るな。私は月を甚振って殺したいだけなのに」
「そうはさせないぞ。俺は姉貴の仇を討つ為に此処に居るし、美凛パパが死んだら、誰も褒賞を貰えないからな!」
梦蝶は哀れみを込めてネメシアを見た。
「残念ながら、仇討ちは出来ないだろう。李恩、この小僧を討ち取れ」
転移魔法で李恩と弥月が現れる。
「弥月は私と共にあの男を殺す。油断するなよ、手負いの獣は危険だ」
「はい」
苏月は手首を傷付けて鎖を出した。
「ネメシア、弥月の射程圏内から離れなさい。総員、弥月の射程圏内から離れた場所で応戦しろ!」
「分かった。メリューン騎士団と苏安の兵は全員移動しろ!」
苏月は鎖を操って弥月の妨害をしながら距離を詰めた。
苏月の最も得意な武術は、格闘術だった。彼にとって自身の身体は、脳と直接繋がっている武器だ。直感的に操作が出来る為、苏月は格闘術を好んだ。そしてそれは、梦蝶も同じだった。
ゴッと鈍い音がして二人の脚がぶつかる。速さはまだ体力のある梦蝶が上回っているが、男女の筋肉量で見れば、力は苏月の方が上回っている。
「ぐっ…!」
力で負けた梦蝶が姿勢を崩すと、今度は右貫手が梦蝶の頬から耳を深く抉る。
梦蝶は苏月の腕を掴むと、逃げられないようにして胴体に手を当てて発勁を使った。
「がはッ!」
咄嗟に衝撃を減らす為に後ろへ身体を引いたとはいえ、衝撃は強い。少し遅れて吐き気がやって来る。
膝をついて吐き気に嘔吐いていると、今度は弥月の矢が飛んでくる。
目と脳に身体超過を使っている苏月は視界にそれを捉えると、横から手を振り抜いて叩き落とした。まだ小娘がこちらを狙っている事に、すっと吐き気が引く。
「諦めろ。お前では私に勝てない。お前は智彗渓谷で私に負けて、智陵に捕らえられただろう」
「おい勘違いしてくれるな。あれは奇襲作戦を受けて本隊を逃がすために殿をやった所にお前が奇襲してきただけだ。数では勝ってたのに勝てなくて、結局数の暴力でゴリ押したのはそっちだろ」
「負けは負けだ。屁理屈を言うんじゃない」
苏月はゆっくりと立ち上がって言った。
「アレンなら、屁理屈をゴリ押して勝つよ」
そうしないと、彼は自分を鼓舞出来ない哀れな人間だから。今は明らかに不利な状況だ。少しくらいアレンの真似をしても良いだろう。屁理屈を言ってでも鼓舞しなければ、梦蝶は勝てる相手じゃない。
「アレンなら悪態吐きながらも戦う。三月分の給料寄越せって言いながら、勝利への道を探る」
再び飛んで来た矢を苏月は掴んだ。それは弥月渾身の、必殺の一撃だ。矢を容易く掴まれた弥月は衝撃の余りに大きな隙を見せる。
「きゃあ!」
鎖が弥月の身体を絡め取り、壁に叩き付けた。
「弥月!」
鎖は壁を破壊して外の噴水がある中庭に弥月を放り出す。近くには社龍率いる苏安海軍の姿もあった。
苏月はそれに気付いてか気付かずか、静かに問うた。
「なあ姉上、何で来儀を殺した?」
梦蝶が憎い。だが、朧気に楽しい時間を過ごした記憶もある。それに彼女は、可愛い甥の母だ。姉弟の情を捨てきれない、そして社龍の母であるからこそ、苏月は姉上と呼んだ。
梦蝶は苏月を睨んだ。
「私はお前に息子を殺された。あの世南での戦いで、お前の部下が砦の屋敷に火を放った事は知っている」
「私が、お前の息子を…?」
苏月がそれについて深く追求しようとしたその時、社龍が割って入ってきた。
「え、じゃあ俺は双子なんですか?叔父上」
「おいその仮面野郎は誰だ。話に入って来るんじゃない」
苏月は梦蝶に社龍が双子なのか確認しようとした。しかし、社龍は梦蝶に対して中指を立てて言う。
「五月蝿いな。質問に答えてよ。俺はお前のせいで迷惑被ってるんだけど」
普段の苏月なら「中指を立てるんじゃない」と叱るが、彼の賢過ぎる脳をもってしても、今の状況を理解出来ない⸺否、理解を拒否しているのだ。
(死に際、梦蝶の夫にあの子は無事かと聞かれた。あの子達とは言っていないから⸺)
「梦蝶、お前の子は双子だったのか?双子なら、一人は救出出来なかった事になる」
梦蝶を殺した後に燃え落ちる屋敷の中から、まだ乳飲み子だった社龍を助けた事は覚えている。しかしそこには双子の姿は無かった。
「双子?私は一人しか生んでいない。さっきから何なんだお前達。幾ら赫月液を使っていても、双子を生んだ後に戦えると思うか?」
苏月は深く息を吐いた。部下が戦闘中に屋敷を燃やしたのは事実。そして赤子の泣き声を聞いて火の中から助けてやったのが社龍。しかし梦蝶は、息子が殺されたと言って来儀を殺した。
(つまり、勘違いだったんだ)
苏月は嗤った。それは酷く乾いた、冷たい笑いだった。
「…ははは、そうか。それでお前は何者かの手によって蘇った後、息子の仇を取る為に帝国に降って、皇帝に股を開くような畜生に成り下がった訳だ」
こんな畜生に、息子は殺されたのか。そう考えるだけで涙が出てくる。
「侮辱するな。全ては今日この日の⸺」
その時、社龍が仮面を投げ捨てた。その顔を見た梦蝶は目を見開く。皇族の赤い瞳に、女人のような美しい顔。それは従弟でもあった亡き夫に酷似していた。
「まさかそんな…お前が、龍だと言うの?」
「いきなり母親面すんなよ。お前のせいで来儀が死んだんだろ。俺の母上は叔母上⸺暁皇后様唯一人だ」
梦蝶は勘違いで来儀を殺害した事に気付いた。その顔は苏月の方へ向く。何と謝罪すれば良いか分からないが、謝らなければ。そう思ったが、飛んで来たのは拳だった。
「ぎゃっ!」
バキッと嫌な音がして梦蝶の鼻が折れる。
苏月はゆっくり歩み寄ると、梦蝶に馬乗りになって白い首を掴んだ。細い腕に似つかわしくない怪力は、容易に梦蝶の気道を圧し潰す。
「ゆぇ、ごめ、…なさ…」
「…謝罪して済むと思っているのなら、さぞ幸せな頭だな、梦蝶」
梦蝶は抵抗を試みるが、苏月によって腕を容易く折られる。
「死にたくないか?そうだろうな。此処に居る誰もが死にたくないから帝国に立ち向かう。なぁ、来儀は最期に何て言ったと思う?」
少し気道を緩めると、梦蝶は掠れた吐息を出す。
「死にたくない、それがあの子の最期の言葉だ。お前には自ら死を望むまで苦しんでもらう」
そう言って梦蝶の心臓の位置に手を当てると耳元で囁く。
「や、やめて⸺」
「お前は、私の許可無く死んではいけない」
直後、隷属魔法が発動する。彼女もまた、隷属魔法に侵された人間だ。しかし、序列は今刻み付けた。
苏月は梦蝶の前髪を掴むと、彼女の下腹部に触れて言った。
「…この薄汚い腹を割いて、生きたまま臓物を引き摺りだしてやる」
社龍は明らかに正常な思考を失った叔父に駆け寄った。
「叔父上、ねえ、そんなのらしくないですよ!落ち着いて下さい!」
憎悪で顔を歪ませた敬愛する叔父の顔は、余りにも悲痛だった。社龍はそんな叔父の顔を見たくない。
しかし、もう梦蝶が社龍の生母だという事を気にする余裕は無くなった。此処で梦蝶を殺さねば、次は美凛が殺される。
雷の魔力が薄い刃を形作る。その刃は醜く凸凹していて、精神を病んでしまった彼の心のようだ。
続けさせたら、本当に壊れてしまう。肩を掴んで止めようとするも、それを振り払う手が顔面に直撃して社龍の意識が刈り取られる。
「あの子の苦しみを知れ、この阿婆擦れ!」
刃がゆっくり腹を切り裂く。
「ぎゃあああああッ!いや、痛い、痛いッ!」
もう誰も彼を止められない。兵士達は遠巻きに彼を見る事しか出来ず、朝日が照らす城の中に梦蝶の悍ましい悲鳴が響いた。
「流石に年だな、社月」
梦蝶は苏月を父方の姓で呼んだ。
「…肉体年齢が変わらないのは、流石に卑怯過ぎるだろ」
槍で身体を支えて何とか立っているが、もう疲れた。座ってしまいたい。
梦蝶は苏月の横で槍を構えているネメシアを見て小さく呟いた。
「あの子が生きていれば、お前と同じくらいの歳だっただろうか」
「えっ?」
ネメシアが聞き返すが、梦蝶は首を振った。
「小僧も月も粘るな。私は月を甚振って殺したいだけなのに」
「そうはさせないぞ。俺は姉貴の仇を討つ為に此処に居るし、美凛パパが死んだら、誰も褒賞を貰えないからな!」
梦蝶は哀れみを込めてネメシアを見た。
「残念ながら、仇討ちは出来ないだろう。李恩、この小僧を討ち取れ」
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「弥月は私と共にあの男を殺す。油断するなよ、手負いの獣は危険だ」
「はい」
苏月は手首を傷付けて鎖を出した。
「ネメシア、弥月の射程圏内から離れなさい。総員、弥月の射程圏内から離れた場所で応戦しろ!」
「分かった。メリューン騎士団と苏安の兵は全員移動しろ!」
苏月は鎖を操って弥月の妨害をしながら距離を詰めた。
苏月の最も得意な武術は、格闘術だった。彼にとって自身の身体は、脳と直接繋がっている武器だ。直感的に操作が出来る為、苏月は格闘術を好んだ。そしてそれは、梦蝶も同じだった。
ゴッと鈍い音がして二人の脚がぶつかる。速さはまだ体力のある梦蝶が上回っているが、男女の筋肉量で見れば、力は苏月の方が上回っている。
「ぐっ…!」
力で負けた梦蝶が姿勢を崩すと、今度は右貫手が梦蝶の頬から耳を深く抉る。
梦蝶は苏月の腕を掴むと、逃げられないようにして胴体に手を当てて発勁を使った。
「がはッ!」
咄嗟に衝撃を減らす為に後ろへ身体を引いたとはいえ、衝撃は強い。少し遅れて吐き気がやって来る。
膝をついて吐き気に嘔吐いていると、今度は弥月の矢が飛んでくる。
目と脳に身体超過を使っている苏月は視界にそれを捉えると、横から手を振り抜いて叩き落とした。まだ小娘がこちらを狙っている事に、すっと吐き気が引く。
「諦めろ。お前では私に勝てない。お前は智彗渓谷で私に負けて、智陵に捕らえられただろう」
「おい勘違いしてくれるな。あれは奇襲作戦を受けて本隊を逃がすために殿をやった所にお前が奇襲してきただけだ。数では勝ってたのに勝てなくて、結局数の暴力でゴリ押したのはそっちだろ」
「負けは負けだ。屁理屈を言うんじゃない」
苏月はゆっくりと立ち上がって言った。
「アレンなら、屁理屈をゴリ押して勝つよ」
そうしないと、彼は自分を鼓舞出来ない哀れな人間だから。今は明らかに不利な状況だ。少しくらいアレンの真似をしても良いだろう。屁理屈を言ってでも鼓舞しなければ、梦蝶は勝てる相手じゃない。
「アレンなら悪態吐きながらも戦う。三月分の給料寄越せって言いながら、勝利への道を探る」
再び飛んで来た矢を苏月は掴んだ。それは弥月渾身の、必殺の一撃だ。矢を容易く掴まれた弥月は衝撃の余りに大きな隙を見せる。
「きゃあ!」
鎖が弥月の身体を絡め取り、壁に叩き付けた。
「弥月!」
鎖は壁を破壊して外の噴水がある中庭に弥月を放り出す。近くには社龍率いる苏安海軍の姿もあった。
苏月はそれに気付いてか気付かずか、静かに問うた。
「なあ姉上、何で来儀を殺した?」
梦蝶が憎い。だが、朧気に楽しい時間を過ごした記憶もある。それに彼女は、可愛い甥の母だ。姉弟の情を捨てきれない、そして社龍の母であるからこそ、苏月は姉上と呼んだ。
梦蝶は苏月を睨んだ。
「私はお前に息子を殺された。あの世南での戦いで、お前の部下が砦の屋敷に火を放った事は知っている」
「私が、お前の息子を…?」
苏月がそれについて深く追求しようとしたその時、社龍が割って入ってきた。
「え、じゃあ俺は双子なんですか?叔父上」
「おいその仮面野郎は誰だ。話に入って来るんじゃない」
苏月は梦蝶に社龍が双子なのか確認しようとした。しかし、社龍は梦蝶に対して中指を立てて言う。
「五月蝿いな。質問に答えてよ。俺はお前のせいで迷惑被ってるんだけど」
普段の苏月なら「中指を立てるんじゃない」と叱るが、彼の賢過ぎる脳をもってしても、今の状況を理解出来ない⸺否、理解を拒否しているのだ。
(死に際、梦蝶の夫にあの子は無事かと聞かれた。あの子達とは言っていないから⸺)
「梦蝶、お前の子は双子だったのか?双子なら、一人は救出出来なかった事になる」
梦蝶を殺した後に燃え落ちる屋敷の中から、まだ乳飲み子だった社龍を助けた事は覚えている。しかしそこには双子の姿は無かった。
「双子?私は一人しか生んでいない。さっきから何なんだお前達。幾ら赫月液を使っていても、双子を生んだ後に戦えると思うか?」
苏月は深く息を吐いた。部下が戦闘中に屋敷を燃やしたのは事実。そして赤子の泣き声を聞いて火の中から助けてやったのが社龍。しかし梦蝶は、息子が殺されたと言って来儀を殺した。
(つまり、勘違いだったんだ)
苏月は嗤った。それは酷く乾いた、冷たい笑いだった。
「…ははは、そうか。それでお前は何者かの手によって蘇った後、息子の仇を取る為に帝国に降って、皇帝に股を開くような畜生に成り下がった訳だ」
こんな畜生に、息子は殺されたのか。そう考えるだけで涙が出てくる。
「侮辱するな。全ては今日この日の⸺」
その時、社龍が仮面を投げ捨てた。その顔を見た梦蝶は目を見開く。皇族の赤い瞳に、女人のような美しい顔。それは従弟でもあった亡き夫に酷似していた。
「まさかそんな…お前が、龍だと言うの?」
「いきなり母親面すんなよ。お前のせいで来儀が死んだんだろ。俺の母上は叔母上⸺暁皇后様唯一人だ」
梦蝶は勘違いで来儀を殺害した事に気付いた。その顔は苏月の方へ向く。何と謝罪すれば良いか分からないが、謝らなければ。そう思ったが、飛んで来たのは拳だった。
「ぎゃっ!」
バキッと嫌な音がして梦蝶の鼻が折れる。
苏月はゆっくり歩み寄ると、梦蝶に馬乗りになって白い首を掴んだ。細い腕に似つかわしくない怪力は、容易に梦蝶の気道を圧し潰す。
「ゆぇ、ごめ、…なさ…」
「…謝罪して済むと思っているのなら、さぞ幸せな頭だな、梦蝶」
梦蝶は抵抗を試みるが、苏月によって腕を容易く折られる。
「死にたくないか?そうだろうな。此処に居る誰もが死にたくないから帝国に立ち向かう。なぁ、来儀は最期に何て言ったと思う?」
少し気道を緩めると、梦蝶は掠れた吐息を出す。
「死にたくない、それがあの子の最期の言葉だ。お前には自ら死を望むまで苦しんでもらう」
そう言って梦蝶の心臓の位置に手を当てると耳元で囁く。
「や、やめて⸺」
「お前は、私の許可無く死んではいけない」
直後、隷属魔法が発動する。彼女もまた、隷属魔法に侵された人間だ。しかし、序列は今刻み付けた。
苏月は梦蝶の前髪を掴むと、彼女の下腹部に触れて言った。
「…この薄汚い腹を割いて、生きたまま臓物を引き摺りだしてやる」
社龍は明らかに正常な思考を失った叔父に駆け寄った。
「叔父上、ねえ、そんなのらしくないですよ!落ち着いて下さい!」
憎悪で顔を歪ませた敬愛する叔父の顔は、余りにも悲痛だった。社龍はそんな叔父の顔を見たくない。
しかし、もう梦蝶が社龍の生母だという事を気にする余裕は無くなった。此処で梦蝶を殺さねば、次は美凛が殺される。
雷の魔力が薄い刃を形作る。その刃は醜く凸凹していて、精神を病んでしまった彼の心のようだ。
続けさせたら、本当に壊れてしまう。肩を掴んで止めようとするも、それを振り払う手が顔面に直撃して社龍の意識が刈り取られる。
「あの子の苦しみを知れ、この阿婆擦れ!」
刃がゆっくり腹を切り裂く。
「ぎゃあああああッ!いや、痛い、痛いッ!」
もう誰も彼を止められない。兵士達は遠巻きに彼を見る事しか出来ず、朝日が照らす城の中に梦蝶の悍ましい悲鳴が響いた。
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