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苏安皇国編 〜赤く染まる森、鳳と凰の章〜
空城の計
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城壁の外側に取り残された兵士達は、目の前のリーサグシア城の変貌に困惑を浮かべていた。
「建物が、持ち上がった…?」
石化した木の根が支える城は、本隊の一部が侵入した直後に回転しながら浮かび上がった。
(どうしよう…〈プロテア〉の部隊は全員、中へ入って…)
こうしている間にも、城壁の向こうから岩が飛んでくる。悩む舞蘭に謝将軍が進言した。
「一度、森の外にある野営地まで撤退しましょう。小生らの年では、陛下のように壁キックなんて器用な真似は出来ませんから」
「でも、皆がまだ残ってるわ!」
皆を置いて撤退出来ない、そう言う舞蘭にダルカンが近付いた。
「暁皇后、貴女様の勇敢さも優しさも、知っているつもりですじゃ。ですが、此処は彼らに任せて一度下がりましょう」
「でも…」
「彼らの強さは、貴女も御存知の筈ですぞ」
最強の策士と、英雄の息子、そして英雄本人。何故忘れていたのだろう。敗北する理由が無いのに。
「それに、野営地に残っているザンドラが鍵を持ってますじゃ」
つまり、拠点を介して鍵のある場所へ向かえる。それがたとえ敵陣であってもだ。
舞蘭は一度、城壁を見上げた。
「皆…待っててね」
そして将軍として命を下す。
「撤退します!皆、これは敗走ではありません⸺」
そう、これは決して敗走などではない。
「勝利へ向けた転進です!そしてこの後には玉砕も無い。あるのは唯一つ、勝利のみ!同盟軍の長達は勝利を確信しています。勝利への近道を進みましょう。全軍、西へ!」
舞蘭は敗走という言葉を使わなかった。敗走、撤退では士気が下がるからだ。
兵士達が同盟軍の長と皇后を讃える声が響く中、ダルカンは感心したように舞蘭を見詰めていた。
第二次苏安内戦では、智稜の大虐殺から一年後に苏月が前線に復帰してから、苏月が所属していた反乱軍は負け無しだった。惨たらしい拷問を受けた後の夫を側で支え続けた彼女は、その愛らしく不思議な外見と話術で夫を始めとした味方陣営の者達や庶民を虜にし、苏月と共に反乱軍を勝利へ導いた。いわば、現代の戦女神だ。
「アレンも演説の一つや二つ、言えるようにして貰わなきゃなぁ」
すると謝将軍が笑った。
「誰にでも出来る事ではありますまい。アレン将軍にはアレン将軍の良さがあります。十五年も戦いに費やしてきた、時間ですよ。小生達にはブランクがありますから。それに…そういう柄じゃないでしょうね」
アルケイディアで、アーサーの代わりにカーヴェル団長と話した時の事を思い出す。何と言えば良いか分からず、気難しい口から発された言葉は「通りたい」だった。
「…そうだな」
「彼なら士気の下がるような事はしないでしょう。今は転進に集中しましょう」
誰も勝利を信じて疑わない。それはダルカンも同じだった。
リーサグシア城内にて。
「苏安軍が歴戦の兵士達じゃなきゃ負けてたぞ!」
ロルツの悪態に、ゼオルは大和でよく見られる刀を無言で構える。その目は普段の灰色とは異なり、愛玩動物である魔鷹のアンバーと同じ琥珀色に変化していた。
上空からアンバーが鋭く鳴く。アンバーの瞳は金のような琥珀色ではなく、ゼオルの刃のような灰色になっていた。
「ネメシア、本城の方にも投石機がある。潰せ!」
アンバーの声を理解したロルツが巨大化したムニちゃんと一緒に敵軍を蹂躙するネメシアに向かって言うと、ムニちゃんは魔人達を吸収しながら本城の方へ進撃する。
そのネメシアとムニちゃんを狙う弓兵を、ゼオルの魂を宿したアンバーが頭を掴んで城壁の外へ放り投げる。
すると、アンバーが再び鳴いた。
「アレン、城壁の外に残された部隊が撤退するぞ!」
ロルツの言葉にアレンは舌打ちした。
「そりゃそうだ、俺だってそうするよ!だって、破城槌じゃ浮かび上がった城は落とせないからな!」
空中に浮かび上がると分かっていれば、最初から投石機を大量購入していた。しかし、経済的に破城槌五台が限界だったのだ。
(舞蘭さんはああ見えて月さんの奥さんだ。何か狙いがあるのだろう。そうでなくとも、向こうには謝将軍を始めとした老獪な将軍達も残っている)
「思薺さん、舞蘭さんってどんな人?」
アレンは近くで槍を振る思薺に問うた。
「あの方は…陛下の事になると馬鹿になりますね。智稜城の地下に少数で乗り込むような女傑です。陛下が此処に居るにも関わらず撤退したのには、策か謝将軍の進言があったのでしょう」
思薺が言うのならそうなのだろう。決して不利な状況ではないとアレンは判断した。
「しかし、包囲される戦いとは実につまらんものですなぁ、阿蓮殿?」
「つまらんったって、戦争はこんなもんだろっ!」
敵の攻撃を躱し、反撃を食らわせながらアレンが言うと思薺は笑った。
「まぁ、そうですな。陛下ぁー、私と阿蓮将軍と陛下の三人で首級を競いませぬか?」
苏月は呆れた顔で思薺の方を向く。
「おいおい、戯れじゃないんだぞ。それと、〈プロテア〉の幹部や謝坤と社龍を仲間外れにしたら可哀想だろうが」
突然話を振られた若者達は困惑の表情を浮かべる。
「と言う訳で、ドベは潰れるまでテキーラ一気飲みだ」
社龍が叫ぶ。
「これ、まさか決定事項ですか!?」
「ああ」
「嫌ぁぁぁぁ!」
社龍が走り出した。
アレンは苏月を生温い目で見た。
「まさか乗り気とは…それに士気を上げるのが上手いな」
「私とてつまらんものは好かん。言い出しっぺは思薺、お前だぞ」
「今回こそ、将軍の名にかけて陛下を負かさねば。陛下が酔い潰れるところを見てみたいですな」
アレンは溜息を吐いた。首級を競う相手など、帝国には居なかった。だから困惑がまだ強いが、人間はこうやって士気をあげているのだ。
(いや、俺が気付いていないだけで、魔人も競い合っているのかも知れないな)
何せ、魔人と人間は、元は親しい種族だったのだ。
近くに居たフレデリカは杖を取り出すと、アレンにウィンクした。
「首級は山分けしましょ。私達、相棒なんだから」
フレデリカも乗り気のようだ。アレンは笑いにならない息を漏らす。
「…数え間違えんなよ?」
「分かってる。アレンもね!」
相棒。良い響きだとアレンは思う。死へ進ませる時空魔法と、命を育む創造魔法の遣い手同士、唯一無二の戦友だ。
フレデリカの放った攻撃魔法を掻い潜り、アレンがフレデリカの討ち漏らした敵を彼女に近付く前に斬り伏せる。そしてそのアレンを狙う敵を、フレデリカが正確に撃ち抜く。二人の最高の連携を前に敵は居ない。しかし、二人の前にガンダゴウザが立ちはだかる。
「確か、ドベが潰れるまでテキーラ一気飲み…だったか?」
フレデリカは油断する事無く杖を向ける。
「ドベは私達だとでも?」
ガンダゴウザは笑った。
「ドベはドベでもわテキーラを飲む事は無いだろうなぁ、この中の誰も!」
大きな声にアレンは耳を押さえる。しかし、この中の誰もガンダゴウザの声に気付いていないようだ。経験豊富な思薺も、思慮深い苏月も、年若いが武の才能のある社龍と謝坤、物音に敏感な獣人のロルツも、アンバーと同化しているゼオルも。誰一人として、ガンダゴウザの声が聞こえていないようだった。
「手始めはお前だ、コーネリアスの息子よ」
その時、何かに気付いたフレデリカが叫んだ。
「アレン、影が⸺!」
しかしフレデリカの叫びも虚しく、アレンの影から太い刃のような何かが伸びて、背中から腹部まで、防具ごと一気に貫く。
フレデリカの声に気付いた苏月と思薺がこちらを見て目を見開く。一騎当千と称される元十二神将〈神風〉がいつも着ている丈の長い白い服は、鮮血で真っ赤に染まっていたのだ。
思薺と苏月が駆け付けると、影から伸びたそれは更にアレンの身体を抉る。
「がはっ…ッ」
「おいアレン!」
「アレン殿!」
皆がアレンに気を取られる中、アレンは一人の女の存在に気が付いた。
「おま、えは…」
東雅系によく見られる薄い唇が歪むように笑みを浮かべ、白魚の手が眼鏡を押し上げる。彼女が特定人物の気配を、同盟軍の意識から除外していたのだ。
「梓…、涵…!」
「建物が、持ち上がった…?」
石化した木の根が支える城は、本隊の一部が侵入した直後に回転しながら浮かび上がった。
(どうしよう…〈プロテア〉の部隊は全員、中へ入って…)
こうしている間にも、城壁の向こうから岩が飛んでくる。悩む舞蘭に謝将軍が進言した。
「一度、森の外にある野営地まで撤退しましょう。小生らの年では、陛下のように壁キックなんて器用な真似は出来ませんから」
「でも、皆がまだ残ってるわ!」
皆を置いて撤退出来ない、そう言う舞蘭にダルカンが近付いた。
「暁皇后、貴女様の勇敢さも優しさも、知っているつもりですじゃ。ですが、此処は彼らに任せて一度下がりましょう」
「でも…」
「彼らの強さは、貴女も御存知の筈ですぞ」
最強の策士と、英雄の息子、そして英雄本人。何故忘れていたのだろう。敗北する理由が無いのに。
「それに、野営地に残っているザンドラが鍵を持ってますじゃ」
つまり、拠点を介して鍵のある場所へ向かえる。それがたとえ敵陣であってもだ。
舞蘭は一度、城壁を見上げた。
「皆…待っててね」
そして将軍として命を下す。
「撤退します!皆、これは敗走ではありません⸺」
そう、これは決して敗走などではない。
「勝利へ向けた転進です!そしてこの後には玉砕も無い。あるのは唯一つ、勝利のみ!同盟軍の長達は勝利を確信しています。勝利への近道を進みましょう。全軍、西へ!」
舞蘭は敗走という言葉を使わなかった。敗走、撤退では士気が下がるからだ。
兵士達が同盟軍の長と皇后を讃える声が響く中、ダルカンは感心したように舞蘭を見詰めていた。
第二次苏安内戦では、智稜の大虐殺から一年後に苏月が前線に復帰してから、苏月が所属していた反乱軍は負け無しだった。惨たらしい拷問を受けた後の夫を側で支え続けた彼女は、その愛らしく不思議な外見と話術で夫を始めとした味方陣営の者達や庶民を虜にし、苏月と共に反乱軍を勝利へ導いた。いわば、現代の戦女神だ。
「アレンも演説の一つや二つ、言えるようにして貰わなきゃなぁ」
すると謝将軍が笑った。
「誰にでも出来る事ではありますまい。アレン将軍にはアレン将軍の良さがあります。十五年も戦いに費やしてきた、時間ですよ。小生達にはブランクがありますから。それに…そういう柄じゃないでしょうね」
アルケイディアで、アーサーの代わりにカーヴェル団長と話した時の事を思い出す。何と言えば良いか分からず、気難しい口から発された言葉は「通りたい」だった。
「…そうだな」
「彼なら士気の下がるような事はしないでしょう。今は転進に集中しましょう」
誰も勝利を信じて疑わない。それはダルカンも同じだった。
リーサグシア城内にて。
「苏安軍が歴戦の兵士達じゃなきゃ負けてたぞ!」
ロルツの悪態に、ゼオルは大和でよく見られる刀を無言で構える。その目は普段の灰色とは異なり、愛玩動物である魔鷹のアンバーと同じ琥珀色に変化していた。
上空からアンバーが鋭く鳴く。アンバーの瞳は金のような琥珀色ではなく、ゼオルの刃のような灰色になっていた。
「ネメシア、本城の方にも投石機がある。潰せ!」
アンバーの声を理解したロルツが巨大化したムニちゃんと一緒に敵軍を蹂躙するネメシアに向かって言うと、ムニちゃんは魔人達を吸収しながら本城の方へ進撃する。
そのネメシアとムニちゃんを狙う弓兵を、ゼオルの魂を宿したアンバーが頭を掴んで城壁の外へ放り投げる。
すると、アンバーが再び鳴いた。
「アレン、城壁の外に残された部隊が撤退するぞ!」
ロルツの言葉にアレンは舌打ちした。
「そりゃそうだ、俺だってそうするよ!だって、破城槌じゃ浮かび上がった城は落とせないからな!」
空中に浮かび上がると分かっていれば、最初から投石機を大量購入していた。しかし、経済的に破城槌五台が限界だったのだ。
(舞蘭さんはああ見えて月さんの奥さんだ。何か狙いがあるのだろう。そうでなくとも、向こうには謝将軍を始めとした老獪な将軍達も残っている)
「思薺さん、舞蘭さんってどんな人?」
アレンは近くで槍を振る思薺に問うた。
「あの方は…陛下の事になると馬鹿になりますね。智稜城の地下に少数で乗り込むような女傑です。陛下が此処に居るにも関わらず撤退したのには、策か謝将軍の進言があったのでしょう」
思薺が言うのならそうなのだろう。決して不利な状況ではないとアレンは判断した。
「しかし、包囲される戦いとは実につまらんものですなぁ、阿蓮殿?」
「つまらんったって、戦争はこんなもんだろっ!」
敵の攻撃を躱し、反撃を食らわせながらアレンが言うと思薺は笑った。
「まぁ、そうですな。陛下ぁー、私と阿蓮将軍と陛下の三人で首級を競いませぬか?」
苏月は呆れた顔で思薺の方を向く。
「おいおい、戯れじゃないんだぞ。それと、〈プロテア〉の幹部や謝坤と社龍を仲間外れにしたら可哀想だろうが」
突然話を振られた若者達は困惑の表情を浮かべる。
「と言う訳で、ドベは潰れるまでテキーラ一気飲みだ」
社龍が叫ぶ。
「これ、まさか決定事項ですか!?」
「ああ」
「嫌ぁぁぁぁ!」
社龍が走り出した。
アレンは苏月を生温い目で見た。
「まさか乗り気とは…それに士気を上げるのが上手いな」
「私とてつまらんものは好かん。言い出しっぺは思薺、お前だぞ」
「今回こそ、将軍の名にかけて陛下を負かさねば。陛下が酔い潰れるところを見てみたいですな」
アレンは溜息を吐いた。首級を競う相手など、帝国には居なかった。だから困惑がまだ強いが、人間はこうやって士気をあげているのだ。
(いや、俺が気付いていないだけで、魔人も競い合っているのかも知れないな)
何せ、魔人と人間は、元は親しい種族だったのだ。
近くに居たフレデリカは杖を取り出すと、アレンにウィンクした。
「首級は山分けしましょ。私達、相棒なんだから」
フレデリカも乗り気のようだ。アレンは笑いにならない息を漏らす。
「…数え間違えんなよ?」
「分かってる。アレンもね!」
相棒。良い響きだとアレンは思う。死へ進ませる時空魔法と、命を育む創造魔法の遣い手同士、唯一無二の戦友だ。
フレデリカの放った攻撃魔法を掻い潜り、アレンがフレデリカの討ち漏らした敵を彼女に近付く前に斬り伏せる。そしてそのアレンを狙う敵を、フレデリカが正確に撃ち抜く。二人の最高の連携を前に敵は居ない。しかし、二人の前にガンダゴウザが立ちはだかる。
「確か、ドベが潰れるまでテキーラ一気飲み…だったか?」
フレデリカは油断する事無く杖を向ける。
「ドベは私達だとでも?」
ガンダゴウザは笑った。
「ドベはドベでもわテキーラを飲む事は無いだろうなぁ、この中の誰も!」
大きな声にアレンは耳を押さえる。しかし、この中の誰もガンダゴウザの声に気付いていないようだ。経験豊富な思薺も、思慮深い苏月も、年若いが武の才能のある社龍と謝坤、物音に敏感な獣人のロルツも、アンバーと同化しているゼオルも。誰一人として、ガンダゴウザの声が聞こえていないようだった。
「手始めはお前だ、コーネリアスの息子よ」
その時、何かに気付いたフレデリカが叫んだ。
「アレン、影が⸺!」
しかしフレデリカの叫びも虚しく、アレンの影から太い刃のような何かが伸びて、背中から腹部まで、防具ごと一気に貫く。
フレデリカの声に気付いた苏月と思薺がこちらを見て目を見開く。一騎当千と称される元十二神将〈神風〉がいつも着ている丈の長い白い服は、鮮血で真っ赤に染まっていたのだ。
思薺と苏月が駆け付けると、影から伸びたそれは更にアレンの身体を抉る。
「がはっ…ッ」
「おいアレン!」
「アレン殿!」
皆がアレンに気を取られる中、アレンは一人の女の存在に気が付いた。
「おま、えは…」
東雅系によく見られる薄い唇が歪むように笑みを浮かべ、白魚の手が眼鏡を押し上げる。彼女が特定人物の気配を、同盟軍の意識から除外していたのだ。
「梓…、涵…!」
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