あいばな開花 ~異世界で愛の花を咲かせます~

だいなも

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第二章 メイドの少女

79.二人目

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 ...ミラリオが家に来てから約3年が経過していた。

 俺とルーンはミラリオに対して、これまでのことを詳しく説明していた。

 謎の現象によって、ループしていること。
 俺の能力『開花』によって、ルーンの花が根付いたこと。
 ルーンの花が根付くと、ルーンの能力が使えるようになり、一緒にループするようになったこと。
 ルーンと一緒にリターニュ公国へ移動し、そこで結婚したこと。
『開花』の力によって根付いた花の女の子は、俺の体液を吸収して能力が一時的に上昇すること。
 夫婦として100年程過ごしたが、寿命を迎えて老衰で死んでもループしたこと。
 そして、今回はミラリオの花が根付いたことによって、『共鳴』の力が使えるようになったこと。

 ミラリオは素直に俺の言葉を信じ、特に疑問を持たなかった。


 約3年間は特に何も起こらず、ルーンはミラリオに隠れて俺のミルクを求めていたが、ミラリオはまだその辺の知識が無かったのか、俺に対してキスを求めて来るだけだった。
 ミラリオは主にメイドとして俺のお世話をしていたが、俺は当然、ミラリオに手を付けていなかった。
 そして浴室など主に裸になる場面では、ルーンが主導して俺の世話をしていた。
 ただ、日常において俺とミラリオは非常に仲が良く、ミラリオも喜んで俺のお世話をしていた。

 100年を生きた人間が二人いる為、ミラリオの知識はもの凄く増えていた。
 ただ、ルーンは積極的に俺の体液についてアレコレ教えていた...。

「えっ!!ルーン...。お、お兄様は...お股の大事なところから...ミルクを出せるんですか!?」
「凄いでしょ!男の人は、大事なところからミルクを出せるんだよ。そのミルクが、赤ちゃんの素になるの!」
「赤ちゃんの...」
「お兄ちゃんのミルクはとっても甘くて、体中が幸せになるの!」
「お、お兄様が...お股からミルクを...。あぁ...恥ずかしくて想像できない...」

 最近になってルーンがその辺りの知識を重点的に教えており、その度にミラリオが顔を真っ赤にしていた。


 また、『共鳴』の力について、新しい発見があった。
 初めてミラリオが泊まった夜に判明したが、ルーンと同じく、ミラリオに密着すればするほど、能力使用時の疲労度が下がることが判明した。

 能力の性質上、密着が特に有効になる場面は想像できず、相性は良くないと思っていた。
 しかし、色々検証してみた結果、俺とミラリオが密着している場合に限り、相手の声も聞こえるようになることがわかった。
 『共鳴』の能力者が二人密着していることで、受信することも出来るようになるのか、詳しい仕組みはわからないが、早い話が会話が出来るようになっていた。
 俺とミラリオが寝室で抱き合い、ルーンが家から離れた森の中にいる状況で、ルーンと会話が出来ていた。
 声を届けることが出来る対象となる人については、詳しい条件がよくわからなかったが、少なくとも花として根付いた女の子は対象になっていた。

 約3年が経過し、ミラリオの花が5分咲きになっていた。




 ある日の朝、目が覚めるとルーンとミラリオがいつものように、抱きついている。
 ほとんど上にのしかかるように、二人がべったりと俺に抱きついており、すやすや眠っていた。

 ...なんか身動きが取れないとおもったら、これか。

 そろそろ朝日が昇ろうという時間、辺りはまだ暗かった。

 トイレに行きたいのだが、起こすのも悪いよな。
 かといってこのまま2度寝したら...まあ布団が汚れるよな。
 布団が汚れるだけならまだしも、ミラリオがどう思うか...。

 どうしたものかと悩んでいると、目を覚ましていたルーンがすぐに見抜く。
 その日は右側から、優しく甘く囁くルーンの声で始まった。

「お兄ちゃん...おトイレ行きたいのー?」

 既にルーンの目にはハートが宿っており、顔が赤みを帯びている。
 ミラリオを起こさないように、俺も優しくルーンに返事する。

「...ああ、そうだ」
「うふふ...。お兄ちゃん、ミラを起こしちゃ可哀そうだから...私に飲ませて」

 ルーンはそう言って、静かにベッドから降り、一旦退室する。

 ...あれ、どこ行った。

 30秒も経たない内に、ルーンはすぐに戻って来て、ギシッときしむ音を立ててベッドに体を乗せて、甘く囁いた。

「お兄ちゃん...だーしーてっ。ちゅっ」

 朝から好き好きモード全開のルーンがキスをする。

 ...ミントに似た爽やかな香りがするな。

 その体からハートを溢れさせながら、俺の下腹部に移動する。
 ミラリオの邪魔にならないように、器用に下を脱がせたら、さっとルーンの顔に赤みが増した。
 しばらくじっと見つめていたルーンだが、おもむろに俺のものを両手で優しく包んだ。
 温かくて柔らかいルーンの手の感触につつまれたと思ったら、すぐにぬるっとした、より温かくて柔らかくて優しい感触にくるまれた。

 ...さっき一旦退室したのは、寝起きの顔や口内を洗浄する為か。
 あのスピードは...『狂戦士』の力を使ったな。

 ちらりとルーンを見ると、ルーンの目は「お兄ちゃんの大事な所なんだから、当然でしょ!」と言わんばかりの目をしていた。
 俺の為に少しでも早く清潔にしようと、能力を使ってまで動いてくれるルーンに胸が熱くなる。
 思わず右手を伸ばし、ルーンの左手を握る。
 先ほどの温かくて柔らかい感触を手で感じると、ぎゅっぎゅっぎゅっ、と3回握り返してきた。

 ...これは、出・し・て、というサインだな。

 俺もぎゅっ握り返し、下半身の力を抜いた。

「んむっ...んっ...んっ...」

 咥えながらくぐもった声を出したルーンは、ごくごくと喉を鳴らしながら飲み込んでいく。
 寝起きなので量が多かったが、体液の味が体全体に広がっているのか、ルーンはうっとりした目をして飲み干していた。

「んっ...ぷあっ。んー...ちゅっちゅっ」
「うっ...ルーン、ちょっと...」

 好き好きオーラをめいっぱい出しながら、息を荒くしたルーンは暴走気味に、一度口を離した後も、何度か口に入れて吸い始める。
 全部飲み干してもまだ物足りないのか、体内のものを吸い出す勢いで、啄むように唇を使う。
 体液を大量に取り込んだ恩恵か、ルーンの顔や肌がみるみるうちに、鮮やかで艶のある色になった。
 心なしか一時的に成長が早まっているようにも見える。

「んむ...んむ...んむっ。ぷはっ」

 しばらくして顔を赤らめているルーンは唇を離し、解放してもらった。
 いつの間にか持って来たタオルで丁寧に拭き取り、テキパキと下を穿かせて、いそいそと俺の右隣に戻ったルーンに聞いた。

「...ルーン、味はどうだった?」
「とーっても甘くて美味しくて、いっぱい飲めて幸せだったよ。あっ、もちろん砂糖の甘さじゃないからね。他に変な味はしなかったから、大切なお兄ちゃんの健康状態に問題は無いよ」
「なら良かった」
「ところで~...」

 ルーンはそう言いかけて、上体を起こす。

「おはようっ、ミラ!」

 元気よくミラに対して挨拶をしたルーンを見て、俺も「やはりか...」という思いだった。
 ルーンが脱がした辺りから、なんとなく気配は感じていたが、止めるわけにもいかず、面倒なのでそのままにしておいた。
 俺は覚悟を決めてミラリオに顔を向けると、これ以上ないぐらい耳まで真っ赤にして、俺の左脇辺りに顔を埋めている。

「おはよう、ミラ。ところでいつから起きてた?」
「...お、おはようございますっ。お兄様、ルーン...。あの...ルーンが部屋に戻って来た辺りから...」

 ...そんな前からなのかよ。
 一部始終見られてるじゃん。

 約3年間一緒に暮らしてはいたが、さすがにこんな場面をすぐ傍で見られたからには、引かれたかな、不安に思われたかな、と考えていたが、杞憂だった。

「...ルーン。ずるいです...私もお兄様の...飲みたい、です...」

 消え入りそうな声で呟いて、ガバっと上体を起こしベッドから降りて、赤い顔のままパタパタと部屋を出て行く。

 ...さっきも見たなこれ。

 ルーンはまた寝転び、右側から俺に抱きついて、にまにまと笑顔を見せている。
 1分も経たない内にミラリオが部屋に戻り、ベッドの上に勢いよく戻る。
 両腕を使って俺の左腕を抱きしめ、俺の唇に自分の唇を合わせた。

「んむ...おひーひゃは...。ん...」

 ...ミントのような香りと味がする。

 その状態のまま20分以上、ミラリオが満足するまで濃厚なキスは続いた。


 体液を取り込んで能力が上昇したルーンとミラリオによって、朝食の準備があっという間に終わった。
 朝食後の片付けも、ルーンによってあっという間に終わってしまった。
 時刻は午前7時、少し過ぎ。

 今朝の衝撃的なイベントもあってか、ミラリオは居間でポツリと呟いた。

「やっぱり、お兄様とルーンは...夫婦だし、その...愛し合っているんですね...」

 寂しそうな顔をしてポツリと呟くミラリオ。
 約3年前ではその辺の知識は無かっただろうが、時間が経って俺が思っているよりも遥かに成長して、知識が充分に備わっていた。
 俺はミラリオをそんな顔にさせていることが辛くて、優しく話し掛けた。

「ミラ。確かにルーンは俺の妻だ。そして愛し合っている。だが、もしミラが良ければだが...。ミラリオも俺の妻になってくれないか?」
「ミラ!二人で一緒に、妻としてお兄ちゃんのお世話をしよっ!ミラがお兄ちゃんの妻になってくれたら、私も嬉しい...」

 俺とルーンの言葉に対し、ミラリオは驚いた表示で俺を見つめ、またポツリと呟いた。

「...こんな私でも、お兄様の妻になれますか...?」
「勿論だ。ミラ、約3年間ずっと傍にいて分かったよ...お前が居てくれてどれだけ助かったか。そして、俺はミラが好きなんだ。好きな人は妻として俺の傍に居て欲しいし、愛し合いたい。...頼めるか?」

 間髪入れずに返事した俺に対して、ミラリオもまた瞬時に返答していた。

「はいっ!もちろんです!!私もお兄様が大好きです!牢屋から出してくれた、あの日からずっと...大好きです。私を、お兄様の妻にしてください!」

 花が咲いたように満面の笑顔を見せ、喜ぶミラリオ。
 傍にいたルーンはミラリオを抱きしめて、一緒に喜んでいる。

「良かった!ミラも今日から私と同じ、お兄ちゃんの妻だね!!もうメイドじゃなくて妻になるんだよっ!あっ、でもミラはメイド兼妻の方が嬉しいかな?」
「うんっ!お兄様の妻になっても、お兄様のメイドとして傍に居ます!」
「ミラ、正式な形のものは別日でやろう。指輪を用意してな。...だがルーンが言った通り、今日から俺の妻になったことは間違いない。妻になったからには、1つだけ約束して欲しい」
「...お兄様、なんでしょう?」
「自分の体を大事にしてくれ」
「...はい。では私も、お兄様のメイド兼妻として、お兄様に約束して欲しいことがあります」
「...なんだ?」
「お兄様も、ご自分の体を大切にしてください!」

 ...ここから西方の海を渡った先にある、治安の良い国。
 およそ100年程前にその国で、俺に対して同じ事を言った妻がいる。

「お兄ちゃん...ミラも私もお兄ちゃんが一番大切なんだから、当然でしょ」

 ルーンはミラに抱きつきながら、ミラに負けない笑顔を俺に見せて、そう言った。

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