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第一章 狼の少女
59.戻り旅
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ウィラルの街へ向けて、ワイバーン便に搭乗した俺達は、メイヴェリア王国領内の上空を飛んでいる。
忘れない内に支払いを済ませておこうかと、俺は財布に手を突っ込み、金貨10枚を取り出す。
それをティルに差し出して、笑顔で告げた。
「ティル、遅くなってごめん。これが護衛の依頼料」
ティルは金貨を受け取って言った。
「ありがとう」
あれだけの大金が手に入ったんだ、たった10枚ってのは少なく感じるな。
ティルにはずっと警戒してもらってたし、もっと支払ってもいいよな。
「ティル、ほんとに10枚でいいのか?なんなら30枚でも50枚でもいいぞ」
「大丈夫よ。当初の契約通り、金貨10枚を確かに受け取ったわ」
「でもあれだけの大金が手に入ったんだし、ティルの働きを考えたらもっと払って然るべき...」
「それはダメ」
「...わかった。じゃこうしよう。今の契約期間では、ウィラルに戻って来るまでだったけど、新しく契約しよう」
新しい契約なら納得なのか、ティルが聞いてきた。
「内容は?」
「ウィラルのワイバーン発着場から、俺達が無事ウィラルを出て、少しの間まで護衛してくれ。ウィラルに着いてから食料や道具を買い込んで、すぐにウィラルを出る予定だけど、その間の護衛が必要なんだ」
ガシュレット本人か、ガシュレットが手配した賊が襲ってくるかもしれない。
森に入ってしばらく歩くまでは、護衛は必要だよな。
ティルはその意図を汲んでくれて、引き受けてくれた。
「...引き受けるわ」
「ああ、じゃあ金貨10枚で...」
「5枚よ」
「わかった」
俺は、もう5枚の金貨をティルに渡した。
ワイバーンは途中のクレジュ村で一旦休憩し、また三人でトイレに行って少し休憩し、再び飛び立った。
特に問題も無く、ウィラルの街に着陸する。
時刻は18時前頃。
ガシュレットの手先が待ち構えてるかと思ったが...特に怪しいやつはいないか。
まあ無事森に入るまでは、油断できないな。
ティルに護衛してもらいながら、食料と道具を買い込む。
道具といっても当然ガシュレットの道具屋は避けて、別の雑貨店などで必要な物を買い込んだ。
必要な物を買い込み、いつでもウィラルを発つ準備が整った。
よし、一応ギルコードさんに、もう一度お礼を言っておくか。
三人で鍛冶屋に寄ったが、店は開いてなかった。
どうも店内に人の気配は無く、物音ひとつしない。
まあ留守ならしょうがないか。
他にやり残したことは無かったかな。
念の為にルーンにも確認する。
「ルーン、他にやり残したことあるか?」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
「よし、じゃあ帰るか。ティル、西の森に入って少しの間だけ、尾行されてないか注意深く探ってくれるか?」
「西の森を歩くのね?わかったわ」
俺達はウィラルの北門から出て、西に歩いていく。
時刻は20時前頃、辺りは真っ暗になっていた。
街道を外れ、森に向かってまっすぐ進む。
尾行してるやつは...いるのかな。
正直、俺の耳には何も聞こえん。
森に入って5分程歩き、ティルに近づいて耳元で話す。
「おいティル...尾行の気配はあるか?」
「ちょっと待って」
ティルは後ろを振り向いて、闇を凝視して集中している。
邪魔にならないよう、物音を立てないようにしないとな...。
俺とルーンは、極めて静かに腰を降ろして休憩する。
気配を探っていたティルが、俺に近づいて小声で報告してくれた。
「二人...たぶん武装してる」
...懲りずにまた来たのか。
もう森に入ってしまってるし、撒くことは容易だな。
ティルに伝えて、後は『狂戦士』を使って走るか。
俺は、こしょこしょと小声で会話を続けた
「ティル、護衛ありがとな。もうここで大丈夫だ」
「わかったわ。じゃあ後ろの二人を始末しておくから」
「わざわざ戦闘しなくても...、このまま逃げても大丈夫だぞ」
「どこまで追って来るかわからないわ。ここで仕留めておいたほうがいい」
「じゃあせめて俺も手伝うよ」
「ダメ。前も言ったけど、一人でやったほうが確実に仕留められるから」
どうもティルは、戦闘において一人だとかなりの制圧力があるようだった。
ティルは気を遣ってるわけではなさそうだな。
だったら、尾行者の始末をティルに任せて、このまま行くか。
最後まで甘えることになるが...。
まあこの感じだと、闇夜の戦闘はお手の物なんだろう。
よし、今後ティルとコンタクトを取る方法を聞いておくか。
「...またティルに依頼したい時は、どこに行ったらいい?」
「王都のギルドで、『黒猫に依頼したい』と言えば会えるわ」
「わかった。いろいろありがとう」
俺は笑顔で言って、ティルをぎゅっとハグする。
ティルは、闇夜でもわかるほど、顔を赤くして答えた。
「...楽な依頼で稼がせてもらったわ。また会いましょ」
「ああ、またな」
傍で聞いていたルーンも、小声でお礼を言った。
「ティルさん、お兄ちゃんを守ってくれてありがとう」
「ルーンもまた王都に来てね」
「...はい」
俺はルーンの手を引いて、小走りで駆け出した。
すぐに後ろの音は聞こえなくなり、後のことはわからなかった。
まあティルなら大丈夫だろう。
それより走らないと。
ほんの2分程走り、立ち止まってルーンに告げる。
「ルーン、俺がお前を抱えて走る。しっかり捕まってろよ」
今着ている物はボロボロの服だったので、服の破損を惜しまずに『狂戦士』の力を使う。
すぐに荷物ごとルーンを抱え上げる。いわゆるお姫様抱っこの体勢になった。
手足が肥大化し、獣のような外見になり、服が破れ始める。
ルーンがぎゅっと俺に抱きついて、はっきりと呟いた。
「無理しないでね、お兄ちゃん!」
「ああ!」
俺はそう言って、飛び出すように大地を蹴って走り出した。
10分程走り続けた後、ルーンを地面に降ろし、『狂戦士』の力を解除して座り込む。
疲れ果てた俺は、地面に寝転んだ。
「はぁ...はぁ...」
すぐにルーンが近づいて、俺の頭を自分の膝に乗せる。
視覚や知覚等が強化されていた為、枝や葉に当たって怪我をすることは無かったが、とにかく疲れた。
ルーンが優しく、俺のおでこを撫でながら聞いた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「あぁ...。なんとか...」
俺は目を閉じて、息も絶え絶えで返事をした。
走った時間が10分程とはいえ、歩いて2~3時間程の距離は進んでいた。
若干北側寄りに走ってみたが...。
万が一誰かが追って来ていても、俺達が今いる場所を特定するのは不可能だろう。
とりあえずこのままルーンの膝で休んで、そこから北寄りに歩いて帰るか。
「はぁ...疲れた。ルーン、少し休んだら北寄りに歩いて帰るぞ」
「はーい」
ルーンは笑顔で可愛く返事をした。俺と二人きりになって嬉しそうだった。
俺は安心して目を閉じて、物音に集中しつつ、体を休めた。
30分程だろうか、いつのまにか寝てしまっていた。
目を開けるとルーンの顔が見える。後頭部に柔らかい膝の感触がある。
ルーンはずっと俺の頭を優しく撫でてくれていた。
俺はルーンに声を掛けて起き上がった。
「ルーン、ありがとな。もう大丈夫だ」
体の具合を確認するが、歩く分には問題無さそうだった。
ルーンは心配そうに念を押して聞いてくる。
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫だって、ほら」
そう言って、結構裸に近い状態で、ルーンをぎゅーっと抱きしめる。
ルーンは赤くなって呟く。
「わっ...ほんとだ...。お兄ちゃん、元気になってよかった...」
顔を赤くしながらも、可愛い笑顔を見せるルーンに、俺は告げた。
「よし、念のためもう少し歩くか」
「うん!」
それから二人でしばらく歩いた後、テントを張ってその日は休んだ。
そして、翌日は家に向かってルーンと二人で歩いた。
川沿いに歩き、二人で汗を流したり、トイレに利用したりと、行きと同じようにイチャイチャしながら進み、二人でゆっくりと家までの旅を楽しんだ。
夜になり、家の傍まで近づき、見慣れた景色が視界に入る。
たった数日だったが、妙に長く感じたな。
だが、やっと帰って来れた。
家の前に到着し、ルーンに声を掛けた。
「ルーン、お疲れ様」
「お兄ちゃんと一緒に、無事に帰ることが出来てよかったぁ...」
「いろいろ心配かけてごめんな」
「私も頼りなくてごめんなさい。お兄ちゃんが安心出来るように、もっと強くなるから!」
「まあ時間はあるから、魔法を覚えたり、色々やっていこうぜ」
「うんっ!」
俺はルーンの手を引いて家に入った。
家の中は、出発した時と同じ姿で何も変わっておらず、俺とルーンは安心して腰を下ろした。
忘れない内に支払いを済ませておこうかと、俺は財布に手を突っ込み、金貨10枚を取り出す。
それをティルに差し出して、笑顔で告げた。
「ティル、遅くなってごめん。これが護衛の依頼料」
ティルは金貨を受け取って言った。
「ありがとう」
あれだけの大金が手に入ったんだ、たった10枚ってのは少なく感じるな。
ティルにはずっと警戒してもらってたし、もっと支払ってもいいよな。
「ティル、ほんとに10枚でいいのか?なんなら30枚でも50枚でもいいぞ」
「大丈夫よ。当初の契約通り、金貨10枚を確かに受け取ったわ」
「でもあれだけの大金が手に入ったんだし、ティルの働きを考えたらもっと払って然るべき...」
「それはダメ」
「...わかった。じゃこうしよう。今の契約期間では、ウィラルに戻って来るまでだったけど、新しく契約しよう」
新しい契約なら納得なのか、ティルが聞いてきた。
「内容は?」
「ウィラルのワイバーン発着場から、俺達が無事ウィラルを出て、少しの間まで護衛してくれ。ウィラルに着いてから食料や道具を買い込んで、すぐにウィラルを出る予定だけど、その間の護衛が必要なんだ」
ガシュレット本人か、ガシュレットが手配した賊が襲ってくるかもしれない。
森に入ってしばらく歩くまでは、護衛は必要だよな。
ティルはその意図を汲んでくれて、引き受けてくれた。
「...引き受けるわ」
「ああ、じゃあ金貨10枚で...」
「5枚よ」
「わかった」
俺は、もう5枚の金貨をティルに渡した。
ワイバーンは途中のクレジュ村で一旦休憩し、また三人でトイレに行って少し休憩し、再び飛び立った。
特に問題も無く、ウィラルの街に着陸する。
時刻は18時前頃。
ガシュレットの手先が待ち構えてるかと思ったが...特に怪しいやつはいないか。
まあ無事森に入るまでは、油断できないな。
ティルに護衛してもらいながら、食料と道具を買い込む。
道具といっても当然ガシュレットの道具屋は避けて、別の雑貨店などで必要な物を買い込んだ。
必要な物を買い込み、いつでもウィラルを発つ準備が整った。
よし、一応ギルコードさんに、もう一度お礼を言っておくか。
三人で鍛冶屋に寄ったが、店は開いてなかった。
どうも店内に人の気配は無く、物音ひとつしない。
まあ留守ならしょうがないか。
他にやり残したことは無かったかな。
念の為にルーンにも確認する。
「ルーン、他にやり残したことあるか?」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
「よし、じゃあ帰るか。ティル、西の森に入って少しの間だけ、尾行されてないか注意深く探ってくれるか?」
「西の森を歩くのね?わかったわ」
俺達はウィラルの北門から出て、西に歩いていく。
時刻は20時前頃、辺りは真っ暗になっていた。
街道を外れ、森に向かってまっすぐ進む。
尾行してるやつは...いるのかな。
正直、俺の耳には何も聞こえん。
森に入って5分程歩き、ティルに近づいて耳元で話す。
「おいティル...尾行の気配はあるか?」
「ちょっと待って」
ティルは後ろを振り向いて、闇を凝視して集中している。
邪魔にならないよう、物音を立てないようにしないとな...。
俺とルーンは、極めて静かに腰を降ろして休憩する。
気配を探っていたティルが、俺に近づいて小声で報告してくれた。
「二人...たぶん武装してる」
...懲りずにまた来たのか。
もう森に入ってしまってるし、撒くことは容易だな。
ティルに伝えて、後は『狂戦士』を使って走るか。
俺は、こしょこしょと小声で会話を続けた
「ティル、護衛ありがとな。もうここで大丈夫だ」
「わかったわ。じゃあ後ろの二人を始末しておくから」
「わざわざ戦闘しなくても...、このまま逃げても大丈夫だぞ」
「どこまで追って来るかわからないわ。ここで仕留めておいたほうがいい」
「じゃあせめて俺も手伝うよ」
「ダメ。前も言ったけど、一人でやったほうが確実に仕留められるから」
どうもティルは、戦闘において一人だとかなりの制圧力があるようだった。
ティルは気を遣ってるわけではなさそうだな。
だったら、尾行者の始末をティルに任せて、このまま行くか。
最後まで甘えることになるが...。
まあこの感じだと、闇夜の戦闘はお手の物なんだろう。
よし、今後ティルとコンタクトを取る方法を聞いておくか。
「...またティルに依頼したい時は、どこに行ったらいい?」
「王都のギルドで、『黒猫に依頼したい』と言えば会えるわ」
「わかった。いろいろありがとう」
俺は笑顔で言って、ティルをぎゅっとハグする。
ティルは、闇夜でもわかるほど、顔を赤くして答えた。
「...楽な依頼で稼がせてもらったわ。また会いましょ」
「ああ、またな」
傍で聞いていたルーンも、小声でお礼を言った。
「ティルさん、お兄ちゃんを守ってくれてありがとう」
「ルーンもまた王都に来てね」
「...はい」
俺はルーンの手を引いて、小走りで駆け出した。
すぐに後ろの音は聞こえなくなり、後のことはわからなかった。
まあティルなら大丈夫だろう。
それより走らないと。
ほんの2分程走り、立ち止まってルーンに告げる。
「ルーン、俺がお前を抱えて走る。しっかり捕まってろよ」
今着ている物はボロボロの服だったので、服の破損を惜しまずに『狂戦士』の力を使う。
すぐに荷物ごとルーンを抱え上げる。いわゆるお姫様抱っこの体勢になった。
手足が肥大化し、獣のような外見になり、服が破れ始める。
ルーンがぎゅっと俺に抱きついて、はっきりと呟いた。
「無理しないでね、お兄ちゃん!」
「ああ!」
俺はそう言って、飛び出すように大地を蹴って走り出した。
10分程走り続けた後、ルーンを地面に降ろし、『狂戦士』の力を解除して座り込む。
疲れ果てた俺は、地面に寝転んだ。
「はぁ...はぁ...」
すぐにルーンが近づいて、俺の頭を自分の膝に乗せる。
視覚や知覚等が強化されていた為、枝や葉に当たって怪我をすることは無かったが、とにかく疲れた。
ルーンが優しく、俺のおでこを撫でながら聞いた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「あぁ...。なんとか...」
俺は目を閉じて、息も絶え絶えで返事をした。
走った時間が10分程とはいえ、歩いて2~3時間程の距離は進んでいた。
若干北側寄りに走ってみたが...。
万が一誰かが追って来ていても、俺達が今いる場所を特定するのは不可能だろう。
とりあえずこのままルーンの膝で休んで、そこから北寄りに歩いて帰るか。
「はぁ...疲れた。ルーン、少し休んだら北寄りに歩いて帰るぞ」
「はーい」
ルーンは笑顔で可愛く返事をした。俺と二人きりになって嬉しそうだった。
俺は安心して目を閉じて、物音に集中しつつ、体を休めた。
30分程だろうか、いつのまにか寝てしまっていた。
目を開けるとルーンの顔が見える。後頭部に柔らかい膝の感触がある。
ルーンはずっと俺の頭を優しく撫でてくれていた。
俺はルーンに声を掛けて起き上がった。
「ルーン、ありがとな。もう大丈夫だ」
体の具合を確認するが、歩く分には問題無さそうだった。
ルーンは心配そうに念を押して聞いてくる。
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫だって、ほら」
そう言って、結構裸に近い状態で、ルーンをぎゅーっと抱きしめる。
ルーンは赤くなって呟く。
「わっ...ほんとだ...。お兄ちゃん、元気になってよかった...」
顔を赤くしながらも、可愛い笑顔を見せるルーンに、俺は告げた。
「よし、念のためもう少し歩くか」
「うん!」
それから二人でしばらく歩いた後、テントを張ってその日は休んだ。
そして、翌日は家に向かってルーンと二人で歩いた。
川沿いに歩き、二人で汗を流したり、トイレに利用したりと、行きと同じようにイチャイチャしながら進み、二人でゆっくりと家までの旅を楽しんだ。
夜になり、家の傍まで近づき、見慣れた景色が視界に入る。
たった数日だったが、妙に長く感じたな。
だが、やっと帰って来れた。
家の前に到着し、ルーンに声を掛けた。
「ルーン、お疲れ様」
「お兄ちゃんと一緒に、無事に帰ることが出来てよかったぁ...」
「いろいろ心配かけてごめんな」
「私も頼りなくてごめんなさい。お兄ちゃんが安心出来るように、もっと強くなるから!」
「まあ時間はあるから、魔法を覚えたり、色々やっていこうぜ」
「うんっ!」
俺はルーンの手を引いて家に入った。
家の中は、出発した時と同じ姿で何も変わっておらず、俺とルーンは安心して腰を下ろした。
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