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4 家族になりたい
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学園でダニエルさんの行動を見るようにしたら、最近は毎日のように来ているようで会うことができた。
といっても彼は僕に気づかない。
いつも女の子が一緒だ。女の子はダニエルさんに甘えるように腕を組んでいる。
羨ましい。彼と腕を組んだら、どれだけ僕は楽になれるだろうか。
彼は体が元気なはずなのに、授業にでない。友達と空き教室を一つたまり場にして、そこで過ごしている。
どうしてかな。勉強や運動ができる体なのにもったいない。
でも友達がいるなんて羨ましい。
ずっと見るようにしてたら、彼がたまり場で女生徒と二人で入ると、なんだか変な声が聞こえてくる。
好きとかもっととか。ダニエルさんの声は聞こえないけど。
ダニエルさんは顔がよくてスタイルがいいから、後から後から彼とつきあいたい人がやってくる。
ちなみにダニエルさんは少し長めで肩に流れている黒髪に青い空の瞳だ。
体も一見細いのに近づくと逞しいのがわかる。大きいけど切れ長の目で、鼻梁が高くて、薄い唇も形がいい。
見ているだけでうっとりするくらい顔が整っている。ちょっと悪い感じも魅力的だ。
もしかして彼は僕の魔力閉鎖症だけじゃなく、ありとあらゆる体の魔力の不具合を緩和するセラピストみたいな体の持ち主なのだろうか。目からも癒されるし。
それならこれだけの人気も理解できる。
僕の家族になってくれないかな。
「ダニエルさん。僕の家族になってください」
部屋から出てきて、食事をとりに行くだろうダニエルさんを捕まえる。
さりげなく、服の袖をつかむ。このままちょっと肌に触れないかな? って偶然を期待している。
彼の周りにいる人たちは、大爆笑している。「なんだダニエル、子供がいたのか」とか「ダニエルおまえ、ついに子供も範囲になったのか」「家族だって、そういうプレイ?」と笑っている。
なぜ子供? 僕はハテナ? と思いながら、彼に思いを告げた。
「プロボーズされてるぜ」
「やばいー」と笑われている。
彼は眉根を寄せて「子供は趣味じゃない」と言ってくる。
「僕子供じゃありません。この学園の生徒です。あなたの一学年下のリル ラ ブラウケッシュといいます」
「ブラウケッシュだって。あのブラウケッシュかよ」と周りが言う。
「あの滅多に姿を見せない白百合がどうのっていう、思ったより子供だけど確かに可愛い顔しているな」
「確かに男でもこれくらいだとできるな」とにやにやしている。
僕自身は地味だけど、一族が有名なのと、父様の財力がすごいので有名なのかな。
「おまえんち伯爵のか」
「はい僕の家はブラウケッシュ伯爵です」
少しでもアピールになるのであれば家門の名前を言うのも厭わない。
「玉の輿じゃねーか」周りは騒ぐが、彼にとっては魅力は何一つないみたいで、「子供は趣味じゃない」と嫌そうな顔をする。
僕を睥睨し「しっつこいやつはもっと嫌いだ」と彼はどこかに行ってしまった。
ローサンに今日の出来事を言うと、「リルを振るとは許さん」とか震えながら怒っている。
それより重要なことが「僕ってそんなに子供っぽい? 子供とか言われたんだけど」僕はプンプン怒っていう。
ローサンは、さっきまで怒ってたのに、同調してくれなかった。なぜ?
「まあ、仕方ないな。お前は箱入り息子だから」そんな子、他にもたくさんいるよね?
「おれがもらってやるからな」ぽんぽんと慈しむみたいな目で頭を緩く叩かれる。
なんの否定にもなっていない。
僕はわかった。魔力閉鎖症のため、魔力が詰まりやすく、その分も成長も遅い。
だから魔力閉鎖症の症状が軽快すれば、もしかして僕の身長もぐんっと伸びて大人ぽくなるんじゃないかな。
ローサンにそれを言うと生温い目で見られた。
といっても彼は僕に気づかない。
いつも女の子が一緒だ。女の子はダニエルさんに甘えるように腕を組んでいる。
羨ましい。彼と腕を組んだら、どれだけ僕は楽になれるだろうか。
彼は体が元気なはずなのに、授業にでない。友達と空き教室を一つたまり場にして、そこで過ごしている。
どうしてかな。勉強や運動ができる体なのにもったいない。
でも友達がいるなんて羨ましい。
ずっと見るようにしてたら、彼がたまり場で女生徒と二人で入ると、なんだか変な声が聞こえてくる。
好きとかもっととか。ダニエルさんの声は聞こえないけど。
ダニエルさんは顔がよくてスタイルがいいから、後から後から彼とつきあいたい人がやってくる。
ちなみにダニエルさんは少し長めで肩に流れている黒髪に青い空の瞳だ。
体も一見細いのに近づくと逞しいのがわかる。大きいけど切れ長の目で、鼻梁が高くて、薄い唇も形がいい。
見ているだけでうっとりするくらい顔が整っている。ちょっと悪い感じも魅力的だ。
もしかして彼は僕の魔力閉鎖症だけじゃなく、ありとあらゆる体の魔力の不具合を緩和するセラピストみたいな体の持ち主なのだろうか。目からも癒されるし。
それならこれだけの人気も理解できる。
僕の家族になってくれないかな。
「ダニエルさん。僕の家族になってください」
部屋から出てきて、食事をとりに行くだろうダニエルさんを捕まえる。
さりげなく、服の袖をつかむ。このままちょっと肌に触れないかな? って偶然を期待している。
彼の周りにいる人たちは、大爆笑している。「なんだダニエル、子供がいたのか」とか「ダニエルおまえ、ついに子供も範囲になったのか」「家族だって、そういうプレイ?」と笑っている。
なぜ子供? 僕はハテナ? と思いながら、彼に思いを告げた。
「プロボーズされてるぜ」
「やばいー」と笑われている。
彼は眉根を寄せて「子供は趣味じゃない」と言ってくる。
「僕子供じゃありません。この学園の生徒です。あなたの一学年下のリル ラ ブラウケッシュといいます」
「ブラウケッシュだって。あのブラウケッシュかよ」と周りが言う。
「あの滅多に姿を見せない白百合がどうのっていう、思ったより子供だけど確かに可愛い顔しているな」
「確かに男でもこれくらいだとできるな」とにやにやしている。
僕自身は地味だけど、一族が有名なのと、父様の財力がすごいので有名なのかな。
「おまえんち伯爵のか」
「はい僕の家はブラウケッシュ伯爵です」
少しでもアピールになるのであれば家門の名前を言うのも厭わない。
「玉の輿じゃねーか」周りは騒ぐが、彼にとっては魅力は何一つないみたいで、「子供は趣味じゃない」と嫌そうな顔をする。
僕を睥睨し「しっつこいやつはもっと嫌いだ」と彼はどこかに行ってしまった。
ローサンに今日の出来事を言うと、「リルを振るとは許さん」とか震えながら怒っている。
それより重要なことが「僕ってそんなに子供っぽい? 子供とか言われたんだけど」僕はプンプン怒っていう。
ローサンは、さっきまで怒ってたのに、同調してくれなかった。なぜ?
「まあ、仕方ないな。お前は箱入り息子だから」そんな子、他にもたくさんいるよね?
「おれがもらってやるからな」ぽんぽんと慈しむみたいな目で頭を緩く叩かれる。
なんの否定にもなっていない。
僕はわかった。魔力閉鎖症のため、魔力が詰まりやすく、その分も成長も遅い。
だから魔力閉鎖症の症状が軽快すれば、もしかして僕の身長もぐんっと伸びて大人ぽくなるんじゃないかな。
ローサンにそれを言うと生温い目で見られた。
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