10 / 10
現執着ヤンデレ先輩なのでじっとり可愛がります
6
しおりを挟む
後、心配ごとはあの件だけだった。
直接聞くか悩んだがやめた。リゲルが言わないかもしれないし、言ってくれたとしても、心の傷を抉りたくない。
正直にいうと私以外にどんなことでも執着してほしくない。
僕は秘密裏に自室に医師を呼び、リゲルを催眠状態にして、リゲルの秘密を暴き出した。
話された内容は貴族であれば、あるかも知れないといった内容だったが、僕には衝撃だった。
前世の僕が、前世のリゲルと結婚して、部屋に閉じ込めて誰とも触れ合わせず縛り付け、何かと言いがかりを言っては犯していたといった内容だった。
そして前世のリゲルは前世の僕が大嫌いだったという。
どこから突っ込めばいいのかわからない。
リゲルはどれだけつまらなくて、辛い日々を送っていたか涙ながらに話す。
つまらない日々・・
催眠状態とはいえ心に秘めていたことを話したからか、リゲルは心なしかすっきりしているようだ。
聞いた僕は打ちのめされた。
偶然か、前世のリゲルの容姿は僕の以前のタイプと同じだった。しかし容姿は関係なく、生まれ変わりのリゲルを見つけ愛してしまったのか。
いや、僕もかなり毒されている。
僕がそいつとも限らない。
リゲルの話が本当とも限らない。
重要なのはリゲルがそう思っていることだった。
そいつの行動は今の僕でもやってしまいそうなことだった。
何にもないところでも転けるリゲルだ。
こないだの狩でもそうだが、学園のはずれの比較的安全な森で、崖から転げ落ちたのはリゲルだけだ。怖くて一人では外に出せない。
それに不思議な魅力のある可愛いリゲルを、社交界の魑魅魍魎のいる所には行かせられないとも思っていた。
仕事なんてする必要はないし、家で僕だけのことを考えて、僕を待っていてくれればいいと思っていた。
社交の件は別として、伴侶とはそういうものだと僕は思っていた。
どちらにしろ、そいつが本当に前世の僕だとしても許せない。
いまのリゲルは僕のものなのに、リゲルの心にそいつが傷をつけていることが、許せない。
催眠療法でその記憶を消せないか医師に相談する。心の鬱憤を晴らし、現実の僕との生活が充実すればその可能性はあると言う。
催眠療法を続けながら、起きている時はひたすらリゲルが今を楽しめるように関わる。僕といたら楽しいと思えるように。
リゲルの記憶は僕だけでよい。この顔を見て思い出すのも、優しい僕だけでよい。
徐々に催眠状態でもリゲルは近況をいうようになってきた。
あえて医師が「前世の夫はなんていうかな」と聞いても「わからない」と言うようになった。
聞いてもいないのに幸せそうな顔で「先輩ならこういいます」と言ったときに、僕はそいつ、アーサー アグレンに勝ったと思った。
リゲルの心は僕の物になった。僕のことを気にかけて僕のことだけを考えればいい。
大切にしよう。必ず。
副会長のサラナスがリゲルの前にいる時だけ、やけに僕に絡んでくると思っていた。リゲルはそれを見て悲しそうな顔をしている。
一部で僕とサラナスが付き合っている、と言われていたが気にもしていなかった。
サラナスの好みはゴリゴリマッチョを泣かして犯すことだ。僕はあいつのタイプじゃなくて心底よかったと思っている。
リゲルも僕とサラナスが付き合っていると誤解をしていると報告を受ける。だからあんな表情をしていたのか。
サラナスに、噂を知っているかと聞くと、「もちろん。僕いい仕事するでしょ?」とドヤ顔だったので気に障ったが、確かにリゲルの可愛いヤキモチには悶える。
随分それで楽しませてもらった。
一年たって同室でなくなる頃、僕はリゲルに告白した。
リゲルは真っ赤になって、嬉しいと顔は言っているのになかなか頷かない。
「サラナス先輩とつきあってないんですか」と悲しそうに言ってくる。まったく付き合っていない、噂にも辟易していたことを伝えると、リゲルはパッと表情を明るくして、承諾してくれた。
リゲルは「嬉しいです。僕も先輩が好きです」と言ってくれた。
しばらくしてリゲルの両親にも付き合っていることを報告しに行くと言ってくれた。
リゲルは、母親から実は僕から結婚を前提に付き合っていいか先に許可をもらっていたと聞かされて、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「先輩好きです」と背伸びしてぼくの頬にキスをしてくれる。あー初めてリゲルからキスをしてくれた。
「ずっと一緒にいようね」
僕は敢えてそのワードをいう。リゲルが催眠状態で、前世のことを話していた時に、「ずっと一緒にいようねっていいながら、おれを縛り付けた」と辛そうに言っていたことが、ふと思い出したからだ。
リゲルの顔が曇った。何かを思い出しているのか。
思考が止まっているような目。睡眠状態に入ったときのような顔をしている。
「リゲル」優しく名前を呼ぶ。リゲルはハッと僕の顔を見るとニコッと笑った。霧が晴れたような顔で返事をくれる。
「はい」
僕は至極満足の笑みを浮かべた。
それから僕らは互いに嫉妬したり、束縛したり、許したりして、結局僕の側近になったサラナスにはバカップル扱いされるのだった。
直接聞くか悩んだがやめた。リゲルが言わないかもしれないし、言ってくれたとしても、心の傷を抉りたくない。
正直にいうと私以外にどんなことでも執着してほしくない。
僕は秘密裏に自室に医師を呼び、リゲルを催眠状態にして、リゲルの秘密を暴き出した。
話された内容は貴族であれば、あるかも知れないといった内容だったが、僕には衝撃だった。
前世の僕が、前世のリゲルと結婚して、部屋に閉じ込めて誰とも触れ合わせず縛り付け、何かと言いがかりを言っては犯していたといった内容だった。
そして前世のリゲルは前世の僕が大嫌いだったという。
どこから突っ込めばいいのかわからない。
リゲルはどれだけつまらなくて、辛い日々を送っていたか涙ながらに話す。
つまらない日々・・
催眠状態とはいえ心に秘めていたことを話したからか、リゲルは心なしかすっきりしているようだ。
聞いた僕は打ちのめされた。
偶然か、前世のリゲルの容姿は僕の以前のタイプと同じだった。しかし容姿は関係なく、生まれ変わりのリゲルを見つけ愛してしまったのか。
いや、僕もかなり毒されている。
僕がそいつとも限らない。
リゲルの話が本当とも限らない。
重要なのはリゲルがそう思っていることだった。
そいつの行動は今の僕でもやってしまいそうなことだった。
何にもないところでも転けるリゲルだ。
こないだの狩でもそうだが、学園のはずれの比較的安全な森で、崖から転げ落ちたのはリゲルだけだ。怖くて一人では外に出せない。
それに不思議な魅力のある可愛いリゲルを、社交界の魑魅魍魎のいる所には行かせられないとも思っていた。
仕事なんてする必要はないし、家で僕だけのことを考えて、僕を待っていてくれればいいと思っていた。
社交の件は別として、伴侶とはそういうものだと僕は思っていた。
どちらにしろ、そいつが本当に前世の僕だとしても許せない。
いまのリゲルは僕のものなのに、リゲルの心にそいつが傷をつけていることが、許せない。
催眠療法でその記憶を消せないか医師に相談する。心の鬱憤を晴らし、現実の僕との生活が充実すればその可能性はあると言う。
催眠療法を続けながら、起きている時はひたすらリゲルが今を楽しめるように関わる。僕といたら楽しいと思えるように。
リゲルの記憶は僕だけでよい。この顔を見て思い出すのも、優しい僕だけでよい。
徐々に催眠状態でもリゲルは近況をいうようになってきた。
あえて医師が「前世の夫はなんていうかな」と聞いても「わからない」と言うようになった。
聞いてもいないのに幸せそうな顔で「先輩ならこういいます」と言ったときに、僕はそいつ、アーサー アグレンに勝ったと思った。
リゲルの心は僕の物になった。僕のことを気にかけて僕のことだけを考えればいい。
大切にしよう。必ず。
副会長のサラナスがリゲルの前にいる時だけ、やけに僕に絡んでくると思っていた。リゲルはそれを見て悲しそうな顔をしている。
一部で僕とサラナスが付き合っている、と言われていたが気にもしていなかった。
サラナスの好みはゴリゴリマッチョを泣かして犯すことだ。僕はあいつのタイプじゃなくて心底よかったと思っている。
リゲルも僕とサラナスが付き合っていると誤解をしていると報告を受ける。だからあんな表情をしていたのか。
サラナスに、噂を知っているかと聞くと、「もちろん。僕いい仕事するでしょ?」とドヤ顔だったので気に障ったが、確かにリゲルの可愛いヤキモチには悶える。
随分それで楽しませてもらった。
一年たって同室でなくなる頃、僕はリゲルに告白した。
リゲルは真っ赤になって、嬉しいと顔は言っているのになかなか頷かない。
「サラナス先輩とつきあってないんですか」と悲しそうに言ってくる。まったく付き合っていない、噂にも辟易していたことを伝えると、リゲルはパッと表情を明るくして、承諾してくれた。
リゲルは「嬉しいです。僕も先輩が好きです」と言ってくれた。
しばらくしてリゲルの両親にも付き合っていることを報告しに行くと言ってくれた。
リゲルは、母親から実は僕から結婚を前提に付き合っていいか先に許可をもらっていたと聞かされて、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「先輩好きです」と背伸びしてぼくの頬にキスをしてくれる。あー初めてリゲルからキスをしてくれた。
「ずっと一緒にいようね」
僕は敢えてそのワードをいう。リゲルが催眠状態で、前世のことを話していた時に、「ずっと一緒にいようねっていいながら、おれを縛り付けた」と辛そうに言っていたことが、ふと思い出したからだ。
リゲルの顔が曇った。何かを思い出しているのか。
思考が止まっているような目。睡眠状態に入ったときのような顔をしている。
「リゲル」優しく名前を呼ぶ。リゲルはハッと僕の顔を見るとニコッと笑った。霧が晴れたような顔で返事をくれる。
「はい」
僕は至極満足の笑みを浮かべた。
それから僕らは互いに嫉妬したり、束縛したり、許したりして、結局僕の側近になったサラナスにはバカップル扱いされるのだった。
31
お気に入りに追加
174
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
平凡腐男子なのに美形幼馴染に告白された
うた
BL
平凡受けが地雷な平凡腐男子が美形幼馴染に告白され、地雷と解釈違いに苦悩する話。
※作中で平凡受けが地雷だと散々書いていますが、作者本人は美形×平凡をこよなく愛しています。ご安心ください。
※pixivにも投稿しています
おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話
こじらせた処女
BL
網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。
ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?
それはきっと、気の迷い。
葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ?
主人公→睦実(ムツミ)
王道転入生→珠紀(タマキ)
全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
俺をハーレムに組み込むな!!!!〜モテモテハーレムの勇者様が平凡ゴリラの俺に惚れているとか冗談だろ?〜
嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
無自覚モテモテ勇者×平凡地味顔ゴリラ系男子の、コメディー要素強めなラブコメBLのつもり。
勇者ユウリと共に旅する仲間の一人である青年、アレクには悩みがあった。それは自分を除くパーティーメンバーが勇者にベタ惚れかつ、鈍感な勇者がさっぱりそれに気づいていないことだ。イケメン勇者が女の子にチヤホヤされているさまは、相手がイケメンすぎて嫉妬の対象でこそないものの、モテない男子にとっては目に毒なのである。
しかしある日、アレクはユウリに二人きりで呼び出され、告白されてしまい……!?
たまには健全な全年齢向けBLを書いてみたくてできた話です。一応、付き合い出す前の両片思いカップルコメディー仕立て……のつもり。他の仲間たちが勇者に言い寄る描写があります。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ゲイバレした学年一のイケメンは、その日の放課後、陰キャで平凡な俺を犯した
しゅうじつ
BL
学年一のイケメン、玉木 宝一郎がゲイバレした。
学校中は大騒ぎするなか、ひとつの疑問が皆の頭に浮かぶ。
学年一のイケメン、玉木 宝一郎がが好きな相手は誰なのか。
その日の放課後、陰キャでゲームオタクの俺は偶然、そのイケメン玉木宝一郎と遭遇し、なぜか密室に閉じ込められ2人きりに。
陰キャで平凡のゲームオタクに、とてつもなく執着している美形くんのお話。
美形攻め×平凡受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
今後どうなるんでしょうか
楽しみです
ありがとうございます。これから話が進みますので楽しみにしてくださいね。