春の眠り猫は番犬の腕の中で微睡む

春福 幸は、その名前から幸せそうだ。福を呼びそうだと言われている。
 肌が白くて、髪が茶色くてふんわりとした雰囲気である。顔がひどく整っているとかではないが、大きめのたれ目に、小さな鼻、形のよい唇は桜色で、なんとなく笑って見えて、優しそうで触りたくなる。

 よく眠たくなって、ぽよぽよしているのも、ふんわりした雰囲気に拍車をかけている。

 「はるふく さち」という名前から、受験シーズンはわざわざ幸を拝みに来る人が多々いる。

 幼馴染の陽平には、小さい頃から、そんな幸を守ってきた。

 幸を守るために二人暮らしをはじめて、お互いが大好きな二人は、甘々エッチな毎日を過ごしている。
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