6 / 8
義弟王子が可愛いくて仕方がない、けなげな兄王子はとっくの前から絆されている
1
しおりを挟む
母が再婚で隣国のソレンティアに嫁ぐことが決まった時には、父と弟ができると聞いて、メルニアを去る悲しみより嬉しさの方が優っていた。
メルニア国は僕の生まれた国だ。8歳まで住んでいた。物心ついた時には父はすでに亡くなっていて、両親が揃っている従兄弟のエラルドが羨ましかったからだ。
ソレンティア国の王が新しい父だった。
弟の名前はセレス。6歳だけど僕と同じ背の高さか、少し大きい? 金髪に真っ青な瞳で、整った容姿にすっと伸びた姿勢も含めて何かオーラみたいな物を感じて特別だってすぐわかった。
王子だからかな。王弟を父に持っていた僕も殿下とは呼ばれていたけど、父がいなくなって僕の立場は中途半端だった。有力な後援者もおらず、王である叔父には王子がいるから、目立たず、かといってダメすぎず、そんな風に生きてきた僕は何もかも中途半端だ。
勉強も運動も。ちなみに剣も槍も下手だ。
だけどセレスは次期王様になると、みんなに大切にされ、尊敬されている。本人もそれ以上に努力して能力もある。
そんなセレスが僕をジッと優しく見つめてくるから、なんだか恥ずかしくて母のスカートに隠れてしまった。
そんな態度だったのに、セレスはさっと僕に手を差し伸べ「一緒に遊びましょう。兄様」と言ってくれた。
僕の視界がパーっと開けて、セレスの麗しい整った顔が輝いて見えた。
弟
僕を「兄様」と言って頼ってくれるたった一人の弟を大切にしよう。幼いながらそう心に誓った矢先に、寝るためにもう別々の部屋に行くと知って、僕はひどく寂しくなって泣いてしまった。駄々をこねて一緒にいたいと言ってしまった。
いつもはそんな我を通すことないのに。
母様も「あらあら」といって笑っていた。
※
セレスはとっくの前に僕より大きくなったけど、僕には甘えてくるから可愛くて仕方がない。
セレスは僕にいつもニコニコして優しい。
こんなに優しくて王さまになれるだろうか心配だ。
だから僕がセレスが悪い人に騙されたりしないように手伝ってあげなきゃ。
セレスにも王になった時に支えてほしいって言われているし。頼れるのは僕しかいないんだって。
それに多少の優越感もある。
こんなにも優秀でカッコいいセレスが、僕にしか本音を言えないし、僕にしか頼れない、僕の前でしか安心できないって言うんだ。
きっと王太子にしかわからない苦悩があるんだ。
僕は全力でセレスを支えたい。
僕の従兄弟も王太子だったけど、よく揶揄われて意地悪だった。よく喧嘩したな。
セレスとは全然違う。
セレスにあれを手伝ってって言われた時はびっくりした。最初は何かよくわからなかった。
いきなり触らされたり、セレスの綺麗だけど長くていきり勃っているものを口に入れられた時、切なそうに僕を見つめて、潤んだ目と上気した頬のセレスはびっくりするほど綺麗だった。
セレスが感じている姿に胸がドキドキする。
苦しかったし、吐きそうになったけどセレスが気持ちよくなってくれて良かった。
こんなセレスの姿を見たら世の中の人はみんなセレスをもっと好きになってしまう。だからこの任務は僕がしなきゃ。
だけどよくわからないんだ。どうやって何をすればセレスがもっと気持ちよくなるか。あれは閨に関することだと思う。
だから閨の本がないか、書庫で探すがどこにもない。
閨教育もないし、僕はどうしたらいいのかわからない。
こんなこと誰にも聞けないし。
※
「最近書庫によく行かれますが、お探しの本は見つからないのですか? 所望の本があればお探しするか、取り寄せしますよ」
何回も書庫に行くのに、見つけれず疲れてしまった。そんな様子を見て、一緒についてきた護衛のアンフィスに言われる。アンフィスは最近入った護衛だけど、まだ若くてお兄さんみたいな親近感がある。少なくとも、母が嫁ぐ前から僕の護衛をしているロンフィルより若い。
赤ちゃんの頃から僕を知っている昔からの護衛よりアンフィスの方が聞きやすいような。
どうしよう。聞いてみようか。
それにセレスにはきているアレは僕に来ないのは何でだろう。やっぱり僕の体が幼いからだろうか。
どうしよう。教えてくれるだろうか。
そんなことに興味があるって思われるだろうか。だけど誰にも聞けない!
僕はすごく悩んだけど、寝室まで来てからセレスのためだと思って、アンフィスの服を摘んだ。
身長の関係からどうしても上目遣いになってしまう。恥ずかしくて顔が真っ赤になる。声まで震えてしまう。
なんて言えばいいんだ?!
「あのね、あの・・・」
挙動不審になってしまう。
僕はろくにはっきり話せないのに、アンフィスはずっと僕の顔を見つめて、真剣に聞いてくれてる。
きっとアンフィスなら僕が何も知らなくても馬鹿にしない。
僕はつま先立ちになると、アンフィスの服を掴みながら、アンフィスの耳に顔寄せた。
誰もいないからこさまでする必要はないけど、万が一も聞かれないように。
だけど身長差と体格差があって全然届かない。察したアンフィスが僕が倒れないよう僕の腰に手を回して支えてくれながら、膝を折り耳を僕の顔に寄せてくれた。
アンフィスは本当によく気がつく。アンフィスの耳も心なしか赤い。
「アンフィス」ありがとうって言おうとしたら、寝室の扉が大きな音を立てて開いた。
ハッと見るとセレスが公式の装いのままズカズカと入ってきた。今は謁見があったはずだけど?
「離れろ! 何をしている! 王族に触れるとは不埒者め」
セレスが怒鳴る。
メルニア国は僕の生まれた国だ。8歳まで住んでいた。物心ついた時には父はすでに亡くなっていて、両親が揃っている従兄弟のエラルドが羨ましかったからだ。
ソレンティア国の王が新しい父だった。
弟の名前はセレス。6歳だけど僕と同じ背の高さか、少し大きい? 金髪に真っ青な瞳で、整った容姿にすっと伸びた姿勢も含めて何かオーラみたいな物を感じて特別だってすぐわかった。
王子だからかな。王弟を父に持っていた僕も殿下とは呼ばれていたけど、父がいなくなって僕の立場は中途半端だった。有力な後援者もおらず、王である叔父には王子がいるから、目立たず、かといってダメすぎず、そんな風に生きてきた僕は何もかも中途半端だ。
勉強も運動も。ちなみに剣も槍も下手だ。
だけどセレスは次期王様になると、みんなに大切にされ、尊敬されている。本人もそれ以上に努力して能力もある。
そんなセレスが僕をジッと優しく見つめてくるから、なんだか恥ずかしくて母のスカートに隠れてしまった。
そんな態度だったのに、セレスはさっと僕に手を差し伸べ「一緒に遊びましょう。兄様」と言ってくれた。
僕の視界がパーっと開けて、セレスの麗しい整った顔が輝いて見えた。
弟
僕を「兄様」と言って頼ってくれるたった一人の弟を大切にしよう。幼いながらそう心に誓った矢先に、寝るためにもう別々の部屋に行くと知って、僕はひどく寂しくなって泣いてしまった。駄々をこねて一緒にいたいと言ってしまった。
いつもはそんな我を通すことないのに。
母様も「あらあら」といって笑っていた。
※
セレスはとっくの前に僕より大きくなったけど、僕には甘えてくるから可愛くて仕方がない。
セレスは僕にいつもニコニコして優しい。
こんなに優しくて王さまになれるだろうか心配だ。
だから僕がセレスが悪い人に騙されたりしないように手伝ってあげなきゃ。
セレスにも王になった時に支えてほしいって言われているし。頼れるのは僕しかいないんだって。
それに多少の優越感もある。
こんなにも優秀でカッコいいセレスが、僕にしか本音を言えないし、僕にしか頼れない、僕の前でしか安心できないって言うんだ。
きっと王太子にしかわからない苦悩があるんだ。
僕は全力でセレスを支えたい。
僕の従兄弟も王太子だったけど、よく揶揄われて意地悪だった。よく喧嘩したな。
セレスとは全然違う。
セレスにあれを手伝ってって言われた時はびっくりした。最初は何かよくわからなかった。
いきなり触らされたり、セレスの綺麗だけど長くていきり勃っているものを口に入れられた時、切なそうに僕を見つめて、潤んだ目と上気した頬のセレスはびっくりするほど綺麗だった。
セレスが感じている姿に胸がドキドキする。
苦しかったし、吐きそうになったけどセレスが気持ちよくなってくれて良かった。
こんなセレスの姿を見たら世の中の人はみんなセレスをもっと好きになってしまう。だからこの任務は僕がしなきゃ。
だけどよくわからないんだ。どうやって何をすればセレスがもっと気持ちよくなるか。あれは閨に関することだと思う。
だから閨の本がないか、書庫で探すがどこにもない。
閨教育もないし、僕はどうしたらいいのかわからない。
こんなこと誰にも聞けないし。
※
「最近書庫によく行かれますが、お探しの本は見つからないのですか? 所望の本があればお探しするか、取り寄せしますよ」
何回も書庫に行くのに、見つけれず疲れてしまった。そんな様子を見て、一緒についてきた護衛のアンフィスに言われる。アンフィスは最近入った護衛だけど、まだ若くてお兄さんみたいな親近感がある。少なくとも、母が嫁ぐ前から僕の護衛をしているロンフィルより若い。
赤ちゃんの頃から僕を知っている昔からの護衛よりアンフィスの方が聞きやすいような。
どうしよう。聞いてみようか。
それにセレスにはきているアレは僕に来ないのは何でだろう。やっぱり僕の体が幼いからだろうか。
どうしよう。教えてくれるだろうか。
そんなことに興味があるって思われるだろうか。だけど誰にも聞けない!
僕はすごく悩んだけど、寝室まで来てからセレスのためだと思って、アンフィスの服を摘んだ。
身長の関係からどうしても上目遣いになってしまう。恥ずかしくて顔が真っ赤になる。声まで震えてしまう。
なんて言えばいいんだ?!
「あのね、あの・・・」
挙動不審になってしまう。
僕はろくにはっきり話せないのに、アンフィスはずっと僕の顔を見つめて、真剣に聞いてくれてる。
きっとアンフィスなら僕が何も知らなくても馬鹿にしない。
僕はつま先立ちになると、アンフィスの服を掴みながら、アンフィスの耳に顔寄せた。
誰もいないからこさまでする必要はないけど、万が一も聞かれないように。
だけど身長差と体格差があって全然届かない。察したアンフィスが僕が倒れないよう僕の腰に手を回して支えてくれながら、膝を折り耳を僕の顔に寄せてくれた。
アンフィスは本当によく気がつく。アンフィスの耳も心なしか赤い。
「アンフィス」ありがとうって言おうとしたら、寝室の扉が大きな音を立てて開いた。
ハッと見るとセレスが公式の装いのままズカズカと入ってきた。今は謁見があったはずだけど?
「離れろ! 何をしている! 王族に触れるとは不埒者め」
セレスが怒鳴る。
22
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる