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リオン覚醒編
目覚め 下編
しおりを挟む「アベル、リオン先に降りるわね。」
そう言ってお母様が馬車から降りた時でした。
「奥様!降りては駄目です!!」
何かに気付いた従者が叫んでいましたが、私達はまだそれに気付きまさんでした。
「うっ、奥様、アベル様、リオン様、、お逃、、げ、、」
先程叫んでいた従者は何かに切り付けられ、血が溢れ出し目の前で倒れました。
「な、、何が」
すると、先に降りたお母様も何かに気付き、
「アベル!リオンと逃げなさい!」
「母上!一体何が起こっているのです!」
アベルが聞くと、お母様はその正体を明かしました。
「魔族がこの馬車を取り囲んでいます!うっ、、」
魔族、、?そんな存在はこの世界に生きている間知りもしない事でした。
「母上!!」
アベルがお母様を呼ぶ声で私は現実に引き戻されました。お母様を見ると、魔族の持つ剣がその体に突き刺さっています。
「お母様!」
馬車を飛び降りようとすると、アベルに止められました。
「駄目です姉上!」
「何故ですか!お母様がっ!!!」
「僕は母上の言葉を守らなければいけない!」
『中にまだ餓鬼が二匹、、ヒヒッ今晩の飯決定だな。』
『あぁ、女は売って金にした方がよさそうだぜ?』
魔族はそんな事を言いながら目前まで迫って来た時、
ーーーリーオンーーーメーザメーー
誰とも分からない声をきっかけに、身体の中から何かが溢れ出すような感覚が私を襲いました。
『!?おぬしの能力、、まさか。』
神様の声が頭の中で聞こえます。
能力、、?あぁ。
チート能力が開花したと気付いた時、私の中で溢れていたものはピタリと止まり逆再生のように外に漏れていた『魔力』が私の器へと戻っていきました。
確か前世で読んでいたラノベの中に魔法系の話のものは沢山あったはず、今の私なら使い方を間違えない。
『我に宿る神の力よ、魔を打ち滅ぼせーー』
そう唱えると、空にはい無数の氷の槍が魔物目掛けて降っていきます。
『ギャァア!!!』
声にならない声を挙げながら逃げ惑う魔物たちを見ながら、弟まで殺しはさせない、私はそう誓いました。
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