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1-2 冒険者
第8話 帰り道
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何とかブランを救うことが出来た俺は、ポーション代を取りに行ったマーウを家の前で待っていた。
(そういえば、街の中央広場のパンとお菓子のあの店、いつも店の外が甘くていい匂いしてるもんなぁ。たまにはシシリーちゃんにでも土産を買っていくか)
そんな事を考えているとマーウが戻ってきた。
「ヤマト、ありがとな! この恩はきっと返す」
そう言って銀貨を差し出す彼は満面の笑みをしている。
「ヤマトさん、また村に来てくださいね。約束です!」
「みなさんお元気で。また来ます」
"金より命"、師匠の言葉を思い出す。
ポーションは無くなったけど、大げさだろうが人の命を救えた事は、純粋に嬉しいと思う。
◇
村の入り口でショートが待っていた。
こちらの仕事が終わりそうなタイミングを見計らって、俺を迎えに来てくれたようだ。
「終わったか?」
「無事終わりました。そちらも採集は終わったようですね」
「こっち」
言葉数の少ない彼は淡白にそれだけ言い、未知の緑翼のみんながいるモギの群生地に案内してくれる。
「………」 「………」
自分では暗い方ではないと思うが、意識せずとも話題が口から出る程明るいわけでもないので、ショートと二人きりというのはいささか気まずい。
無言の空気を変えようと、せっかくなので気になっていた事を聞いてみることにする。
「……そういえばみなさんはどういったご関係ですか?」
「仲間」
「そ、そうですよね。仲がとてもよさそうですよね。ははは……」
失敗した、もっと具体的に尋ねるべきだった。
村からわりと近かったのか、あまり会話が進まないうちに群生地に到着した。
「ヤマトさん、調査の方はどうでしたか? 俺たちの方は摘み取りが大体終わったところです」
「見ろよこれ、相当あるぜ」
マルクスとロットがこんもりと山積みになったモギの前で得意げに立っている。
「これはすごい量が採れましたね──滞り無く終わりました。みなんさんがここまで連れてきてくれたおかげです」
群生地は所々摘み取られずそのままにしてある。
根こそぎ採集しないのは自然を考えての事だろう。
さすが優良冒険者チーム、評判の良さが伺える見識だ。
「ここまで来る時はローウルフしか遭遇しなかったし、ヤマトさんなら勝てるでしょ? 私たちはそんなに活躍してないかも」
「そんなことないですよ、三匹を相手取るなんて俺にはとてもとても。それにファイアーボールを拝見出来たのはいい経験になりました」
「それじゃヤマトさん、これお願いします」
マルクスに言われモギを収納することにする。
黒いモヤモヤした異空間が空中に出現し、山積みになったモギの手前から奥に移動する。
するとモギの山は姿を消し、元から何もなかったかのようにガランとした地面だけが残る。
「いつ見てもすげえなアイテムBOXは。あのモヤモヤに全部入ってんだろ? 便利だよな~」
「一度にまとめて採集出来るのは危険が減ってほんと助かりますよ」
「平凡の平凡じゃない魔法」
「ちょっとショート、いちいち平凡って言わなくていいでしょ、失礼よ」
「それじゃ街に帰りましょう。暗くなってしまったら危ないですからね」
リーダーの号令で帰り支度をし、街へと歩き出す。
行きでローウルフと遭遇した場所に差し掛かった時、先頭を行くロットが厳しい声色でみんなに注意を促す。
「やっぱ置いてきて正解だったぜ──見ろ、引きずられた跡だ」
行きでローウルフを仕留めた後、俺が収納していこうかと尋ねたところ、俺達を狙いから逸らす囮にするということで、そのまま放置していた。
持ち去った犯人はブラックベアだと思われる。
習性としてその場で食べることはせず、寝床に持ち帰って食べるらしい。
「まぁ素材は惜しかったけどね~。ローウルフの毛皮で作る靴下ってすっごくあったかくて長持ちなのよ?」
「がっつくほど金に困ってない」
「今回はヤマトさんがいるし安全優先だよ。ブラックベアは中々手強いからね」
「む~……」
ショートとマルクスに諭され、少し不満顔でネアが頬を膨らませている。
「この近くにブラックベアらしき魔物が居たのは確かだ、ここからはさらに警戒して帰ろう」
マルクスがそう言うと、みな武器を構え戦闘の陣形に整列し直す。
素材として死体は見たことがあるが、あんなでかい凶悪な爪と牙をした魔物に勝てる自信は無い。
どのみち装備が短剣と弓の俺では、戦闘巧者になったとしても立ち向かえる事はないだろう。
先程の場所から十分程進んだ時、ショートが警戒を口にする。
「シッ──小型の羽音……他に足音二つ……追われている?」
ショートが陣取る正面には高さ二メートル程の大きな岩があり、視線を向けるが詳しいことは分からない。
すると突然、その大岩の上を飛び越え小さなものが飛んできた。
(鳥……? フクロウ──いやミミズクだ)
動物好きの性か、この緊急事態に細かな違いを考えしまう。
俺達の上を飛び越し着地した場所で、ミミズクは動かずへたり込んでいる。
「イタイ、ニゲル」
ミミズクの気持ちか、俺の中に必死な思いが流れ込む。
どうやら翼にケガを負って空を飛んで逃げることが出来ず、飛翔──着地を繰り返し、命からがら逃げてきたようだ。
そのミミズクを追って大岩の左右から二匹のローウルフが姿を現す。
獲物を追っていてこちらに気付いていなかったのか、突然の邂逅に面食らって立ち止まっている。
「またローウルフか。今日はよく出くわすぜ」
「狩りの途中だったみたいだね、襲って来ないなら見逃すけど──」
「──すみません! この鳥、助けてもいいですか!」
俺がそう言うと、当然とばかりにローウルフと事を構える姿勢に入る面々。
いざ戦闘が始まらんとするその時、大岩の背後から大きな足音が近づいきた。
「フンフンッ」
荒い呼吸音と共に大岩越しにブラックベアの姿が見えた。
「チッ、ブラックベアまで。こいつらを追ってきやがったか!」
「ブラックベア1匹程度、怯む事は無い」
ローウルフとブラックベア、同時に相手をするのは危険だが、未知の緑翼のみんななら大丈夫なはず。
そんな甘い考えをしている俺の背後から、心臓が凍り付くような雄たけびが上がった。
「グオォーー!」
先程のよりも一回り大きなブラックベアがその巨体で迫り来る。
(そういえば、街の中央広場のパンとお菓子のあの店、いつも店の外が甘くていい匂いしてるもんなぁ。たまにはシシリーちゃんにでも土産を買っていくか)
そんな事を考えているとマーウが戻ってきた。
「ヤマト、ありがとな! この恩はきっと返す」
そう言って銀貨を差し出す彼は満面の笑みをしている。
「ヤマトさん、また村に来てくださいね。約束です!」
「みなさんお元気で。また来ます」
"金より命"、師匠の言葉を思い出す。
ポーションは無くなったけど、大げさだろうが人の命を救えた事は、純粋に嬉しいと思う。
◇
村の入り口でショートが待っていた。
こちらの仕事が終わりそうなタイミングを見計らって、俺を迎えに来てくれたようだ。
「終わったか?」
「無事終わりました。そちらも採集は終わったようですね」
「こっち」
言葉数の少ない彼は淡白にそれだけ言い、未知の緑翼のみんながいるモギの群生地に案内してくれる。
「………」 「………」
自分では暗い方ではないと思うが、意識せずとも話題が口から出る程明るいわけでもないので、ショートと二人きりというのはいささか気まずい。
無言の空気を変えようと、せっかくなので気になっていた事を聞いてみることにする。
「……そういえばみなさんはどういったご関係ですか?」
「仲間」
「そ、そうですよね。仲がとてもよさそうですよね。ははは……」
失敗した、もっと具体的に尋ねるべきだった。
村からわりと近かったのか、あまり会話が進まないうちに群生地に到着した。
「ヤマトさん、調査の方はどうでしたか? 俺たちの方は摘み取りが大体終わったところです」
「見ろよこれ、相当あるぜ」
マルクスとロットがこんもりと山積みになったモギの前で得意げに立っている。
「これはすごい量が採れましたね──滞り無く終わりました。みなんさんがここまで連れてきてくれたおかげです」
群生地は所々摘み取られずそのままにしてある。
根こそぎ採集しないのは自然を考えての事だろう。
さすが優良冒険者チーム、評判の良さが伺える見識だ。
「ここまで来る時はローウルフしか遭遇しなかったし、ヤマトさんなら勝てるでしょ? 私たちはそんなに活躍してないかも」
「そんなことないですよ、三匹を相手取るなんて俺にはとてもとても。それにファイアーボールを拝見出来たのはいい経験になりました」
「それじゃヤマトさん、これお願いします」
マルクスに言われモギを収納することにする。
黒いモヤモヤした異空間が空中に出現し、山積みになったモギの手前から奥に移動する。
するとモギの山は姿を消し、元から何もなかったかのようにガランとした地面だけが残る。
「いつ見てもすげえなアイテムBOXは。あのモヤモヤに全部入ってんだろ? 便利だよな~」
「一度にまとめて採集出来るのは危険が減ってほんと助かりますよ」
「平凡の平凡じゃない魔法」
「ちょっとショート、いちいち平凡って言わなくていいでしょ、失礼よ」
「それじゃ街に帰りましょう。暗くなってしまったら危ないですからね」
リーダーの号令で帰り支度をし、街へと歩き出す。
行きでローウルフと遭遇した場所に差し掛かった時、先頭を行くロットが厳しい声色でみんなに注意を促す。
「やっぱ置いてきて正解だったぜ──見ろ、引きずられた跡だ」
行きでローウルフを仕留めた後、俺が収納していこうかと尋ねたところ、俺達を狙いから逸らす囮にするということで、そのまま放置していた。
持ち去った犯人はブラックベアだと思われる。
習性としてその場で食べることはせず、寝床に持ち帰って食べるらしい。
「まぁ素材は惜しかったけどね~。ローウルフの毛皮で作る靴下ってすっごくあったかくて長持ちなのよ?」
「がっつくほど金に困ってない」
「今回はヤマトさんがいるし安全優先だよ。ブラックベアは中々手強いからね」
「む~……」
ショートとマルクスに諭され、少し不満顔でネアが頬を膨らませている。
「この近くにブラックベアらしき魔物が居たのは確かだ、ここからはさらに警戒して帰ろう」
マルクスがそう言うと、みな武器を構え戦闘の陣形に整列し直す。
素材として死体は見たことがあるが、あんなでかい凶悪な爪と牙をした魔物に勝てる自信は無い。
どのみち装備が短剣と弓の俺では、戦闘巧者になったとしても立ち向かえる事はないだろう。
先程の場所から十分程進んだ時、ショートが警戒を口にする。
「シッ──小型の羽音……他に足音二つ……追われている?」
ショートが陣取る正面には高さ二メートル程の大きな岩があり、視線を向けるが詳しいことは分からない。
すると突然、その大岩の上を飛び越え小さなものが飛んできた。
(鳥……? フクロウ──いやミミズクだ)
動物好きの性か、この緊急事態に細かな違いを考えしまう。
俺達の上を飛び越し着地した場所で、ミミズクは動かずへたり込んでいる。
「イタイ、ニゲル」
ミミズクの気持ちか、俺の中に必死な思いが流れ込む。
どうやら翼にケガを負って空を飛んで逃げることが出来ず、飛翔──着地を繰り返し、命からがら逃げてきたようだ。
そのミミズクを追って大岩の左右から二匹のローウルフが姿を現す。
獲物を追っていてこちらに気付いていなかったのか、突然の邂逅に面食らって立ち止まっている。
「またローウルフか。今日はよく出くわすぜ」
「狩りの途中だったみたいだね、襲って来ないなら見逃すけど──」
「──すみません! この鳥、助けてもいいですか!」
俺がそう言うと、当然とばかりにローウルフと事を構える姿勢に入る面々。
いざ戦闘が始まらんとするその時、大岩の背後から大きな足音が近づいきた。
「フンフンッ」
荒い呼吸音と共に大岩越しにブラックベアの姿が見えた。
「チッ、ブラックベアまで。こいつらを追ってきやがったか!」
「ブラックベア1匹程度、怯む事は無い」
ローウルフとブラックベア、同時に相手をするのは危険だが、未知の緑翼のみんななら大丈夫なはず。
そんな甘い考えをしている俺の背後から、心臓が凍り付くような雄たけびが上がった。
「グオォーー!」
先程のよりも一回り大きなブラックベアがその巨体で迫り来る。
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