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ずっと一緒
しおりを挟む体育祭でリレーをやったその日の夕方。
入れ違いざまお母さんに
「あら、みくる。酷い顔じゃない。
どうしたの?」
って尋ねられたけど答える気になれなくて。
そのまま黙ってたら何か察したのか、お母さんは
「何か抱えてるんだったらいつでも相談してちょうだいね。
お母さんはみくるのお母さんなんだから」
って困ったように笑って仕事に出かけた。
冷蔵庫を開けると季節のはやい麦茶と夕飯が用意されてた。
「わぁ、今日はビンチョウマグロのカルパッチョだね」
八雲君…だから突然背後から話しかけないで。
でも、抱きしめられるのは悪くないと思ってしまっている自分もいる。
認めたくないけど。
「八雲君、明治時代に名前をつけてくれた人ってどんな人?」
冷蔵庫を閉めた私は何となくそう尋ねてみた。
すると八雲君に肩を回されて結果向き合う形にされて。
目の前にあるのはあの純粋な笑顔。
「たおやかでそれでいて時々強気な涙もろい女学生だよ。
小泉八雲のファンでもあってね、僕の名前はそこからつけられたんだ」
言って、私の額にキスをする八雲君。
続いて紡がれた言葉は。
「そして君の前世でもある」
八雲君の爆弾発言に呆気にとられて口をパクパクさせてると、八雲君はひらりと私に背中を向けて肩越しに
「信じるか信じないかは自由だけど、僕は君を一生離さないからね」
って悪役の笑みをみせた。
私、これからどうなる⁈
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