すべては神様のてのひらのうえ

急展開（３）

　
月は変わって五月。

結局体育祭は男女混合で、なんと陽華ちゃんと安藤君が同じバレーボールチームになった。

補足として、しずるちゃんと須藤君がバスケットボール、素直ちゃんと辻山君が剣道、私と八雲君がリレー。

それぞれ日をわけて順繰りに開催され、自分の番が来てない同級生がそれぞれ応援につく。

そしていまはバレーボールの時間。

「いっけぇ！宮川！」

「わかってる！」

なんと意外にも安藤君と陽華ちゃんの息がぴったりで。

どんどん勝ち抜いて、ついには三年生まで負かしてしまった。

「いえい！」

「さんきゅ、宮川！」

ふたりで手をタッチしあって喜ぶ陽華ちゃんと安藤君。

表彰台にあがって表彰式を受ける陽華ちゃんと安藤君の後ろ姿は何処か誇らしげだった。

そして放課後の帰り際。

「おい、宮川
　話したいことがあるから校舎裏に来てくれ」

私と陽華ちゃんとしずるちゃんと素直ちゃんの四人でいままさに教室を出ようとしたそのとき、安藤君にそう声をかけられた。

ただらなぬ空気に四人で交互に顔をみあわせて。

陽華ちゃんが意を決したように

「いいよ。いまから？」

って安藤君の言葉に応じた。

安藤君は黙って頷いた。

そして。

「悪いけど先帰ってて」

という陽華ちゃんの言葉に私たち三人はとりあえず帰路について。

その晩、陽華ちゃんからグループ通話があった。

『安藤と付き合うことになったからよろしく～』

という内容の。

私もしずるちゃんも素直ちゃんも

『おめでとう～』

って返して。

そのあとは夜更けまで他愛のないことを喋り続けた。