上 下
8 / 21

周りからみれば(2)

しおりを挟む
 
そして昼休み。

みんなが思い思いにお弁当を食べ終えた頃、やっぱり須藤君がハムスターみたいにしずるちゃんを呼びにきた。

なんでも「チーム分けをどうしたらいいんだろう」だとか。

男女別々にやるのか、とか。

組み分けはクジがいいのか、とか。

須藤君の口から出るのはなんだか委員会で決めるようなことばかり。

それをしずるちゃんに指摘されると

「ふたりで足並みを揃えておきたいんだ」

って須藤君はまた手をもじもじさせて答えた。

「そっかそっか」

しずるちゃん、須藤君があんまり可愛いからって肩を組むのは心臓に悪いんだと思うんだ。

ほら。須藤君、俯いちゃった。

そんなこんなでしずるちゃんと陽華ちゃんが須藤君をると。

「宮川。同じチームになれるといいな」

いつのまにか安藤君が近づいてきてて、陽華ちゃんの目を真っ直ぐみながらそんなことをいった。

遠くからは囃したてるような声。

どうやら男子たちのお遊びみたい。

それは陽華ちゃんも感じとったのか、

「ねぇ、あんまりふざけてると怒るよ?」

って頬杖ついて唇を尖らせた。

すると安藤君はしどろもどろになって最後には

「いや、ホントに思ってるよ!」

って怒鳴るように叫んだ。

安藤君の顔も真っ赤、陽華ちゃんの顔も真っ赤、他の男子はますます調子に乗り。

「あああああああ、アンタのことなんか意識してないんだから!」

陽華ちゃん。それ、まるでツンデレヒロインみたいだよ。

なんて油断してたら。

「なんか面白いことになってるね」

という台詞とともに吐息と肩の重みを感じた。

犯人は八雲君で、どうも私の肩に片手を置いて私の耳元で囁いたらしい。

だから私を振り回さないで!
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

キミの生まれ変わり

りょう改
青春
「私たちは2回生まれる」 人間は思春期を迎え、その後に生まれ変わりを経験するようになった遠い未来。生まれ変わりを経験した少年少女は全くの別人として生きていくようになる。

恋の泉の温もりよ

楠富 つかさ
青春
 主人公、花菱心は地元を離れてとある温泉街の高校を受験することに。受験の下見がてら温泉旅館に泊まった心はそこで同い年であり同じ高校を受験するという鶴城ゆもりに出会う。  新たな出会いに恵まれた時、熱く湧き上がるのは温泉だけではなくて――  温泉街ガールズラブストーリー、開幕です!

奇跡のランナー

山田 【 人は悩む。人は得る。創作で。】
青春
3年前の交通事故の後遺症で左半身麻痺を抱える陽介は、前向きに努力をして克服しようとする。思うように動かない足で再び陸上競技場に立つが……  特別支援学校に在籍し、さまざまな障害を抱えた仲間たちに出会う。適切な支援を受けるが、自分の可能性を信じる気持ちが人一倍強い陽介は、そんな生活に疑問を感じた。自分の未来を切り開くため、高校卒業程度認定試験を受け、大学進学を目指して勉強も始めた。  そんな陽介の情熱に、周囲の仲間たちも変わっていく……

全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。 遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。 本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。 優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。

三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!

佐々木雄太
青春
四月—— 新たに高校生になった有村敦也。 二つ隣町の高校に通う事になったのだが、 そこでは、予想外の出来事が起こった。 本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。 長女・唯【ゆい】 次女・里菜【りな】 三女・咲弥【さや】 この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、 高校デビューするはずだった、初日。 敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。 カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【6/5完結】バンドマンと学園クイーンはいつまでもジレジレしてないでさっさとくっつけばいいと思うよ

星加のん
青春
モブキャラ気取ってるくせにバンドをやってる時は輝いてる楠木君。そんな彼と仲良くなりたいと何かと絡んでくる学園一の美少女羽深さんは、知れば知るほど残念感が漂う女の子。楠木君は羽深さんのことが大好きなのにそこはプロのDT力のなせるワザ。二人の仲をそうそう簡単には進展させてくれません。チョロいくせに卑屈で自信のないプロのDT楠木君と、スクールカーストのトップに君臨するクイーンなのにどこか残念感漂う羽深さん。そんな二人のじれったい恋路を描く青春ラブコメ、ここに爆誕!?

処理中です...