上 下
7 / 21

周りからみれば(1)

しおりを挟む
 
学校での様子は八雲君は至って普通だった。

男子グループの上位とわちゃわちゃして。

時々私たち四人グループにをかけて。

反対に陽華ちゃんに

「ねー、アタシの彼氏にならないー?」

って誘われて苦笑いして。

まるで昨日から今朝までの甘々な様子が嘘のよう。

一体何だったんだって八雲君をガン見してると。

「あの、夕顔さん。
 ちょっといいかな?」

緊張した面持ちでこちらに近づいてきた須藤君が手をもじもじさせながらそう言った。

「なにー?」

しずるちゃんは椅子に座ったまま肩越しに振り返って須藤君にそう応えた。

でも須藤君はなかなか用事を教えてくれない。

業を煮やしたしずるちゃんの口から「あのさー」の「あ」まで出たそのとき、

「五月の体育祭のことで話し合いたいことがあるから、昼休みつきあってくれない?」

って、ようやく須藤君の口から用事が伝えられた。

しずるちゃんは「なんだ」といった様子で

「わかった。場所は教室ここでいいよね?
 それじゃよろしくー」

って、ひらひらと手のひらを須藤君に向けて明るく応えた。

そしたら須藤君は顔を真っ赤にして

「うん!よろしく!」

なんてまるでハムスターみたいにぴょんぴょんと跳ねながら去っていった。

「かわいいねー」

須藤君が自分の席に戻ったのを見届けてから、くすくすと小さく笑う陽華ちゃん。

素直ちゃんはまるで武士のように腕を組んでうんうんと頷いて、しずるちゃんはゴールデンレトリーバーみたいな表情で「そうかなー?」って首を傾げて。

素直ちゃんの

「もしかして須藤君、しずるに気があるんじゃない?」

って言葉にしずるちゃんは

「うぇっ⁈」

って須藤君みたいに顔を真っ赤にした。

周りからみれば、ねぇ?
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夏の出来事

ケンナンバワン
青春
幼馴染の三人が夏休みに美由のおばあさんの家に行き観光をする。花火を見た帰りにバケトンと呼ばれるトンネルを通る。その時車内灯が点滅して美由が驚く。その時は何事もなく過ぎるが夏休みが終わり二学期が始まっても美由が来ない。美由は自宅に帰ってから金縛りにあうようになっていた。その原因と名をす方法を探して三人は奔走する。

超草食系男子

朝焼け
青春
感想などありましたらどうぞお聞かせください。

ライオン転校生

散々人
青春
ライオン頭の転校生がやって来た! 力も頭の中身もライオンのトンデモ高校生が、学園で大暴れ。 ライオン転校生のハチャメチャぶりに周りもてんやわんやのギャグ小説!

私の隣は、心が見えない男の子

舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。 隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。 二人はこの春から、同じクラスの高校生。 一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。 きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。

坊主頭の絆:学校を変えた一歩【シリーズ】

S.H.L
青春
高校生のあかりとユイは、学校を襲う謎の病に立ち向かうため、伝説に基づく古い儀式に従い、坊主頭になる決断をします。この一見小さな行動は、学校全体に大きな影響を与え、生徒や教職員の間で新しい絆と理解を生み出します。 物語は、あかりとユイが学校の秘密を解き明かし、新しい伝統を築く過程を追いながら、彼女たちの内面の成長と変革の旅を描きます。彼女たちの行動は、生徒たちにインスピレーションを与え、更には教師にも影響を及ぼし、伝統的な教育コミュニティに新たな風を吹き込みます。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

冬の水葬

束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。 凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。 高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。 美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた―― けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。 ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。

処理中です...