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あれ?おかしいな
しおりを挟む「それでねー、素直がねー、大きな表彰状をもらってる写真がねー、新聞に載ったんだよー」
「へー、そうなんだー」
「嫌だ、陽華。
そんな昔のこと言わないで。
恥ずかしいじゃない」
陽華が可愛い旗が刺さったお弁当をつまみながら素直の武勇伝を聞かせて、それを受けた八雲君がとても感心したように頷いてみせた。
馴染んでる。
とても馴染んでる。
八雲君の嘘くさい笑顔を気にしてるのは私だけで、他の三人はまったく気にしてないみたいだ。
そろそろお弁当が食べ終わろうというとき、ひとりの男子が男子の輪から外れてこちらにやってくるのがみえた。
私でも知ってる。
素直ちゃんの幼馴染の辻山施希也君だ。
いや、私たちだって小学生のときからの付き合いだから幼馴染には違いないんだけど。
辻山君と素直ちゃんの付き合いはもっと古くて赤ちゃんの頃まで遡る。
家が隣同士なんだって。
それで辻山君も素直ちゃんと同じく素直ちゃんのお父さんから剣道を教わってるとのこと。
おまけにふたりから聞いた話ではいつも素直ちゃんが辻山君を負かしちゃうらしい。
んなもんだから。
「素直、今日も稽古場で付き合ってもらうからな。
逃げるなよ」
なんて強がりともとれる言葉が辻山君の口から。
そんなこんなでわちゃわちゃしてると他にもうふたつの視線が遠くから。
ふたつの視線の正体は副学級委員長の須藤拓磨君といつも野球談議で他の男子と盛りあがる安藤耀真君。
須藤君の視線はしずるちゃんに向けられてて、安藤君の視線は陽華ちゃんに向けられてる。
私たち四人組って浮いた話がこれまでなかったんだよね。
それが特に意外なのが陽華ちゃん。
陽華ちゃんは美人だから相手を選び放題な状態になれそうなのにいままでなれなくて。
あれ?相手がいないのって私だけ?
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