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アナザーストーリー

甘酸っぱい勘違い(九)

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僕と貴女、ふたりして横目でちらちら見合って少しの間を置いてそろそろと窓際のテーブル席に座ってさ。

うん、誰も気にしてなかったと思うけど、先に居た何人かのお客さんの様子が気になっちゃってね。

僕たちから注文をとったウェイトレスがカウンターのほうへ去ると、僕は思わず口元をメニュー表で隠すと

『いやぁ、いざ入ってみると緊張するねぇ』

なんてぼそりとこぼしてさ。

そしたら頬を紅潮させたやっぱり緊張気味の貴女が

『憧れだったんでしょう?
 入ったからには存分に満喫しましょうよ』

って僕より年下なのにまるで子どもをあやす母親みたいに言って。
 
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