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アナザーストーリー

パピヨンは羽ばたく(九)

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そんなこんなで一久と陽子のふたりとそこそこの距離感でつきあいながらやってきたゴールデンウィーク。

勉強会と称して私たち三人が互いの家を行き来していていたこともあって、私の父の発案で家族ぐるみでのバーベキューを河川敷ですることになったの。

大人たちが酒を酌み交わして談笑するなか、未成年だった私たちは肉や野菜をつまんでは川辺で石切りをして遊んだわ。

結果は私と一久がどっこいどっこいで陽子が少し及ばすといったところだったかしら。

けれどいちばん上手だったのは当時中学三年生だった陽子の妹・月子つきこだったわね。

月子は早生まれだから小学生のときは身体が小さかったらしいの。

それでそのコンプレックスに負けないように努力したらテニス部で県大会まで行けるようになったらしいわ。
 
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