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始まりの始まり(九)

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ゆったりと書き上げた字を掲げて

「始光…様。
 “始まりの光”と書いて始光様です」

って読みあげたクロの手が、腕が、肩が、緊張で震えてるのがわかって。

クロはさらに言った。

「始光様は俺にとって始まりの光なんです。
 始光様のお陰で妖怪の子と呼ばれることはなくなり、綺麗な身なりにしていただき、更にはお結まで。
 感謝してもしきれません」
 
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