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お嬢様はわがまま(十五)
しおりを挟む始光の恐らくはとても噛み砕いたであろう六地蔵の説明に
「ふーん」
と相槌のみ呟いた満世子。
六地蔵をしげしげと舐めまわすように眺める満世子の目つきは、下人達に蛇の脱殻を仕向けたときのものと似ていた。
かわりに満知男が震え上がっていたが。
不安しかないなか、事態が動いたのは誰の目も満世子に届いていなかった夕立降る八月のこと。
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