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恋の味は(二十一)
しおりを挟む「私が優しいとしたらみんなに守られてるからかな」
長い沈黙のあとに出されたひろみさんの答え。
ひろみさんの言葉は続く。
「私ね、就職の面接、百件は落ちたんだ。
ああ、私って必要にされてないんだってドン底な気分のときに助けてくれたのはおじいちゃんとおばあちゃんで。
小さい頃なんか、ううんいままでだってどんなときもお父さんもお母さんも、一喜兄も貴子姉も私が困ってたら助けてくれた。
それに…」
そこでひろみさんの言葉は途切れて。
ひろみさんは一度紅茶を啜って、また口を開いた。
「始光さんだって変な人だけど悪い人じゃないしね。
トモト君がコメントを残してくれたり商品を買ってくれたりしてくれることだって力になってる。
みんなが私を支えてくれるから頑張れるんだよ」
そう言うひろみさんは輝いてみえた。
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