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恋の味は（十八）
しおりを挟む「僕から誘っておいておごってもらうわけにはいけません。
せめて割り勘にしましょうよ」
って僕が慌てて断るとひろみさんは
「いいのよ。
年上の務めみたいなものだから」
って目を細めて言った。
僕は申し訳なくてつい
「おごってもらっちゃってすみません」
って返しちゃって。
ひろみさんは困ったように
「こういうときは“すみません”じゃなくて“ありがとう”って言うのよ。
ほら」
って大笑いした。
僕が小さな声で
「ありがとう…ございます」
ってひろみさんの言葉を反復したそのとき、注文の品が届いた。
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