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恋の味は(十二)

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「あ、あのっ。トモトです!」

僕の口から出た声はまるで調教に失敗した歌を歌う機械のようだった。

でもひろみさんはそこはスルーしてくれて

『どうしたの?
 あ、さてはお買い求めの商品があるのかな?』

って茶目っけたっぷりの声でそう言ってくれた。

いや、営業されてどうするの。

僕が口をもごもごさせてると実央ちゃんとひとみちゃんが

「「クリスマス、クリスマスにデート」」

って左右から囁いた。

僕は操られるように

「あの、ひろみさん。
 クリスマスにネズミーランドに行きませんか?」

ってひろみさんを誘ってた。

ひろみさんの答えは--。
 
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