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愛情はお先に(十二)

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「そうなんだ。
 じゃあ、お見舞いに行かないとね。
 誰と行くとか決まってるの?」

手を叩いてひろみさん。

なんか無理して明るい空気に持っていってくれてる気がしてなんだか申し訳ないな。

でも本当のことだから。

「決まってないです。
 父も母も仕事で忙しくて」

僕の湿っぽい言葉にひろみさんは

「そっか…」

って呟いた。

すると背後から笑い声が。
 
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