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ため息は重くても(七)
しおりを挟む兄貴の口からお礼の言葉なんてない。
ただ僕の手からひったくるようにスマホを取るだけ。
そしてまた僕に背中をみせる。
「明翔、誰ー?」
って兄貴の友人のひとりが僕の存在を尋ねても
「んー?誰でもないよー」
って答えただけ。
遠くなる兄貴の背中。
去り際に
「ツーリング次いつ行くー?」
と言う言葉を残して兄貴達は去っていった。
また門限を破ってバイクだな。
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