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ガチャは引いてみないと(七)
しおりを挟むそのひろみさんがいままさに目の前にいる。
胸の高鳴りが止まらない。
僕が惚けた顔でいるとひろみさんが
「確か去年の六月におまんじゅうをあげた子だよね。
また来てくれると嬉しいな」
だって。
ああ、“トモト”だって認識されてないんだな。
営業トークだってわかってるのに、ひろみさんのその言葉は心臓に悪い。
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