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第ニ話 因果は動き出す

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「はぁ。」

宇宙人の少女は、壊れかけのブラックナックル号の修理の合間に、窓から顔を出し、空を見つめていた。
スゴい技術の結晶であるブラックナックル号は、周囲に特殊フィールドを発生させ、次元と次元の狭間に隠れていたのだ。次元の壁を跨げば、そこは工事現場にあたる。

「どうしたジャネットよ。一度失敗したからと言って諦めてはいかんぞ。」

自称宇宙帝王は、万能修理ロボット「ミク」を用い、ダラダラと修理に勤しんでいる。
と言っても、彼はミクに指示を出し、寝そべりながら携帯宇宙食入りのチューブを、チューチュー吸っているだけだが。

「地球人ってさぁ。もっとこう、『猿!』みたいなのを想像してたけどさ。以外とフツー、みたいな。はぁ。」

ジャネットは、また一つ大きなため息をつく。

「でも、そのフツーで発展途上の星の、変なロボットに負けそうになったのがさ。あいつ、ホンットムカつく。」

言葉の内容とは裏腹に、その口調からは強気さを感じられない。

「あらゆるケンカに負けたことなかったんでしょ?傷がついちゃったね。」

ジャネットは、棒付きキャンディをくわえると、さらにため息をつく。病的と言ってもよい頻度だ。

「そもそも、ケンカらしいケンカなんてしたことなかったからな!そういう時もある。」

そう言ってガッツは、乾いた薄ら笑いを作って見せた。強がっていても、内心はかなりショックだったようだ。

「だが弱気はいかん、ここで挫けている場合ではない。次こそニポンの偉い人をおびき寄せ、地上げを完遂させるのだ!」

そう言うとガッツは、ミクに命令をサクサクとインプットし終えると、ゴロリと横になるのであった。

「次は俺が出る。我がペインロアーのビームキャノンの威力を見せてやる!」

「なぁんか・・・。偉い人に拘る必要ない気がするのよねー。」
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