12 / 23
仲間なんて俺は知らない
距離感、やたら近くない?
しおりを挟む
馬車に揺られて数日。
途中、何度か道中に点在していた宿屋にお世話になり、もう間も無くで、目的地である『港町・ポレポレ』に到着、というところであった。
集団行動…しかも数人女子を伴ったモノなど流石に機会がなかったため、苦難の連続であった。
ミレットは、あれからやたらと
『選択スキルを選ばせろ』とうるさい。
何も知らない俺にヤバいスキル習得させて、何か良からぬことを考えてるのでは?
あとボディータッチめっちゃ多いのやめてほしい。気が散る。
シャミィは
『一攫千金を狙えるエモノを倒しに行こう』
って、顔を合わせる度にうるさい。
俺より遥かに強い魔物に襲わせて、俺を殺すつもりなんじゃ…。
それと、谷間アピールやめて。俺には、好きな子が…心に決めた子がいるんだ!
…俺、死んじゃったけどな。
ナナはナナで
『はい、師匠。』しか言わないの、いい加減ツッコんだ方がいいのかな。
でも、なんかナイーブな話だったら悪いしな…。
で、コイツはコイツで、妙に生脚を見せつけてくる感じするんだ。
…俺の自意識過剰なのかな。
アミアが1番ひどい。
俺が夜寝てると、どうやったのか、いつの間にか隣りで寝てやがる!
本人曰く『勇者様、私、守る』ってことらしいけど、プライバシーってモンをだね!
俺が全裸で寝るスタイルだったら、一体どうするつもりだったの?!
こんな感じで、とてもじゃないけど
『楽しい旅』とは言い難い。
せっかくなら、もっと静かにのんびりとしたかった。
周りがうるさすぎて、景色とか、ちっとも楽しめない。
「うわーーーー!!すげぇーーー!!
魔○宅に出てきそうな景色だァァ!!
マジでヨーロッパじゃん!!」
「ユージーン様がはしゃいでるところ、初めて見ました…。」
「あ、ああ…基本いつも、何事にも興味無さそうにしてるからね…。」
…うん。キレイな景色はね、周りがうるさくてもすごいモンはすごい。
ミレットたちは呆気に取られているが、俺普段、そんな感じだったかな。
でも確かに、意味がわからないことの連続だったのと、全部を全部間に受け続けてしまうと、大事なことを見落としてしまいそうな気がしていたから…
心の余裕、ってものは、無くしていたのかもしれない。
「勇者、様。まず、腹ごしらえ、しよ。
ポレポレ、美味しいもの、たくさん。」
アミアは腹の虫を鳴らしながら、真顔で俺に進言してきた。普段もかなり表情の変化に乏しい子なのに、今回はガチ真顔だ。相当お腹が空いているのだろう。
馬車の御者さんに別れを告げ、俺たちはようやく、潮風と活気に溢れた町、ポレポレに足を踏み入れた。
高低差のある、石造の美しい街並み。
何よりも、町の入り口から続く通りが海まで続いており、その眺めが素晴らしい。
これが、元の世界だったらな。
流石の俺も、ここが『異世界』ってことは実感してきたけど…。
元の世界への未練が、無いわけではない。ヨーロッパ、行ってみたかったな。
「この日差しでその服装…アミア、大丈夫かい?暑いんじゃないのかねぇ?」
「はい、師匠。」
この世界に四季があるのかはわからないが、少なくとも港町。確かにここは日差しが強い。真っ黒なローブに身を包んだアミアが、1番辛そうな印象だ。
「大丈夫。冷却魔法、かけてる。それ、よりも…。」
「…お腹減ったんだな。よし、早いとこ何か食べよう。俺もお腹…。」
その時だった。
アミアの背中に、矢が突き刺さった。
途中、何度か道中に点在していた宿屋にお世話になり、もう間も無くで、目的地である『港町・ポレポレ』に到着、というところであった。
集団行動…しかも数人女子を伴ったモノなど流石に機会がなかったため、苦難の連続であった。
ミレットは、あれからやたらと
『選択スキルを選ばせろ』とうるさい。
何も知らない俺にヤバいスキル習得させて、何か良からぬことを考えてるのでは?
あとボディータッチめっちゃ多いのやめてほしい。気が散る。
シャミィは
『一攫千金を狙えるエモノを倒しに行こう』
って、顔を合わせる度にうるさい。
俺より遥かに強い魔物に襲わせて、俺を殺すつもりなんじゃ…。
それと、谷間アピールやめて。俺には、好きな子が…心に決めた子がいるんだ!
…俺、死んじゃったけどな。
ナナはナナで
『はい、師匠。』しか言わないの、いい加減ツッコんだ方がいいのかな。
でも、なんかナイーブな話だったら悪いしな…。
で、コイツはコイツで、妙に生脚を見せつけてくる感じするんだ。
…俺の自意識過剰なのかな。
アミアが1番ひどい。
俺が夜寝てると、どうやったのか、いつの間にか隣りで寝てやがる!
本人曰く『勇者様、私、守る』ってことらしいけど、プライバシーってモンをだね!
俺が全裸で寝るスタイルだったら、一体どうするつもりだったの?!
こんな感じで、とてもじゃないけど
『楽しい旅』とは言い難い。
せっかくなら、もっと静かにのんびりとしたかった。
周りがうるさすぎて、景色とか、ちっとも楽しめない。
「うわーーーー!!すげぇーーー!!
魔○宅に出てきそうな景色だァァ!!
マジでヨーロッパじゃん!!」
「ユージーン様がはしゃいでるところ、初めて見ました…。」
「あ、ああ…基本いつも、何事にも興味無さそうにしてるからね…。」
…うん。キレイな景色はね、周りがうるさくてもすごいモンはすごい。
ミレットたちは呆気に取られているが、俺普段、そんな感じだったかな。
でも確かに、意味がわからないことの連続だったのと、全部を全部間に受け続けてしまうと、大事なことを見落としてしまいそうな気がしていたから…
心の余裕、ってものは、無くしていたのかもしれない。
「勇者、様。まず、腹ごしらえ、しよ。
ポレポレ、美味しいもの、たくさん。」
アミアは腹の虫を鳴らしながら、真顔で俺に進言してきた。普段もかなり表情の変化に乏しい子なのに、今回はガチ真顔だ。相当お腹が空いているのだろう。
馬車の御者さんに別れを告げ、俺たちはようやく、潮風と活気に溢れた町、ポレポレに足を踏み入れた。
高低差のある、石造の美しい街並み。
何よりも、町の入り口から続く通りが海まで続いており、その眺めが素晴らしい。
これが、元の世界だったらな。
流石の俺も、ここが『異世界』ってことは実感してきたけど…。
元の世界への未練が、無いわけではない。ヨーロッパ、行ってみたかったな。
「この日差しでその服装…アミア、大丈夫かい?暑いんじゃないのかねぇ?」
「はい、師匠。」
この世界に四季があるのかはわからないが、少なくとも港町。確かにここは日差しが強い。真っ黒なローブに身を包んだアミアが、1番辛そうな印象だ。
「大丈夫。冷却魔法、かけてる。それ、よりも…。」
「…お腹減ったんだな。よし、早いとこ何か食べよう。俺もお腹…。」
その時だった。
アミアの背中に、矢が突き刺さった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
成長チートと全能神
ハーフ
ファンタジー
居眠り運転の車から20人の命を救った主人公,神代弘樹は実は全能神と魂が一緒だった。人々の命を救った彼は全能神の弟の全智神に成長チートをもらって伯爵の3男として転生する。成長チートと努力と知識と加護で最速で進化し無双する。
戦い、商業、政治、全てで彼は無双する!!
____________________________
質問、誤字脱字など感想で教えてくださると嬉しいです。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる