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10.ピンクのドア移動時にて
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セレーナ・アトランティスが断罪され、皆の前でピンクのドアを出現させ、忽然と姿を消した日、断罪現場にいた者達の魔力が一切無くなっていた。
そう、セレーナは会場にいる人達の魔力と法務省で働くもの達の魔力を引き換えにあるものを長年の魔石研究の中で自ら生み出したものを完成させたのだ。
とある有名アニメーションの便利な道具の一つで、誰しも一度は欲しいと願ったもの。
いわゆる魔道具ってやつかしら?
でもアニメーションに登場したものとは違いコスパの悪いその魔道具は一回だけ使える一方通行の代物だった。
でもセレーナはそれでよかった。この世界に2度と戻る気がなかったからだ。
セレーナは本気で帰ろうとした。
愛しい愛しい星、地球に。
xxx
この世界…ミュレを去ることに躊躇いはなかったと言えば嘘にはなる。
でも、もうこの世界にいたくなくなっていたのも事実だ。
前世の知識を使ってお金を稼ぐこともできたし、世界一の魔道士にもなる事ができたけれど、私の欲しいものはミュレにはなかった。
私が欲しかったもの。
それはたった1人の愛しい人と出会うこと。
別に他の国で探せばいいじゃんとか、遠い国に行けばいいじゃないとか色々な意見があるかとは思う。
けれど、私はこの世界の人間と関わり合いたくなかった。何故かって?他国も遠い国も乙女ゲームの物語の舞台なのよ。
…まぁ、それでも一度くらいは、この世界の人と結ばれてもいいかなって思った。
思ったこともあるけれど、単純に怖いのよね。乙女ゲームの世界で恋愛っていうのが。
ある意味逃げ出した形にはなるけど、逃げるは恥だが逃げるのは悪いことじゃない!と思う。
ちなみにまだ他の国ではゲームは始まってない。
一作目がこのレゾナール王国だった。
でもこの世界って、戦国時代さながらの時代設定だからとにかくどの国も交戦的で何かあったら戦じゃー!みたいな感じだから、乙女ゲームにはない戦争が始まった場合どうなるのかしらね?
その通りになったら攻略を企てていたヒロインちゃん、ご愁傷さまよね。
しかしこの国のヒロイン(義妹)以外はみんな前世持ちだったのがウケたわ。
これで少しは他の悪役令嬢が救われるといいけれど。そう思いながら影武者を務めてくれたご令嬢方々を思い出す。
悪役令嬢の方々にお礼として渡した魔石も有効利用することを祈るばかりだ。
あの魔石には私の魔法が込められていて、危険が及ぶと結界や転移、回復魔法などが使える仕様になっている。
使わないに越したことはないが、ないよりはあったほうがいい。
無いよりはあった方がいいといえばレゾナール王国には今までアーティファクトの結界があったから戦争とか血生臭いことはなかったが、これからは結界があるとは言え、いつ戦が起こるかわからないわよね。魔力なくなっちゃったし。
もしかしたら結界自体、魔力が無くなったら維持できなくなるかもしれない代物かもしれないし。
何よりあの交戦的な国の王が見逃すはずはない。
…まぁ、そんなことセレーナの知ったことでは無いけれど。
セレーナに冤罪で死刑を言い渡した罪は重い。
きちんと現実を受け止めて対処してほしい。まぁ、対処次第ではあの国は終わるかもしれないが。
マサキとして関わった人達や平民はあらかじめ住めるように開拓した未開拓とされる土地に移したし、心残りはもうないわ。
「私は私を悪役にする世界なんて願い下げだわ」
そう、セレーナは会場にいる人達の魔力と法務省で働くもの達の魔力を引き換えにあるものを長年の魔石研究の中で自ら生み出したものを完成させたのだ。
とある有名アニメーションの便利な道具の一つで、誰しも一度は欲しいと願ったもの。
いわゆる魔道具ってやつかしら?
でもアニメーションに登場したものとは違いコスパの悪いその魔道具は一回だけ使える一方通行の代物だった。
でもセレーナはそれでよかった。この世界に2度と戻る気がなかったからだ。
セレーナは本気で帰ろうとした。
愛しい愛しい星、地球に。
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この世界…ミュレを去ることに躊躇いはなかったと言えば嘘にはなる。
でも、もうこの世界にいたくなくなっていたのも事実だ。
前世の知識を使ってお金を稼ぐこともできたし、世界一の魔道士にもなる事ができたけれど、私の欲しいものはミュレにはなかった。
私が欲しかったもの。
それはたった1人の愛しい人と出会うこと。
別に他の国で探せばいいじゃんとか、遠い国に行けばいいじゃないとか色々な意見があるかとは思う。
けれど、私はこの世界の人間と関わり合いたくなかった。何故かって?他国も遠い国も乙女ゲームの物語の舞台なのよ。
…まぁ、それでも一度くらいは、この世界の人と結ばれてもいいかなって思った。
思ったこともあるけれど、単純に怖いのよね。乙女ゲームの世界で恋愛っていうのが。
ある意味逃げ出した形にはなるけど、逃げるは恥だが逃げるのは悪いことじゃない!と思う。
ちなみにまだ他の国ではゲームは始まってない。
一作目がこのレゾナール王国だった。
でもこの世界って、戦国時代さながらの時代設定だからとにかくどの国も交戦的で何かあったら戦じゃー!みたいな感じだから、乙女ゲームにはない戦争が始まった場合どうなるのかしらね?
その通りになったら攻略を企てていたヒロインちゃん、ご愁傷さまよね。
しかしこの国のヒロイン(義妹)以外はみんな前世持ちだったのがウケたわ。
これで少しは他の悪役令嬢が救われるといいけれど。そう思いながら影武者を務めてくれたご令嬢方々を思い出す。
悪役令嬢の方々にお礼として渡した魔石も有効利用することを祈るばかりだ。
あの魔石には私の魔法が込められていて、危険が及ぶと結界や転移、回復魔法などが使える仕様になっている。
使わないに越したことはないが、ないよりはあったほうがいい。
無いよりはあった方がいいといえばレゾナール王国には今までアーティファクトの結界があったから戦争とか血生臭いことはなかったが、これからは結界があるとは言え、いつ戦が起こるかわからないわよね。魔力なくなっちゃったし。
もしかしたら結界自体、魔力が無くなったら維持できなくなるかもしれない代物かもしれないし。
何よりあの交戦的な国の王が見逃すはずはない。
…まぁ、そんなことセレーナの知ったことでは無いけれど。
セレーナに冤罪で死刑を言い渡した罪は重い。
きちんと現実を受け止めて対処してほしい。まぁ、対処次第ではあの国は終わるかもしれないが。
マサキとして関わった人達や平民はあらかじめ住めるように開拓した未開拓とされる土地に移したし、心残りはもうないわ。
「私は私を悪役にする世界なんて願い下げだわ」
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