創訳聖書

非日常に歩んで来たアフトたる"蜚蠊"は、「光の皇子」と呼ばれる偶像をただ、最期に見届ける。そして、死に際に彼の残した一言は、最も閑奏な一言であった。

月日は流れ、世界は大海原にマリン船長を抱えた。この力は、最後まで、月日の流れを変えなかった瞳

 聖杯伝説



 火。

 焚べる薪。

 王は太陽を向いて。

 月夜に酒の肴として謳う。

「救世主が現れる。其の者は、この世界に大いなる戦火を齎すであろう。」

 人々は、笑った。

 新しい人の顔を見る。

 其の目に隈は無い。

 ただ、闇の中に一筋の光が、全て別れる水流の如く裁く。

 人々は知っていた。

 其の力が、笑顔に代わる新たなる装いを齎す事を、月明かりの(枕)元、日々の本で知っている。

 其の後は知るまい。

 本が一冊あるだけだ。

 其の本は、まるで、空白が目立つ様に、前半にだけ、びっしりとこびり付いた炭と跡とが、こう記した。

 Zeus-metaと。

 其の本がある。

 主(神)は、雷を遣わした。

 (主)人を燃やし尽くさんとする為だ。

 主(人)は、雷の中、現れた。

 大きな鷲が居た。

 其の十字架に居座り、大雨に傘と覆い被さった。

 晴れた後、主(人)は鷹を追い求めて、旅に出た。

 ハゲワシが十字架の周りに居着いた。

 雷は時折、降り、新たな種を蒔いた。

 (主)人は、其れを持って、全て焼いた。

 パンも家も、本も焼いた。

 全ては、(主)神の御導きによる福音。

 其の災禍の中、覗き込む様に、主(神)は、眠られた。

 幾年もの歳月を経て、(主)神は、降臨した。

 最強の伝説に勇姿を記す。


 マリンが聖杯を、大海から奪った。


 ルシファアが顕現した。


 魔王「ヤゴー」が討ち果たされた。


 カボチャの竜が復活した。


 隣国が魔界と戦争を始めた。


 ゴジラ  が長き眠りから解き放たれた_


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