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1章
夜市にて
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いよいよ夜市の日がやってきた。年末に1週間をかけて行われるこのイベントは一年を締めくくるお祭りとして各地に定着しており、日没から日付が変わる頃まで毎日出店を開く。オカチマチの場合は職人たちが夜市のために作った作品を町中に出した出店で販売する為、限定品の装飾品や宝飾品を求めて各地の愛好家達がやってくるのだった。
当日の朝から準備が行われ、町中に机やタープが並ぶ。職人ごとに区画が割り当てられるが、大抵が自分の店の前に配置される。蚤の市とは違い町中がイベント会場となり、来場者は地図を片手に町歩きを楽しむのだ。
リッカは夕方頃から店の外に机を並べて準備を始めた。小さめのタープを張り、軒先や天井に這わせたロープに魔導ランタンを下げる。魔導ランタンは魔法で色味や明るさを調節できるので便利なのだ。
いつもの作品の他に今回の新作やアクアマリンを目立つ場所に並べる。それらの周りにも小さなランタンを置いて作品に揺らめく光が当たるように調節した。周りの店も着々と準備を進め、日が暮れる頃に街は露店の灯りで一杯になった。
店の灯りが灯る頃、通りにはこの日を心待ちにしていた客があふれ出す。愛好家の中には家族を連れて周っている者も多く、年の瀬の家族行事として楽しまれているようだ。
リッカの店にもぽつぽつと人が訪れ始め、客は夜店の光に照らされてキラキラと光る宝石たちに目を細めるのだった。
「これ、オパール?綺麗ね」
オパールの指輪を見たご婦人がリッカに声をかける。
「はい!今回初めてオパールを出したんです。宜しければご試着いかがですか?」
「うふふ。気持ちは嬉しいけれど、遠慮しておくわ。私の歳じゃこんな可愛らしい宝石に失礼だもの」
婦人は少し寂しそうな声色でそういうと、愛おしそうにオパールの指輪を眺めた。
「いいじゃないか。折角の機会だし、試着させてもらったらどうだい?」
横に居た紳士が声をかける。どうやら二人は夫婦のようだった。
「是非!せっかくなので遠慮なく身に着けてみてください」
「……そう?じゃあ、お言葉に甘えようかしら」
夫人は戸惑いながらも指輪を手に取り指にはめ、指輪はするりと指に収まった。
「ぴったりですね!宜しければ鏡で見てみませんか?」
リッカは大きな鏡を取り出して夫人に見せる。夫人は恐る恐る鏡をのぞき込み指輪をはめた自分の姿を見つめた。
「……あら?」
不思議そうな声でそう言うと夫人はまじまじと鏡を見つめ、指輪がはまった指を色々な角度から鏡に映す。
「どうしたんだい?」
その様子を不思議に思った紳士が声をかけると、少し明るい声で夫人は言った。
「なんだか思ったよりも甘い感じがしないの。石の色味が可愛らしすぎるかなと思ったのだけれど……」
「確かにそのオパールは可愛らしい色味をしているのですが、指輪が銀で寒色系なので引き締まった印象を与えているのかもしれません。金だと暖色と暖色で甘い乙女らしい雰囲気になりがちですが……」
「そうね。若い女性向けかと思ったけれど、私も身に着けられそう」
鏡を見ながら嬉しそうに言う夫人を紳士はにこやかに見つめていた。
「お嬢さん、この指輪を頂けるかな」
「あら、あなた。良いんですか?」
「お前の嬉しそうな顔を久しぶりに見れたからね。今年一年のお礼として受け取っておくれ」
「まぁ!」
夫人は顔を赤らめ可愛らしく笑う。指輪はそのまま身に着けたいとの事だったので手提げ袋にケースを入れて渡した。
「素敵な贈り物をありがとう。良い一年になったわ。お嬢さん、良いお年を」
「こちらこそ!良いお年を!」
二人は仲睦まじそうに雑踏へと消えていく。オパールの作品が初めて売れた。それ以上に、ああして心から喜んでもらえたのがたまらなく嬉しかった。
「リッカ!」
「コハルさん!」
「よっ。見に来たぜ」
ぼんやりと喜びを噛みしめていると聞き慣れた声がしたのではっとして前を見ると、そこにはいつもの白衣ではなく真っ黒な分厚いダッフルコートを着たコハルと茶色いトレンチコートを着た女性が立っていた。
「あ、ああああ……あの!」
コハルの後ろに隠れるようにして立っている女性にリッカは見覚えがあった。
「もしかして、『黒き星』の?」
「は、はい!はじめまして、アキと申します!」
女性は緊張した面持ちでギクシャクしながら前に進み出る。
「こいつはオレの友人なんだが、どうしても一緒に来たいってうるさくてな。知っているとは思うが、『黒き城』で造形魔法技師をしているアキだ」
「手仕事で装飾品を作っている方々のお祭りと聞いて居ても立っても居られなくて!私、ずっと手仕事に憧れていて……」
アキはそう言いながら落ち着かない様子でリッカの作品をチラチラと眺めている。
「良かったら手に取って見ても大丈夫ですよ」
「良いんですか?」
ぱあっと明るい顔をしてアキは舐めるように作品を見始めた。
(手仕事祭で何があったのか……気になるけど聞けない)
作品に食い入るアキを眺めながらリッカは内心そんなことを考えていた。
「オパール、完成したんだな」
コハルは展示されているオパール指輪とピアスを手に取ってまじまじと眺める。
「はい。シンプルなデザインだけど……オパールを見て貰いたいので華美な装飾は要らないかなって。さっき早速一つ売れたんですよ!」
「お!それは良かった。オレの石も使ってくれているんだな。石も喜んでるぜ」
嬉しそうなコハルの顔を見て改めて「作って良かったな」と思った。作品を作り完成させたのはリッカだ。しかし、作る過程には鋳造をしてくれる人、石を買い付けて売ってくれる人、メッキをかけてくれる人など様々な人が関わっている。
作品を買ってくれる客の笑顔も勿論嬉しいが、作品を作るまでに携わってくれた人達が喜んでくれるとこんなに温かい気持ちになるのだとコハルの笑顔を見て実感した。
「あの、リッカさん。これ全部手作業で作っているんですよね?」
「そうですよ」
「わぁ……。凄いなぁ」
コハルの横でアキは目を輝かせながら作品を見ている。
「私、不器用なので手作業ではこんな素敵な作品作れないんです。それで造形魔法の学校に進んで今に至るんですけど……。手仕事祭でも色々なブースを拝見して、皆手作業で作られているとは思えない作品ばかりで、正直作れるのが羨ましいです」
「造形魔法は造形魔法で凄いと思いますよ。『黒き城』に新卒で入ったという事は相当腕が良いんでしょう?」
「自分で言うのもどうかと思うのですが、昔から魔法は得意だったんです。それで学校の先生にも造形魔法を進められて。本当は手作業の彫金を学びたかったのに諦めちゃいました。自分には向いていないって分かっていたので」
過去に作った作品群を思い浮かべながらアキは寂しそうに笑う。小さい頃の図工の成績はいつも1だった。好きなのに上手く出来ないもどかしさを紛らわすかのように造形魔法の勉強に没頭した。皮肉な事に魔法の腕はめきめきと伸びていったのだった。
「私も最初から出来ていたわけじゃないですよ。正直今も不器用で石座作りも上手くはないし」
そんなアキを見てリッカは口を開く。
「今回の新作も、コハルさん達に勧めて貰わなかったら作らなかったと思います。ずっと石留めと石座作りに自信が無くて、オパールを割ったり傷つけたりしないか怖くて逃げてたから。それでも何度も何度も練習してようやく『もう大丈夫かも』って思えたんです」
好きだからこそ「向いていないかも」という気持ちを恐れるのは良く分かる。今までのリッカもそうだったからだ。しかし今は少しだけ違う。少なくとも「挑戦して良かった」と思ってる。
「もし良かったらたまにうちの工房に遊びに来ませんか?私のスケジュールが空いている時になっちゃいますけど、彫金教えますよ」
「えっ」
アキの気持ちが良く分かるからこそ、今度は自分が一歩を踏み出す手伝いをしたい。
「良いんですか?」
「はい。販売とか考えずに、まずは挑戦してみたらどうでしょう」
「……ありがとうございます」
コハルはそんなアキを見て
(連れてきて良かったな)
と思ったのだった。
「では、後日お店に伺いますね!師匠!」
リッカのブローチを購入してルンルン気分のアキはそう言い残して去って行った。
(師匠……?)
最後の言葉に若干の疑問を感じながらもリッカは二人を見送る。夜市は日付が変わる頃まで続き、町は夜更けまで買い物客で賑わっていたのだった。
当日の朝から準備が行われ、町中に机やタープが並ぶ。職人ごとに区画が割り当てられるが、大抵が自分の店の前に配置される。蚤の市とは違い町中がイベント会場となり、来場者は地図を片手に町歩きを楽しむのだ。
リッカは夕方頃から店の外に机を並べて準備を始めた。小さめのタープを張り、軒先や天井に這わせたロープに魔導ランタンを下げる。魔導ランタンは魔法で色味や明るさを調節できるので便利なのだ。
いつもの作品の他に今回の新作やアクアマリンを目立つ場所に並べる。それらの周りにも小さなランタンを置いて作品に揺らめく光が当たるように調節した。周りの店も着々と準備を進め、日が暮れる頃に街は露店の灯りで一杯になった。
店の灯りが灯る頃、通りにはこの日を心待ちにしていた客があふれ出す。愛好家の中には家族を連れて周っている者も多く、年の瀬の家族行事として楽しまれているようだ。
リッカの店にもぽつぽつと人が訪れ始め、客は夜店の光に照らされてキラキラと光る宝石たちに目を細めるのだった。
「これ、オパール?綺麗ね」
オパールの指輪を見たご婦人がリッカに声をかける。
「はい!今回初めてオパールを出したんです。宜しければご試着いかがですか?」
「うふふ。気持ちは嬉しいけれど、遠慮しておくわ。私の歳じゃこんな可愛らしい宝石に失礼だもの」
婦人は少し寂しそうな声色でそういうと、愛おしそうにオパールの指輪を眺めた。
「いいじゃないか。折角の機会だし、試着させてもらったらどうだい?」
横に居た紳士が声をかける。どうやら二人は夫婦のようだった。
「是非!せっかくなので遠慮なく身に着けてみてください」
「……そう?じゃあ、お言葉に甘えようかしら」
夫人は戸惑いながらも指輪を手に取り指にはめ、指輪はするりと指に収まった。
「ぴったりですね!宜しければ鏡で見てみませんか?」
リッカは大きな鏡を取り出して夫人に見せる。夫人は恐る恐る鏡をのぞき込み指輪をはめた自分の姿を見つめた。
「……あら?」
不思議そうな声でそう言うと夫人はまじまじと鏡を見つめ、指輪がはまった指を色々な角度から鏡に映す。
「どうしたんだい?」
その様子を不思議に思った紳士が声をかけると、少し明るい声で夫人は言った。
「なんだか思ったよりも甘い感じがしないの。石の色味が可愛らしすぎるかなと思ったのだけれど……」
「確かにそのオパールは可愛らしい色味をしているのですが、指輪が銀で寒色系なので引き締まった印象を与えているのかもしれません。金だと暖色と暖色で甘い乙女らしい雰囲気になりがちですが……」
「そうね。若い女性向けかと思ったけれど、私も身に着けられそう」
鏡を見ながら嬉しそうに言う夫人を紳士はにこやかに見つめていた。
「お嬢さん、この指輪を頂けるかな」
「あら、あなた。良いんですか?」
「お前の嬉しそうな顔を久しぶりに見れたからね。今年一年のお礼として受け取っておくれ」
「まぁ!」
夫人は顔を赤らめ可愛らしく笑う。指輪はそのまま身に着けたいとの事だったので手提げ袋にケースを入れて渡した。
「素敵な贈り物をありがとう。良い一年になったわ。お嬢さん、良いお年を」
「こちらこそ!良いお年を!」
二人は仲睦まじそうに雑踏へと消えていく。オパールの作品が初めて売れた。それ以上に、ああして心から喜んでもらえたのがたまらなく嬉しかった。
「リッカ!」
「コハルさん!」
「よっ。見に来たぜ」
ぼんやりと喜びを噛みしめていると聞き慣れた声がしたのではっとして前を見ると、そこにはいつもの白衣ではなく真っ黒な分厚いダッフルコートを着たコハルと茶色いトレンチコートを着た女性が立っていた。
「あ、ああああ……あの!」
コハルの後ろに隠れるようにして立っている女性にリッカは見覚えがあった。
「もしかして、『黒き星』の?」
「は、はい!はじめまして、アキと申します!」
女性は緊張した面持ちでギクシャクしながら前に進み出る。
「こいつはオレの友人なんだが、どうしても一緒に来たいってうるさくてな。知っているとは思うが、『黒き城』で造形魔法技師をしているアキだ」
「手仕事で装飾品を作っている方々のお祭りと聞いて居ても立っても居られなくて!私、ずっと手仕事に憧れていて……」
アキはそう言いながら落ち着かない様子でリッカの作品をチラチラと眺めている。
「良かったら手に取って見ても大丈夫ですよ」
「良いんですか?」
ぱあっと明るい顔をしてアキは舐めるように作品を見始めた。
(手仕事祭で何があったのか……気になるけど聞けない)
作品に食い入るアキを眺めながらリッカは内心そんなことを考えていた。
「オパール、完成したんだな」
コハルは展示されているオパール指輪とピアスを手に取ってまじまじと眺める。
「はい。シンプルなデザインだけど……オパールを見て貰いたいので華美な装飾は要らないかなって。さっき早速一つ売れたんですよ!」
「お!それは良かった。オレの石も使ってくれているんだな。石も喜んでるぜ」
嬉しそうなコハルの顔を見て改めて「作って良かったな」と思った。作品を作り完成させたのはリッカだ。しかし、作る過程には鋳造をしてくれる人、石を買い付けて売ってくれる人、メッキをかけてくれる人など様々な人が関わっている。
作品を買ってくれる客の笑顔も勿論嬉しいが、作品を作るまでに携わってくれた人達が喜んでくれるとこんなに温かい気持ちになるのだとコハルの笑顔を見て実感した。
「あの、リッカさん。これ全部手作業で作っているんですよね?」
「そうですよ」
「わぁ……。凄いなぁ」
コハルの横でアキは目を輝かせながら作品を見ている。
「私、不器用なので手作業ではこんな素敵な作品作れないんです。それで造形魔法の学校に進んで今に至るんですけど……。手仕事祭でも色々なブースを拝見して、皆手作業で作られているとは思えない作品ばかりで、正直作れるのが羨ましいです」
「造形魔法は造形魔法で凄いと思いますよ。『黒き城』に新卒で入ったという事は相当腕が良いんでしょう?」
「自分で言うのもどうかと思うのですが、昔から魔法は得意だったんです。それで学校の先生にも造形魔法を進められて。本当は手作業の彫金を学びたかったのに諦めちゃいました。自分には向いていないって分かっていたので」
過去に作った作品群を思い浮かべながらアキは寂しそうに笑う。小さい頃の図工の成績はいつも1だった。好きなのに上手く出来ないもどかしさを紛らわすかのように造形魔法の勉強に没頭した。皮肉な事に魔法の腕はめきめきと伸びていったのだった。
「私も最初から出来ていたわけじゃないですよ。正直今も不器用で石座作りも上手くはないし」
そんなアキを見てリッカは口を開く。
「今回の新作も、コハルさん達に勧めて貰わなかったら作らなかったと思います。ずっと石留めと石座作りに自信が無くて、オパールを割ったり傷つけたりしないか怖くて逃げてたから。それでも何度も何度も練習してようやく『もう大丈夫かも』って思えたんです」
好きだからこそ「向いていないかも」という気持ちを恐れるのは良く分かる。今までのリッカもそうだったからだ。しかし今は少しだけ違う。少なくとも「挑戦して良かった」と思ってる。
「もし良かったらたまにうちの工房に遊びに来ませんか?私のスケジュールが空いている時になっちゃいますけど、彫金教えますよ」
「えっ」
アキの気持ちが良く分かるからこそ、今度は自分が一歩を踏み出す手伝いをしたい。
「良いんですか?」
「はい。販売とか考えずに、まずは挑戦してみたらどうでしょう」
「……ありがとうございます」
コハルはそんなアキを見て
(連れてきて良かったな)
と思ったのだった。
「では、後日お店に伺いますね!師匠!」
リッカのブローチを購入してルンルン気分のアキはそう言い残して去って行った。
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