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第六章 ケモナーと水のクランと風の宮
売られたものは買う主義
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優勝だと報告をハトさんから受けて俺たちは教室で大声をあげて喜んだ。
そのあとふと誰かがいった。
「あれ?…うちって正式にクランとして在籍しているのはケルン君だけじゃない?」
そういわれたケルンはきょとんとして、みんなは参加できないというのをよくわかっていなかった。
クランの担当である俺とケルンの二人だけでお茶会になったのは他は全員聴講生だったからだ。それどころか生徒ではない人もいるし…まぁ、水のクラン戦だから許された話だ。
残りのクラン戦では人数制限とか在籍者のみとしているからな。出る予定のない俺たちはそもそも関係ない。
とりあえず、学長先生のところに呼び出されたのでミルディをお供に三人でむかう。
俺はケルンの左肩にぐでっと乗っている。座っているより上半身をつき出している方が、ケルンが手を握りやすいというからだ。
俺の左手を掴むようにケルンは左手で握っている。胸の中に閉じ込められるよりはましになってきたが、それでも人が多いところを歩くときは手は繋いでいないと落ち着かないようだ。
特にここのところ人垣ができるからなぁ。
声かけがすごいから誘う前からミルディは気合いをいれてついてきてくれているほどだ。
「ケルン君!こっちみて!」
「エフデ監督!新作待ってますよ!」
「ケルン君!すっごくかわいかったよ!」
おかしい。スタッフロールで誰が演じたかは隠したはずなのにばれている。俺が監督なのはスタッフロールに載せたからだからわかるが、ケルンも作画に載せたりしただけだっていうのに。気づくの早くね?
「ありがとうございまーす」
ケルンがにこっと笑う。するといつものキラキラがそこかしこに飛んでいって、声をかけた人たちに刺さった。
「きゃー!かわいい!」
野太い声が混ざっていたがおおむね黄色い声だ。
やっばり、あのキラキラ魅了効果とかあるんじゃねぇかな。
ペギン君の声がケルンだと気づくほどケルンにはファンがついたってことなんだろうな…マジで夜会デビューとか止めさせた方がよくねぇかな?父様と相談しないと、ストーカーとかできそうなんだけど。
「まぁ、何にしろ…ファンが増えたなぁ」
「ふぁん?」
「ケルンに憧れてる…ケルンを大好きな人ってこと」
ファンって聞いたことがないもんな。普通は使わないし。説明をしてやれば、目をキラキラさせだした。小さいキラキラがこぼれてるぞ?俺にかかるんだけど。
「お兄ちゃんは?お兄ちゃんも僕のふぁん?」
「は?俺?あー…ファンかなぁ?」
キラキラ飛ばせるのは憧れるな。どうやったら出せるのかいまだに謎だ。本人に聞いてもわからないみたいだし、俺以外見えていないからな。
キラキラのことを聞くと変な目で見られるってそんな知識は得たくなかった。
「僕もね、お兄ちゃんのふぁんだよ!」
「おー。お?うん?」
よくわからないが、ケルンがにこにこしているからうなづいておいた。ミルディに助けを求めようと思ったが、首を振られた。まぁ、俺がわからないのに、ミルディがわかるわけないもんな。
ケルンがどうしてそんな結論に飛ぶのかはわかんねぇよな…思考のほとんどを俺が使っているだったらどうしよう。子供だから突拍子もなく直感でいってるだけだと思いたい。
学長先生の部屋にまたも来た。お叱りやお願いではなく呼ばれるのは初めてだ。というか、普通はそんなに呼ばれるものではないな。
「まぁまぁ、ようこそ。お待ちしておりました」
ミルディが扉を開ければ学長先生が機嫌よさそうに声をかけてきた。
挨拶を返す間もなく映画のことを絶賛してくれていたが、長くなるのが、目に見えたので話をそこそこに本題に入ることにした。
「あの学長先生。今回、特別だからと賞品を渡すといわれたのですが、どのような物なのでしょうか?」
「みんなで、分けれますか?」
優勝しましたおめでとう!みたいな賞状でも手伝ってくれたみんなに見てもらいたい。
映画の作成を手伝ってくれた人たちへのお礼の宴は、屋敷に帰る前の日に盛大にやる予定だ。
それはもうすごい宴になる。ランディの畑や果樹園をとりつくすほど食材を集め、ハンクがコーザさんを手伝いに雇って仕込みを開始しているぐらいだ。
ハルハレはそのせいで休業らしい。賃金は父様が払ってくれるらしいから、コーザさんは安心している。軽くめまいがしたとかいってたけど、疲れが出ているんだろうな。
そんなことをケルンと思い合っていたため、学長先生に二人で聞いたのだ。
返答は拍子抜けするものだった。
「それについてですが…物…ではないのです。例年は有識者を交えたお茶会を設けております。知識に優るものなどありませんからね」
「お茶会?」
「とても珍しいお茶を用意していますよ」
「それは楽しみ…例年はですか?」
ケルンは紅茶の茶葉にこだわりがある方だから、いい茶葉なら取り寄せてもいいかもしれない。お茶会という、単語に少し顔がにやけたしな。
ただ、例年はというところが引っ掛かった。
有識者と軽く討論しながらのお茶会は俺のような存在からすればたまらなく楽しいことなのだが、えらく含みのあるように感じたのだ。
「そのですね…今回、とてもすばらしい作品であることと、サイジャルですら発明できなかった品であるとして特別な方とのお茶会になりました。しかも、その方のみとです」
「特別な方?」
「どなたですかー?」
一人だけに面と向かってお茶を飲むっていうのは、サイジャルでどうかは知らないが、かなり身分の上の人が親しい者を呼ぶときのやり方だ。
貴族社会のルールではあるが、特別な方っていうほど特別な人か。王族はサイジャルではいないし、貴族もいない。いるのは職員とあと。
あっ。
「理事会の方…中でも最年長のお方です」
落ち着いている学長先生の顔から冷や汗がぽたりと落ちた。
サイジャルの理事会というのは、噂がたくさんあるところだ。
純血のエルフがいる。巨人がいる。龍がいる。などなど。色んな噂があるが、誰も知らない。
「どんなお茶なのかな?お菓子に合うといいね!」
「緊張感をどこに置いてきた?部屋か?」
そんなすごい人に会うからと王様に会うときの正式な服装をわざわざしたのだ。
本当はエレス様に会うときはこの格好をしなければならなかったのだけど、謁見の場じゃなかったし、仕方ないだろう。
学長先生から教えてもらった場所は学園の外にある教会だった。
「なーんにもないね!」
「何もないなぁ」
教会なのは外だけなのか中には何もない。祭壇もなければ、精霊様の像もない。棒神様を表す○すらない。祈る人のための椅子もなくがらんとした教会だ。
代わりに三枚の大きなステンドグラスが目立っていた。
中心の一際大きなステンドグラスには、杖を持つ人物が描かれている。右の少し小さなステンドグラスには赤い龍が空を飛んでいるような構図だ。左のステンドグラスは青い龍と男性が手を握っているのだろうか。
かなり抽象的なステンドグラスだが、何かの物語の一節なんだろうか。
「エフデ様、坊ちゃま。私から離れませんように…人が見ています」
俺がそのように考えていればミルディが何者かの視線を感じとったようだ。
ケルンは俺を肩から胸へと移動させた。
「怖い人?…お兄ちゃん…ミルディ…」
「落ち着け。お茶会に来たんだから」
「坊ちゃま。ご心配なく…私が守ります」
不安そうに俺を抱えて力を込めてくるが、ミルディが声をかければ少し力が弱まった。
「そこまで、警戒なされずとも」
「何者か!」
声に反応してミルディがケルンの前にかばうように出る。
突然、前方の暗がりに人が現れた。最初からいたのかもしれないが、本当に突然認識した感じだ。
「…というのも難しいですね…この前の一件がありましたから」
現れたのは…若くも見えるが老いてもみえる不思議な執事の男性だ。耳が尖っているがエルフにしては、そこまで尖っていないようだ。
「ようこそお越しくださりました。こちらで、我が主がお待ちしております」
足音一つ立てずに俺たちの前に現れた男性はまったく心がないようにみえた。その緑色の瞳はどこまでも凪いでいるようだった。何も映さず、俺たちに興味がないとすぐにわかってしまう。
こういう目をしている人種がそばにいるからわかるが、この人はティルカ並みだろう。忠誠心…それと時折ティルカからにじみ出る威圧の類いをこの人も持っている。
「こちらへ…お供の執事見習いはここで待機してください」
「それは!」
「何か?我が主がその辺の俗物とお思いか?これだから…半端は困るのですよ。性別も定まらない種族など我が主の近辺にいるだけでもおこがましい」
ミルディを一人残すことにもだが、聞き捨てならない言葉を聞いた。
ケルンも顔をしかめている。それ以上にミルディの顔が歪む。
それすらも黙らすほど彼からの威圧を感じる。彼は何も変わっていないを表情は何一つ変わっていない。
だが、うちのケルンには効果はまったくない。
むしろ火がついた。
「ミルディー、待ってて」
「坊ちゃま!ですが!」
「大丈夫!面白くなかったらすぐ戻るから!こんな人がいるだけで、僕もう面白くないけどね!」
ケルンがずばっといいきった。
そこでようやく執事の人の眉がぴくりと動いた。
「そうだな。ケルンにおめでとうをいうためのお茶会なんだろ?こんなつまんねぇ場所に、別に来たくて来たわけではないんだから帰ってもいいわな…いいか?誘われたから来てやったんだ。そこんとこ勘違いしてんじゃねーよ」
「ねーよ!」
青筋を浮かべるが、俺とケルンの方が腹が立っている。
喧嘩を売ったのはそっちが先だからな。
あとケルンは俺の真似をしない。ミルディがチクるかもしれないからな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
変換で出た顔文字がちょうどいいので、こんなイメージです。
(^ω^)<勘違いしてんじゃねーよ(やんのか?おっ?)
(*>д<)<ねーよ!
そのあとふと誰かがいった。
「あれ?…うちって正式にクランとして在籍しているのはケルン君だけじゃない?」
そういわれたケルンはきょとんとして、みんなは参加できないというのをよくわかっていなかった。
クランの担当である俺とケルンの二人だけでお茶会になったのは他は全員聴講生だったからだ。それどころか生徒ではない人もいるし…まぁ、水のクラン戦だから許された話だ。
残りのクラン戦では人数制限とか在籍者のみとしているからな。出る予定のない俺たちはそもそも関係ない。
とりあえず、学長先生のところに呼び出されたのでミルディをお供に三人でむかう。
俺はケルンの左肩にぐでっと乗っている。座っているより上半身をつき出している方が、ケルンが手を握りやすいというからだ。
俺の左手を掴むようにケルンは左手で握っている。胸の中に閉じ込められるよりはましになってきたが、それでも人が多いところを歩くときは手は繋いでいないと落ち着かないようだ。
特にここのところ人垣ができるからなぁ。
声かけがすごいから誘う前からミルディは気合いをいれてついてきてくれているほどだ。
「ケルン君!こっちみて!」
「エフデ監督!新作待ってますよ!」
「ケルン君!すっごくかわいかったよ!」
おかしい。スタッフロールで誰が演じたかは隠したはずなのにばれている。俺が監督なのはスタッフロールに載せたからだからわかるが、ケルンも作画に載せたりしただけだっていうのに。気づくの早くね?
「ありがとうございまーす」
ケルンがにこっと笑う。するといつものキラキラがそこかしこに飛んでいって、声をかけた人たちに刺さった。
「きゃー!かわいい!」
野太い声が混ざっていたがおおむね黄色い声だ。
やっばり、あのキラキラ魅了効果とかあるんじゃねぇかな。
ペギン君の声がケルンだと気づくほどケルンにはファンがついたってことなんだろうな…マジで夜会デビューとか止めさせた方がよくねぇかな?父様と相談しないと、ストーカーとかできそうなんだけど。
「まぁ、何にしろ…ファンが増えたなぁ」
「ふぁん?」
「ケルンに憧れてる…ケルンを大好きな人ってこと」
ファンって聞いたことがないもんな。普通は使わないし。説明をしてやれば、目をキラキラさせだした。小さいキラキラがこぼれてるぞ?俺にかかるんだけど。
「お兄ちゃんは?お兄ちゃんも僕のふぁん?」
「は?俺?あー…ファンかなぁ?」
キラキラ飛ばせるのは憧れるな。どうやったら出せるのかいまだに謎だ。本人に聞いてもわからないみたいだし、俺以外見えていないからな。
キラキラのことを聞くと変な目で見られるってそんな知識は得たくなかった。
「僕もね、お兄ちゃんのふぁんだよ!」
「おー。お?うん?」
よくわからないが、ケルンがにこにこしているからうなづいておいた。ミルディに助けを求めようと思ったが、首を振られた。まぁ、俺がわからないのに、ミルディがわかるわけないもんな。
ケルンがどうしてそんな結論に飛ぶのかはわかんねぇよな…思考のほとんどを俺が使っているだったらどうしよう。子供だから突拍子もなく直感でいってるだけだと思いたい。
学長先生の部屋にまたも来た。お叱りやお願いではなく呼ばれるのは初めてだ。というか、普通はそんなに呼ばれるものではないな。
「まぁまぁ、ようこそ。お待ちしておりました」
ミルディが扉を開ければ学長先生が機嫌よさそうに声をかけてきた。
挨拶を返す間もなく映画のことを絶賛してくれていたが、長くなるのが、目に見えたので話をそこそこに本題に入ることにした。
「あの学長先生。今回、特別だからと賞品を渡すといわれたのですが、どのような物なのでしょうか?」
「みんなで、分けれますか?」
優勝しましたおめでとう!みたいな賞状でも手伝ってくれたみんなに見てもらいたい。
映画の作成を手伝ってくれた人たちへのお礼の宴は、屋敷に帰る前の日に盛大にやる予定だ。
それはもうすごい宴になる。ランディの畑や果樹園をとりつくすほど食材を集め、ハンクがコーザさんを手伝いに雇って仕込みを開始しているぐらいだ。
ハルハレはそのせいで休業らしい。賃金は父様が払ってくれるらしいから、コーザさんは安心している。軽くめまいがしたとかいってたけど、疲れが出ているんだろうな。
そんなことをケルンと思い合っていたため、学長先生に二人で聞いたのだ。
返答は拍子抜けするものだった。
「それについてですが…物…ではないのです。例年は有識者を交えたお茶会を設けております。知識に優るものなどありませんからね」
「お茶会?」
「とても珍しいお茶を用意していますよ」
「それは楽しみ…例年はですか?」
ケルンは紅茶の茶葉にこだわりがある方だから、いい茶葉なら取り寄せてもいいかもしれない。お茶会という、単語に少し顔がにやけたしな。
ただ、例年はというところが引っ掛かった。
有識者と軽く討論しながらのお茶会は俺のような存在からすればたまらなく楽しいことなのだが、えらく含みのあるように感じたのだ。
「そのですね…今回、とてもすばらしい作品であることと、サイジャルですら発明できなかった品であるとして特別な方とのお茶会になりました。しかも、その方のみとです」
「特別な方?」
「どなたですかー?」
一人だけに面と向かってお茶を飲むっていうのは、サイジャルでどうかは知らないが、かなり身分の上の人が親しい者を呼ぶときのやり方だ。
貴族社会のルールではあるが、特別な方っていうほど特別な人か。王族はサイジャルではいないし、貴族もいない。いるのは職員とあと。
あっ。
「理事会の方…中でも最年長のお方です」
落ち着いている学長先生の顔から冷や汗がぽたりと落ちた。
サイジャルの理事会というのは、噂がたくさんあるところだ。
純血のエルフがいる。巨人がいる。龍がいる。などなど。色んな噂があるが、誰も知らない。
「どんなお茶なのかな?お菓子に合うといいね!」
「緊張感をどこに置いてきた?部屋か?」
そんなすごい人に会うからと王様に会うときの正式な服装をわざわざしたのだ。
本当はエレス様に会うときはこの格好をしなければならなかったのだけど、謁見の場じゃなかったし、仕方ないだろう。
学長先生から教えてもらった場所は学園の外にある教会だった。
「なーんにもないね!」
「何もないなぁ」
教会なのは外だけなのか中には何もない。祭壇もなければ、精霊様の像もない。棒神様を表す○すらない。祈る人のための椅子もなくがらんとした教会だ。
代わりに三枚の大きなステンドグラスが目立っていた。
中心の一際大きなステンドグラスには、杖を持つ人物が描かれている。右の少し小さなステンドグラスには赤い龍が空を飛んでいるような構図だ。左のステンドグラスは青い龍と男性が手を握っているのだろうか。
かなり抽象的なステンドグラスだが、何かの物語の一節なんだろうか。
「エフデ様、坊ちゃま。私から離れませんように…人が見ています」
俺がそのように考えていればミルディが何者かの視線を感じとったようだ。
ケルンは俺を肩から胸へと移動させた。
「怖い人?…お兄ちゃん…ミルディ…」
「落ち着け。お茶会に来たんだから」
「坊ちゃま。ご心配なく…私が守ります」
不安そうに俺を抱えて力を込めてくるが、ミルディが声をかければ少し力が弱まった。
「そこまで、警戒なされずとも」
「何者か!」
声に反応してミルディがケルンの前にかばうように出る。
突然、前方の暗がりに人が現れた。最初からいたのかもしれないが、本当に突然認識した感じだ。
「…というのも難しいですね…この前の一件がありましたから」
現れたのは…若くも見えるが老いてもみえる不思議な執事の男性だ。耳が尖っているがエルフにしては、そこまで尖っていないようだ。
「ようこそお越しくださりました。こちらで、我が主がお待ちしております」
足音一つ立てずに俺たちの前に現れた男性はまったく心がないようにみえた。その緑色の瞳はどこまでも凪いでいるようだった。何も映さず、俺たちに興味がないとすぐにわかってしまう。
こういう目をしている人種がそばにいるからわかるが、この人はティルカ並みだろう。忠誠心…それと時折ティルカからにじみ出る威圧の類いをこの人も持っている。
「こちらへ…お供の執事見習いはここで待機してください」
「それは!」
「何か?我が主がその辺の俗物とお思いか?これだから…半端は困るのですよ。性別も定まらない種族など我が主の近辺にいるだけでもおこがましい」
ミルディを一人残すことにもだが、聞き捨てならない言葉を聞いた。
ケルンも顔をしかめている。それ以上にミルディの顔が歪む。
それすらも黙らすほど彼からの威圧を感じる。彼は何も変わっていないを表情は何一つ変わっていない。
だが、うちのケルンには効果はまったくない。
むしろ火がついた。
「ミルディー、待ってて」
「坊ちゃま!ですが!」
「大丈夫!面白くなかったらすぐ戻るから!こんな人がいるだけで、僕もう面白くないけどね!」
ケルンがずばっといいきった。
そこでようやく執事の人の眉がぴくりと動いた。
「そうだな。ケルンにおめでとうをいうためのお茶会なんだろ?こんなつまんねぇ場所に、別に来たくて来たわけではないんだから帰ってもいいわな…いいか?誘われたから来てやったんだ。そこんとこ勘違いしてんじゃねーよ」
「ねーよ!」
青筋を浮かべるが、俺とケルンの方が腹が立っている。
喧嘩を売ったのはそっちが先だからな。
あとケルンは俺の真似をしない。ミルディがチクるかもしれないからな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
変換で出た顔文字がちょうどいいので、こんなイメージです。
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