117 / 229
第四章 学園に行くケモナー
クラスの意味
しおりを挟む
自己紹介を終えたら、ナザドは次の講義の準備があるとかで、退室した。
入学式を終えて説明を受けたら解散!とはならない。
学園は寄宿舎もある学びの場なのだ。
午後からは、カリキュラムを組んだり、体験講義を受けたりして、来週から本格的な講義が始まる。
ただ、明日は、魔法に関する必修講義があるとかで、時間も決められている。
「緊張したー」
頑張ったな。
「…お友だち作りも頑張る!」
教室に残ってる子達のほとんどが、お互いが知り合いなのか、何組か固まっている。
とりあえず、ミケ君たちと午後のことを話そうか。
「そうだね!メリアちゃん、ミケ君とこ、行こ?」
「はい、参りましょう」
カリキュラムとかの相談をしようと思って、斜め後ろをにいるミケ君のところに向かうと腕を組んで、ミケ君は何か考え込んでいる。
「ミケ君、どうしたの?」
「ん?ああ。まさか組分けで、こうなるとはな…」
そのことはメリアちゃんも考えているようだった。
なにか気になるクラス分けだったか?
「そうですわね…今回は特別なのかしら?精霊様の導きとはいえ…少し不安ですわ」
二人揃って、何だか疲れているようだな…しかし、精霊様の導きってのは、運命的なことか?
「ねぇ、二人とも、何でそんなに疲れてるの?あ!もしかして、友達作るのが難しいとか悩んでる?大丈夫だよー!笑顔でいたら、すぐにできるよー!お兄ちゃんが笑顔が大事って!」
何事も笑顔が大事だからな。
そういって、フォローしたら、ミケ君が、頭を撫でてきた。
「はは、ケルン。本当にお前は純真というか…天然だな。エフデ殿に遊ばれているぞ?」
「もう、お兄様!ケルン様は、こういうところが、可愛い方なんですよ?きっとエフデお兄様も同じ気持ちです!」
ミケ君が大人びた笑みで、メリアちゃんはお姉さんっぽくしている…って、二人とも!馬鹿にしないでくれないか!
「むー!」
見ろ!ケルンの頬っぺが膨らんでゆくぞ…破裂したら、大変なことになるぞ…たぶん。
「ケルン、私達三人をのぞいた七名をみて、どう思った?」
「ぷひゅー…どう?って、んー…貴族なのかな?とは思ったけど」
苦笑して、ミケ君が、頬っぺを押してきたので、ケルンは空気を出しながら、ミケ君の質問に答える。
立ち振舞いが、貴族であるぐらいはわかる。問題は、どこの国のどんな地位の子供かと聞かれると、さっぱりなことだ。
「そうだ。しかも、彼らはクウリィエンシアの者たちだ…それもみな建国貴族の子息や令嬢だ」
「え?建国貴族なんだ」
はぁ!建国貴族の子供達って、マジで!色々おかしいなのいたけど!
「私たちはあまり夜会には出ていませんが、一応、各家の子供たちのことは話を聞いていたのです…ただ…その…」
「みんな、落ちこぼれということになっている…私たちを含めてな」
「落ちこぼれ?」
なんか、嫌な言葉だな。
「ですが、皆さん…ある種の天才ではありませんでしたか?」
「ある種のな。建国貴族としては…ケルンぐらいではないか?今のところ相応しいというのは」
「確かに…あの魔法ですものね…」
双子特有といえばいいのか、二人の世界に入ってしまったような気がする。
「なんか、難しい話なのかな?」
かもしれないが、気になるのはそこか。
「え?二人が仲良しなのはいいことだよ?」
お前、もうちょっと自己主張してもいいと思うぞ?
「じこしゅっちょう?」
自己主張な。
なんで出張するんだよ。
「しかし、精霊も気がきいたことをする。0組とは、中々悪くないと思うが、皮肉がすぎる」
ん?0組って何か意味があるのか?
「ねぇ、0組って何か意味があるの?」
ミケ君に尋ねれば、とてもケルンと同じ子供にはみえない笑みを浮かべた。
「0組は、問題児が集まるとされている。そのほとんどが…家を継ぐ資格がないといわれているほどだ。私も…父上の跡を継ぐ資格がないと、精霊からいわれているのだろうな」
「そんなことはありませんわ。大丈夫です、お兄様」
「そうだよ!大丈夫!ミケ君は僕よりしっかりしてるもん!安心だよ?」
ケルンの言葉に二人がぴたりと止まって見つめてくる。
まだなにもいわれていないが、いいたいことはすごくわかる。
「すごいな、いっぺんに肩の力が抜けた。さすがだぞ、ケルン」
「本当に…お顔だけではなく全てがかわいらしいお方です」
「あっれぇ?」
お前よりしっかりしてるって、それは基準が低すぎるよな。
入学式を終えて説明を受けたら解散!とはならない。
学園は寄宿舎もある学びの場なのだ。
午後からは、カリキュラムを組んだり、体験講義を受けたりして、来週から本格的な講義が始まる。
ただ、明日は、魔法に関する必修講義があるとかで、時間も決められている。
「緊張したー」
頑張ったな。
「…お友だち作りも頑張る!」
教室に残ってる子達のほとんどが、お互いが知り合いなのか、何組か固まっている。
とりあえず、ミケ君たちと午後のことを話そうか。
「そうだね!メリアちゃん、ミケ君とこ、行こ?」
「はい、参りましょう」
カリキュラムとかの相談をしようと思って、斜め後ろをにいるミケ君のところに向かうと腕を組んで、ミケ君は何か考え込んでいる。
「ミケ君、どうしたの?」
「ん?ああ。まさか組分けで、こうなるとはな…」
そのことはメリアちゃんも考えているようだった。
なにか気になるクラス分けだったか?
「そうですわね…今回は特別なのかしら?精霊様の導きとはいえ…少し不安ですわ」
二人揃って、何だか疲れているようだな…しかし、精霊様の導きってのは、運命的なことか?
「ねぇ、二人とも、何でそんなに疲れてるの?あ!もしかして、友達作るのが難しいとか悩んでる?大丈夫だよー!笑顔でいたら、すぐにできるよー!お兄ちゃんが笑顔が大事って!」
何事も笑顔が大事だからな。
そういって、フォローしたら、ミケ君が、頭を撫でてきた。
「はは、ケルン。本当にお前は純真というか…天然だな。エフデ殿に遊ばれているぞ?」
「もう、お兄様!ケルン様は、こういうところが、可愛い方なんですよ?きっとエフデお兄様も同じ気持ちです!」
ミケ君が大人びた笑みで、メリアちゃんはお姉さんっぽくしている…って、二人とも!馬鹿にしないでくれないか!
「むー!」
見ろ!ケルンの頬っぺが膨らんでゆくぞ…破裂したら、大変なことになるぞ…たぶん。
「ケルン、私達三人をのぞいた七名をみて、どう思った?」
「ぷひゅー…どう?って、んー…貴族なのかな?とは思ったけど」
苦笑して、ミケ君が、頬っぺを押してきたので、ケルンは空気を出しながら、ミケ君の質問に答える。
立ち振舞いが、貴族であるぐらいはわかる。問題は、どこの国のどんな地位の子供かと聞かれると、さっぱりなことだ。
「そうだ。しかも、彼らはクウリィエンシアの者たちだ…それもみな建国貴族の子息や令嬢だ」
「え?建国貴族なんだ」
はぁ!建国貴族の子供達って、マジで!色々おかしいなのいたけど!
「私たちはあまり夜会には出ていませんが、一応、各家の子供たちのことは話を聞いていたのです…ただ…その…」
「みんな、落ちこぼれということになっている…私たちを含めてな」
「落ちこぼれ?」
なんか、嫌な言葉だな。
「ですが、皆さん…ある種の天才ではありませんでしたか?」
「ある種のな。建国貴族としては…ケルンぐらいではないか?今のところ相応しいというのは」
「確かに…あの魔法ですものね…」
双子特有といえばいいのか、二人の世界に入ってしまったような気がする。
「なんか、難しい話なのかな?」
かもしれないが、気になるのはそこか。
「え?二人が仲良しなのはいいことだよ?」
お前、もうちょっと自己主張してもいいと思うぞ?
「じこしゅっちょう?」
自己主張な。
なんで出張するんだよ。
「しかし、精霊も気がきいたことをする。0組とは、中々悪くないと思うが、皮肉がすぎる」
ん?0組って何か意味があるのか?
「ねぇ、0組って何か意味があるの?」
ミケ君に尋ねれば、とてもケルンと同じ子供にはみえない笑みを浮かべた。
「0組は、問題児が集まるとされている。そのほとんどが…家を継ぐ資格がないといわれているほどだ。私も…父上の跡を継ぐ資格がないと、精霊からいわれているのだろうな」
「そんなことはありませんわ。大丈夫です、お兄様」
「そうだよ!大丈夫!ミケ君は僕よりしっかりしてるもん!安心だよ?」
ケルンの言葉に二人がぴたりと止まって見つめてくる。
まだなにもいわれていないが、いいたいことはすごくわかる。
「すごいな、いっぺんに肩の力が抜けた。さすがだぞ、ケルン」
「本当に…お顔だけではなく全てがかわいらしいお方です」
「あっれぇ?」
お前よりしっかりしてるって、それは基準が低すぎるよな。
10
お気に入りに追加
319
あなたにおすすめの小説

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる