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第三章 運命の出会いとケモナー
ふるもっふ
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「坊ちゃま。お帰りなさいませ。そちらの方々は?エセニアはどうしたのです?」
馬車をおりて、ケルンは二人を連れて、玄関の扉を開けた。ちょっと、重いから、力いっぱい押さないと開かないんだが、扉の向こうから補助がすぐに来て、フィオナが開けてくれた。ミルデイは、馬車を戻しにいっている。
「ただいま、フィオナ!お客様を連れてきたんだけど…カルドと母様は?」
いつもなら、カルドが扉を開いてくれるし、母様も出迎えてくれるのだが、今日に限って、二人の姿が見えない。どこかにでかけたのだろうか?
「はい、奥様は少し、急用がございまして、執事長と共にお出かけになられました。今日中には戻られるそうですが、いつ頃お戻りになるかはわからないそうです」
「そうか…んー」
「それで、坊ちゃま。エセニアはどうしたのですか?」
フィオナが少し怒っているな。無断でいないわけじゃないことをいわないとな。
「えっとね、なんだかね、この子たちをね、変な人が狙ってるから、エセニアがね、追い払いに行ったの」
「また誘拐犯ですか!こうしていられません!奥様に連絡して、屋敷の警護をランディに」
「まって!フィオナ落ち着いて!」
困ったな…母様かカルドに『コール』してもらおうと思っていたんだが、フィオナが誘拐犯がきたと思っている。そんなに慌てなくても平気なんだがな。
フィオナも娘のことを心配していないっていうのは、信頼の証なんだろうな。
「では、旦那様に」
「それも待って!」
父様に連絡をするのは避けたいところだ。
『コール』の魔法がケルンにも使えるようになったのだが、いきなり『コール』をすれば父様のことだ、仕事を部下に任せて帰宅する。
司祭様から念を押されたのだ。今父様はかなり重要な仕事をしているらしく、なるべく仕事に集中させてほしいと。
父様は無視していいといったが、それはちょっとな…母様か、カルドなら、父様に連絡しやすい時間がわかると思ったんだけど…まぁ、エセニアが戻ってきても、二人ともいないのなら『コール』してみるか。
「メイド長様。エセニアさんから、お客様の入浴の準備をするように、申しつかっております」
「そういえば…わかりました。ミルデイ。こちらに来なさい、準備をします、お客様は…坊ちゃま?若様のお勉強ですよ?キャスから習いましたよね?」
「うん!任せて!」
馬車をしまって戻ってきたミルデイがフィオナにそういって、風呂の用意をしに行く。
いつもは、お客様を客間に通すまでが仕事なのだが、たぶん、ミルデイから詳しく話を聞くつもりなんだろう。それと、フィオナの人を見る目は確かだ。ケルンに危害を加えないという判断をしたのだろう。ミルデイを一目見た時も、坊ちゃまの執事にふさわしいと、珍しく褒めていたぐらいだ。
できるメイド長は、人を見るぐらい余裕なんだろうな。
それと若様の勉強というのは、家に父様や母様がいない場合、一番偉いのはケルンになるということだ。それゆえい、お客をもてなすホストをしないといけない。
まぁ、そうじゃなくても二人を案内するつもりだったけどな!
「ゆっくりしてね!」
二人を客間につれてきて、さて、椅子に座ろうかと思うと、二人は椅子が汚れると思ったのか、羽織ったままだったローブを脱いだ。
ミケ君の耳はぴんっととんがってて、凛々しく、メリアちゃんの耳は、ちょっとぺたんとしてて、まさに眼福。
そして、俺の情報量が爆散するほどの衝撃がきた。ケルンの感情も壊れたかのように、高まっていく。
「どうしたケルン?今更、このような我が身に驚くことはないだろ?」
「…ル」
「ケルン様?どうされたのです?」
二人が心配そうに近づいてくるので、思わず二人をまとめて抱きしめてしまった。
「うわ!ケルン!」
「きゃ!ケルン様!」
驚かせてしまったようだが、それよりも、俺は棒神様に、感謝と崇拝をささげる。次に棒神様が動物達と戯れる絵画を教会に奉納することを決めた。
「いったい、どうしたというのだ?」
「は、はしたないですわ、ケルン様」
困惑している二人に、俺とケルンから、どうしてもいいたいことがあった。
「も」
「も?」
ミケ君、こっちをみないで、さらに高まる。メリアちゃんは恥ずかしそうなままで、うわ、二人とも柔らかい。いい匂いもするし、なんだ、この気持ち!
ああ、ダメだ。溢れる。
「もっふるもっふる!」
二人が、固まる。そして、ケルンの視界をゆるゆる動く。
見えたのは二人の尻尾。
尻尾ぉぉぉぉぉぉぉ!
艶がでているから、お手入ればっちりってか、二人とも花のような匂いなんだけど!
何、これ、香油?香油なの?どこで作ってるの?調合の知識にないぞ、このいい匂い。修行したい。いや、もっと天然な匂いの香油か香水を…まて、毛並が悪くなってしまってはいけない。そこも踏まえないといけない。そうだ、二人の為に、香油を調合しよう。その為にも、どこで買ったのかきかないと。秘伝のレシピだろうとなんだろうと、調合してみせる。
いや、ほんと、ミケ君からは、花は花でも、ふわってする、そうだ桜だ。桜の匂いだ。メリアちゃんからは、百合の甘さを控えめにしたような匂いがする。ははっ、心臓止まっちゃうね!でも、すでに、心臓は残像生み出せるほど、早く動いているから、誰もこの高まりを止めることなどできん!
ああ、何だろ。妖精さん?この二人って妖精さんなの?
「ケ、ケルン!だ、ダメだぞ!私達は、そ、そのような間柄では!」
「そ、そうです!ケルン様、まだお互いを知らないというのに…その、ぶ、文通からいたしましょ?」
「メリア!お前は立場をわきまえなければならないだろ!」
「あら、お兄様。お兄様もご一緒したいのでしょ?わかりますわ。双子ですもの」
二人が何やら騒いでいるようだが、言葉をきちんと伝えないとな。
「ミケ君、メリアちゃん。二人を、フルもっふしていいかな?」
「フルモ…!」
あ、意味がわかんないよね、ミケ君そんな、百面相しないで。かっこいいのに。でも、ようやく、子供らしくなったような気がするな。
あれ?気のせいかな?顔がぶれた?
ああ、そんなことよりいわないと。
「僕はね、もふりたいんだ。君達二人を。こんなことを口にするのも、お願いするのも、君達が初めて…ううん、この先もないと思う。だから、お願い!僕にもふらせてください!」
いつもの子供らしさを置き去りに、人生でもここまで真剣になったことがないほど、お願いを口にした。
考えてみろ。明らかに、子猫で毛並最高。もふるだろ?もふらないという判断はないだろ?いくら、先人達が、愛でるものは、ノータッチ!ってかかげてきてても、もふるということには、接触が必要なのだ。
つまり、イエス、タッチ。
だが、同意が必要だ。同意ない場合は、自衛部に即連行だ。自主的に連行されるべきだ。
そもそも、モフリストには、平等にもふる権利があっていいと思うのだ。そこにもふる対象がいれば、もふりたい。
何故、もふるのか?そこに、もふもふがいるからだ。
「誰かにもふられる前に、もふりたいんだ」
ミケ君もメリアちゃんも、凄く顔が赤いし、体温も上がっているんだけど、大丈夫?一度もふる?
「そ、そこまでか…わ、私は、見てみろ!お、男だ!それでも、モ、モフリたいのか!」
ミケ君が泣きそう顔でいってくるが、いやいや、もふるのに性別なんて関係ないじゃん。ちょっと顔とか頭とか背中とかもふもふするだけだよ。
「うん。ミケ君には悪いけど、もふりたい」
「そ、そうか…だが、その…わ、私は…本当は…」
いいから、とにかく、せめて尻尾をもふらせて!
ミケ君が何かを口に出そうとしたのだが、突然胸を押さえた。
「ぐぅぅぅ…」
「お兄様!あっ!」
「ミケ君!メリアちゃん!」
まさか、何かの持病があるのか!
ミケ君の顔色がどんどん悪くなっている。メリアちゃんも少しずつ顔色がおかしくなっていく。心臓に疾患でもあるのか?いや、呼吸器官に問題が…?何だろうか、違和感がある。血液はきちんと運ばれているんだが、それが悪いことのような…なんだこれ。
ケルンの首筋がぴりっとした。
馬車をおりて、ケルンは二人を連れて、玄関の扉を開けた。ちょっと、重いから、力いっぱい押さないと開かないんだが、扉の向こうから補助がすぐに来て、フィオナが開けてくれた。ミルデイは、馬車を戻しにいっている。
「ただいま、フィオナ!お客様を連れてきたんだけど…カルドと母様は?」
いつもなら、カルドが扉を開いてくれるし、母様も出迎えてくれるのだが、今日に限って、二人の姿が見えない。どこかにでかけたのだろうか?
「はい、奥様は少し、急用がございまして、執事長と共にお出かけになられました。今日中には戻られるそうですが、いつ頃お戻りになるかはわからないそうです」
「そうか…んー」
「それで、坊ちゃま。エセニアはどうしたのですか?」
フィオナが少し怒っているな。無断でいないわけじゃないことをいわないとな。
「えっとね、なんだかね、この子たちをね、変な人が狙ってるから、エセニアがね、追い払いに行ったの」
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「まって!フィオナ落ち着いて!」
困ったな…母様かカルドに『コール』してもらおうと思っていたんだが、フィオナが誘拐犯がきたと思っている。そんなに慌てなくても平気なんだがな。
フィオナも娘のことを心配していないっていうのは、信頼の証なんだろうな。
「では、旦那様に」
「それも待って!」
父様に連絡をするのは避けたいところだ。
『コール』の魔法がケルンにも使えるようになったのだが、いきなり『コール』をすれば父様のことだ、仕事を部下に任せて帰宅する。
司祭様から念を押されたのだ。今父様はかなり重要な仕事をしているらしく、なるべく仕事に集中させてほしいと。
父様は無視していいといったが、それはちょっとな…母様か、カルドなら、父様に連絡しやすい時間がわかると思ったんだけど…まぁ、エセニアが戻ってきても、二人ともいないのなら『コール』してみるか。
「メイド長様。エセニアさんから、お客様の入浴の準備をするように、申しつかっております」
「そういえば…わかりました。ミルデイ。こちらに来なさい、準備をします、お客様は…坊ちゃま?若様のお勉強ですよ?キャスから習いましたよね?」
「うん!任せて!」
馬車をしまって戻ってきたミルデイがフィオナにそういって、風呂の用意をしに行く。
いつもは、お客様を客間に通すまでが仕事なのだが、たぶん、ミルデイから詳しく話を聞くつもりなんだろう。それと、フィオナの人を見る目は確かだ。ケルンに危害を加えないという判断をしたのだろう。ミルデイを一目見た時も、坊ちゃまの執事にふさわしいと、珍しく褒めていたぐらいだ。
できるメイド長は、人を見るぐらい余裕なんだろうな。
それと若様の勉強というのは、家に父様や母様がいない場合、一番偉いのはケルンになるということだ。それゆえい、お客をもてなすホストをしないといけない。
まぁ、そうじゃなくても二人を案内するつもりだったけどな!
「ゆっくりしてね!」
二人を客間につれてきて、さて、椅子に座ろうかと思うと、二人は椅子が汚れると思ったのか、羽織ったままだったローブを脱いだ。
ミケ君の耳はぴんっととんがってて、凛々しく、メリアちゃんの耳は、ちょっとぺたんとしてて、まさに眼福。
そして、俺の情報量が爆散するほどの衝撃がきた。ケルンの感情も壊れたかのように、高まっていく。
「どうしたケルン?今更、このような我が身に驚くことはないだろ?」
「…ル」
「ケルン様?どうされたのです?」
二人が心配そうに近づいてくるので、思わず二人をまとめて抱きしめてしまった。
「うわ!ケルン!」
「きゃ!ケルン様!」
驚かせてしまったようだが、それよりも、俺は棒神様に、感謝と崇拝をささげる。次に棒神様が動物達と戯れる絵画を教会に奉納することを決めた。
「いったい、どうしたというのだ?」
「は、はしたないですわ、ケルン様」
困惑している二人に、俺とケルンから、どうしてもいいたいことがあった。
「も」
「も?」
ミケ君、こっちをみないで、さらに高まる。メリアちゃんは恥ずかしそうなままで、うわ、二人とも柔らかい。いい匂いもするし、なんだ、この気持ち!
ああ、ダメだ。溢れる。
「もっふるもっふる!」
二人が、固まる。そして、ケルンの視界をゆるゆる動く。
見えたのは二人の尻尾。
尻尾ぉぉぉぉぉぉぉ!
艶がでているから、お手入ればっちりってか、二人とも花のような匂いなんだけど!
何、これ、香油?香油なの?どこで作ってるの?調合の知識にないぞ、このいい匂い。修行したい。いや、もっと天然な匂いの香油か香水を…まて、毛並が悪くなってしまってはいけない。そこも踏まえないといけない。そうだ、二人の為に、香油を調合しよう。その為にも、どこで買ったのかきかないと。秘伝のレシピだろうとなんだろうと、調合してみせる。
いや、ほんと、ミケ君からは、花は花でも、ふわってする、そうだ桜だ。桜の匂いだ。メリアちゃんからは、百合の甘さを控えめにしたような匂いがする。ははっ、心臓止まっちゃうね!でも、すでに、心臓は残像生み出せるほど、早く動いているから、誰もこの高まりを止めることなどできん!
ああ、何だろ。妖精さん?この二人って妖精さんなの?
「ケ、ケルン!だ、ダメだぞ!私達は、そ、そのような間柄では!」
「そ、そうです!ケルン様、まだお互いを知らないというのに…その、ぶ、文通からいたしましょ?」
「メリア!お前は立場をわきまえなければならないだろ!」
「あら、お兄様。お兄様もご一緒したいのでしょ?わかりますわ。双子ですもの」
二人が何やら騒いでいるようだが、言葉をきちんと伝えないとな。
「ミケ君、メリアちゃん。二人を、フルもっふしていいかな?」
「フルモ…!」
あ、意味がわかんないよね、ミケ君そんな、百面相しないで。かっこいいのに。でも、ようやく、子供らしくなったような気がするな。
あれ?気のせいかな?顔がぶれた?
ああ、そんなことよりいわないと。
「僕はね、もふりたいんだ。君達二人を。こんなことを口にするのも、お願いするのも、君達が初めて…ううん、この先もないと思う。だから、お願い!僕にもふらせてください!」
いつもの子供らしさを置き去りに、人生でもここまで真剣になったことがないほど、お願いを口にした。
考えてみろ。明らかに、子猫で毛並最高。もふるだろ?もふらないという判断はないだろ?いくら、先人達が、愛でるものは、ノータッチ!ってかかげてきてても、もふるということには、接触が必要なのだ。
つまり、イエス、タッチ。
だが、同意が必要だ。同意ない場合は、自衛部に即連行だ。自主的に連行されるべきだ。
そもそも、モフリストには、平等にもふる権利があっていいと思うのだ。そこにもふる対象がいれば、もふりたい。
何故、もふるのか?そこに、もふもふがいるからだ。
「誰かにもふられる前に、もふりたいんだ」
ミケ君もメリアちゃんも、凄く顔が赤いし、体温も上がっているんだけど、大丈夫?一度もふる?
「そ、そこまでか…わ、私は、見てみろ!お、男だ!それでも、モ、モフリたいのか!」
ミケ君が泣きそう顔でいってくるが、いやいや、もふるのに性別なんて関係ないじゃん。ちょっと顔とか頭とか背中とかもふもふするだけだよ。
「うん。ミケ君には悪いけど、もふりたい」
「そ、そうか…だが、その…わ、私は…本当は…」
いいから、とにかく、せめて尻尾をもふらせて!
ミケ君が何かを口に出そうとしたのだが、突然胸を押さえた。
「ぐぅぅぅ…」
「お兄様!あっ!」
「ミケ君!メリアちゃん!」
まさか、何かの持病があるのか!
ミケ君の顔色がどんどん悪くなっている。メリアちゃんも少しずつ顔色がおかしくなっていく。心臓に疾患でもあるのか?いや、呼吸器官に問題が…?何だろうか、違和感がある。血液はきちんと運ばれているんだが、それが悪いことのような…なんだこれ。
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