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第三章 運命の出会いとケモナー
追われた理由
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すぐに馬車は走り出した。二人ともまだ何か遠慮をしていたが、ミルデイに頼んで構わず無理やり押し込んでもらった。
馬車の中で、二人がなぜ追われていたのかを尋ねることにした。
「どうして、二人は襲われたの?何か運んでた?」
執事見習いとかなら、お使いを任されることがある。そこで何かしら受け取って帰ってくることが考えれる。
ミルデイも何度かお使いに行ってくれている。
これはミルデイが人間に慣れていないことと、若干人間とずれているところがあるからだ。
人と接点を持てば、それだけ人を知って、善悪を見極めることができるだろう。という教育らしい。カルドがいうには、執事になる者はみな通る道だそうだ。
だが、ミケ君は、首を横に振った。
「それは…いや…馬車にいたのだが、急に馬車が停まり、刃物を持った男たちが、突然乗り込んできたのだ。私は一応魔法が使える。それで、何とか逃れることができたのだが…」
「お兄様…」
うーん。馬車に乗せられていたということは、貴族は悪い人ではないのかもな。普通、重たい物とか、貴重な物の運搬でない限り、執事だけが乗れるものではないし。主人の貴族の話がないということは、二人だけで乗っていたということだろうからな。しかし、そうなると、金目当ての強盗に襲われたのか?その割には、なんだかひっかかるんだけどな。
ミケ君が魔法を使えるっていうのも、ちょっと驚いた。簡単な魔法なら、わざわざ使えるとはいわない。つまり、誰かに習って、護身術になるぐらい魔法が使えるということだ。魔法を使うには、知識と魔力と、精霊とのやりとりが必要と、魔法が使えない頃にも習っていたのだが、ひょっとすると、かなり良い貴族の所にいたんだろうか?それならば、家に戻してあげる方がいいよな。
それに、ミケ君の言い方からして、何かしら言いよどんでいる風に思えるから、きっと話せないことでも頼まれたのかな?しかし、メリアちゃんが怯えたのは襲われたことを思い出したのかもしれないな。
「そっかぁ…ごめんね、怖いことを思い出させて」
「いや、ケルン殿は悪くない」
礼儀正しいし、しっかりしているのは素晴らしいんだが、でも、ちょっと、気に食わない点がある。ケルンも、頬を膨らませた。
「ミケ君。ケルンでいいよー。殿はいらない」
そういうと、ミケ君は驚いて、目を丸くした。
くっ…写しの魔道具!今度、買おう。ああ、財布の大金については、父様から詳しく、まぁ、子供向けに簡単にした話だったのだが、聞くことができた。
結論からいうと、エフデの名前で書いた本や絵画、彫像は、高値で取引されているそうだ。
本は安いのだが、常に品薄で、子供につけたい名前ランキングに、ペギンの名前が載っているだとか。偽物が出回ることもないほど、唯一無二の作品達を手に入れるのに、貴族が必死になっているが、エフデは、気に入った物しか作らない為、どうにもならない。居場所もわからない為、権力を使うわけにもいかない。
しかも、リンメギン王がエフデを邪魔する者は容赦しないとお触れを出したことで、市場価格はさらに高騰している。
よって、時々、オークションに出す練習作品で描いたり、作った物がかなりの高値で売れるそうだ。
しかも、ちょっと前から、懸賞みたいに、画集についてる応募券で応募した人から抽選で一名の為にその人が描いて欲しい一枚絵画をプレゼント!なんて、つい思いついてやったら、王都の郵便がパンクしたとか。
ああ、この企画で、権力を持っている人は、みな除外した。本当に一般の人で、八百屋さんに、野菜の絵を描いて、送ったら、感謝の手紙と金貨一枚が添付されていたから、金貨は寄付してくださいと送り返したばかりだ。
印税って凄いんだな…ケルン名義の銀行には、父様いわく、老後も暮らせるから、無理に仕事に就かなくてもいいというほどだから、預金額はどれほどだろうか。やめて!ニートになっちゃう!っていう誘惑があった。
しかし、それだけ自由ならば…俺は、そうだな…じゅ、獣医さんとか、の、農場とか…は!動物王国もありだよな!
まぁ、ケルンはぴんときていないから、俺だけ悲鳴をあげている状態だ。
それだけ人気があるから引退するなんていったら、あの嘆願書が送られるようになったというわけだ。
「エフデすごいねー」
って他人事のようにケルンがいっていたがな。エフデ=ケルンだっての。
それで、なんであんな大金を持たせていたのかというと、どうやらケルン…というよりも俺が、知識を蓄えるのに、欲しくなる物が軒並み高い物だったそうだ。
まさかと思ったが、例えば、熊の置物がランディに似てたから買ったことがあるのだが、一級魔石でクレエル大金貨一枚相当だったとか、その時初めて知った。
あの時は、カルドに財布渡して、熊の置物にテンションあげていて気が付かなかった。本当のクレエル銅貨は、一本の棒で、十、五十、百と、長さが違うらしく、財布の中に存在していなかった。そもそも、使うあてがないから、入れていなかったそうだ。
俺の所為で、ケルンの金銭感覚をもしかしたら、狂わせていたのやもしれない…ウサギ家族セットと、アヒル親子のおもちゃの値段が、銀貨な時点で、今更ながら思った。
王城セットよりも、熊の置物の方が高いのは、一級魔石のせいだが…熊の鮭を捕って、食べて、鮭を捕ってを繰り返すのが、凄く不思議で、なおかつワイルドだったもので…魔石と気づかなかったんだよな…よくよく考えたら、食べた鮭が、また出てくるとか、魔石でしかできないよな…池と、木に、熊が鮭を捕って食べるという光景を、わざわざ一級の魔石で再現するなんて。
その人とは仲良くなりたいな。きっと、仲良くなれるな。
「そうか…では、ケルン。君は、貴族の…何家の子供だ?」
おっと、うっかり熊さんに支配されるところだった。ミケ君は、緊張しているようだが、もしかして、貴族の子供相手だから、失礼をしたと思っているのかな?だいぶ砕けた口調だから、そんなことを気にする風にはみえないんだけどな。
ただ、この質問には、答えられないんだよな。
「ごめんね…貴族だけど、どこの家の子供かはいえないんだ…危ないからって、父様がダメって」
この前の事件以降、フェスマルク家の人間であることは、初対面の人間にはいってはいけない。また、ケルンがフェスマルク家の人間であることも、両親が紹介をしない限り、黙っていること。という話になった。どうも、貴族の子供は、名前も姿も、ある程度の年齢まで隠すそうで、特に我が家の場合は、エフデのこともあって、秘密にすることにしたようだ。
「そうか…いや、その発言で予測はつくのだが、建国貴族か、もしくは、それに連なる者か」
「お兄様!また、そうやって秘密を暴こうとして!ケルン様、申し訳ありません。兄の悪癖故、ご容赦くださいませ」
え?今の発言で特定できるの?少年探偵なのかな?建国貴族のたぶん分家だし、ばれても問題はないとは思うんだけど、父様と約束したからな。
「たんてーさん?」
名探偵かもな。
ケルンの呟きは口の中にとどまっていたから、聞こえなくてすんだが、メリアちゃんがミケ君を叱っているから、止めに入ってあげないとな。
「いいよ、メリアちゃん。あ、様はなくていいよ?ミケ君は、知りたいって気持ちが強いんだよね?あのねー。僕のお兄ちゃんもねー、そうなんだー。だから、気にしないで?」
メリアちゃんに怒られて、ちょっとしょげている感じのミケ君が、悪戯を怒られた子猫にしか見えないから、そんなに嫌な気分でもなかった。ごちそうさまです。でも、メリアちゃんの様付けは、ちょっと遠慮したいんだけど。様って呼ばれるほど、偉いわけでもないからな。
あ、ケルンがいっている兄ってのは、俺のことだ。エフデを外で話すときはお兄ちゃんといいなさいと、母様にいわれたのだ。どうもエフデを親戚のお兄さんとしてケルンと別人として存在しているということにしたらしい。
俺としては首をかしげたくなったが、ケルンは素直なせいか、外出しているときに、俺が読んでみたい話とかを見つけた時とかにすっかり兄扱いをする。
「エセニア。お兄ちゃんが、あのネズミさんの人形欲しいって。うん、砂大ネズミの!」
と、俺をだしに…いや、触ってみたくていったけどな。
「あら、ケルン様にもお兄様が?…けれど、ケルン様。貴方は命を救ってくださった方です…それに…敬称もなくお呼びするのは…淑女としてあるまじきことです」
頬をそめて、そっと、頬に手を当てる。人間の手の形なのに、あのてのひらには、肉球があるんだと思うと、凄くもにゅもにゅしたくなったんだが、こらえろ、ケルン。
俺は耐えれそうにない。
「すまないな、ケルン。どうも、私は裏を読んでしまう悪癖があるようだ…本当に、すまない」
ミケ君が申し訳なさそうに、謝罪の言葉を口にしたことで、この話題を終わらすことにした。まずは、仲良くならないとな!
「坊ちゃま、お屋敷が見えてまいりました。追っ手はついてきていないようです」
「わかった!ミケ君、メリアちゃん。とりあえず、僕の家についたら、詳しい事情を父様に話してね?」
御者をしていたミルデイが、屋敷に近づいたと報告をしてきたので、二人にそう伝える。二人は黙って頷いた。
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馬車の中で、二人がなぜ追われていたのかを尋ねることにした。
「どうして、二人は襲われたの?何か運んでた?」
執事見習いとかなら、お使いを任されることがある。そこで何かしら受け取って帰ってくることが考えれる。
ミルデイも何度かお使いに行ってくれている。
これはミルデイが人間に慣れていないことと、若干人間とずれているところがあるからだ。
人と接点を持てば、それだけ人を知って、善悪を見極めることができるだろう。という教育らしい。カルドがいうには、執事になる者はみな通る道だそうだ。
だが、ミケ君は、首を横に振った。
「それは…いや…馬車にいたのだが、急に馬車が停まり、刃物を持った男たちが、突然乗り込んできたのだ。私は一応魔法が使える。それで、何とか逃れることができたのだが…」
「お兄様…」
うーん。馬車に乗せられていたということは、貴族は悪い人ではないのかもな。普通、重たい物とか、貴重な物の運搬でない限り、執事だけが乗れるものではないし。主人の貴族の話がないということは、二人だけで乗っていたということだろうからな。しかし、そうなると、金目当ての強盗に襲われたのか?その割には、なんだかひっかかるんだけどな。
ミケ君が魔法を使えるっていうのも、ちょっと驚いた。簡単な魔法なら、わざわざ使えるとはいわない。つまり、誰かに習って、護身術になるぐらい魔法が使えるということだ。魔法を使うには、知識と魔力と、精霊とのやりとりが必要と、魔法が使えない頃にも習っていたのだが、ひょっとすると、かなり良い貴族の所にいたんだろうか?それならば、家に戻してあげる方がいいよな。
それに、ミケ君の言い方からして、何かしら言いよどんでいる風に思えるから、きっと話せないことでも頼まれたのかな?しかし、メリアちゃんが怯えたのは襲われたことを思い出したのかもしれないな。
「そっかぁ…ごめんね、怖いことを思い出させて」
「いや、ケルン殿は悪くない」
礼儀正しいし、しっかりしているのは素晴らしいんだが、でも、ちょっと、気に食わない点がある。ケルンも、頬を膨らませた。
「ミケ君。ケルンでいいよー。殿はいらない」
そういうと、ミケ君は驚いて、目を丸くした。
くっ…写しの魔道具!今度、買おう。ああ、財布の大金については、父様から詳しく、まぁ、子供向けに簡単にした話だったのだが、聞くことができた。
結論からいうと、エフデの名前で書いた本や絵画、彫像は、高値で取引されているそうだ。
本は安いのだが、常に品薄で、子供につけたい名前ランキングに、ペギンの名前が載っているだとか。偽物が出回ることもないほど、唯一無二の作品達を手に入れるのに、貴族が必死になっているが、エフデは、気に入った物しか作らない為、どうにもならない。居場所もわからない為、権力を使うわけにもいかない。
しかも、リンメギン王がエフデを邪魔する者は容赦しないとお触れを出したことで、市場価格はさらに高騰している。
よって、時々、オークションに出す練習作品で描いたり、作った物がかなりの高値で売れるそうだ。
しかも、ちょっと前から、懸賞みたいに、画集についてる応募券で応募した人から抽選で一名の為にその人が描いて欲しい一枚絵画をプレゼント!なんて、つい思いついてやったら、王都の郵便がパンクしたとか。
ああ、この企画で、権力を持っている人は、みな除外した。本当に一般の人で、八百屋さんに、野菜の絵を描いて、送ったら、感謝の手紙と金貨一枚が添付されていたから、金貨は寄付してくださいと送り返したばかりだ。
印税って凄いんだな…ケルン名義の銀行には、父様いわく、老後も暮らせるから、無理に仕事に就かなくてもいいというほどだから、預金額はどれほどだろうか。やめて!ニートになっちゃう!っていう誘惑があった。
しかし、それだけ自由ならば…俺は、そうだな…じゅ、獣医さんとか、の、農場とか…は!動物王国もありだよな!
まぁ、ケルンはぴんときていないから、俺だけ悲鳴をあげている状態だ。
それだけ人気があるから引退するなんていったら、あの嘆願書が送られるようになったというわけだ。
「エフデすごいねー」
って他人事のようにケルンがいっていたがな。エフデ=ケルンだっての。
それで、なんであんな大金を持たせていたのかというと、どうやらケルン…というよりも俺が、知識を蓄えるのに、欲しくなる物が軒並み高い物だったそうだ。
まさかと思ったが、例えば、熊の置物がランディに似てたから買ったことがあるのだが、一級魔石でクレエル大金貨一枚相当だったとか、その時初めて知った。
あの時は、カルドに財布渡して、熊の置物にテンションあげていて気が付かなかった。本当のクレエル銅貨は、一本の棒で、十、五十、百と、長さが違うらしく、財布の中に存在していなかった。そもそも、使うあてがないから、入れていなかったそうだ。
俺の所為で、ケルンの金銭感覚をもしかしたら、狂わせていたのやもしれない…ウサギ家族セットと、アヒル親子のおもちゃの値段が、銀貨な時点で、今更ながら思った。
王城セットよりも、熊の置物の方が高いのは、一級魔石のせいだが…熊の鮭を捕って、食べて、鮭を捕ってを繰り返すのが、凄く不思議で、なおかつワイルドだったもので…魔石と気づかなかったんだよな…よくよく考えたら、食べた鮭が、また出てくるとか、魔石でしかできないよな…池と、木に、熊が鮭を捕って食べるという光景を、わざわざ一級の魔石で再現するなんて。
その人とは仲良くなりたいな。きっと、仲良くなれるな。
「そうか…では、ケルン。君は、貴族の…何家の子供だ?」
おっと、うっかり熊さんに支配されるところだった。ミケ君は、緊張しているようだが、もしかして、貴族の子供相手だから、失礼をしたと思っているのかな?だいぶ砕けた口調だから、そんなことを気にする風にはみえないんだけどな。
ただ、この質問には、答えられないんだよな。
「ごめんね…貴族だけど、どこの家の子供かはいえないんだ…危ないからって、父様がダメって」
この前の事件以降、フェスマルク家の人間であることは、初対面の人間にはいってはいけない。また、ケルンがフェスマルク家の人間であることも、両親が紹介をしない限り、黙っていること。という話になった。どうも、貴族の子供は、名前も姿も、ある程度の年齢まで隠すそうで、特に我が家の場合は、エフデのこともあって、秘密にすることにしたようだ。
「そうか…いや、その発言で予測はつくのだが、建国貴族か、もしくは、それに連なる者か」
「お兄様!また、そうやって秘密を暴こうとして!ケルン様、申し訳ありません。兄の悪癖故、ご容赦くださいませ」
え?今の発言で特定できるの?少年探偵なのかな?建国貴族のたぶん分家だし、ばれても問題はないとは思うんだけど、父様と約束したからな。
「たんてーさん?」
名探偵かもな。
ケルンの呟きは口の中にとどまっていたから、聞こえなくてすんだが、メリアちゃんがミケ君を叱っているから、止めに入ってあげないとな。
「いいよ、メリアちゃん。あ、様はなくていいよ?ミケ君は、知りたいって気持ちが強いんだよね?あのねー。僕のお兄ちゃんもねー、そうなんだー。だから、気にしないで?」
メリアちゃんに怒られて、ちょっとしょげている感じのミケ君が、悪戯を怒られた子猫にしか見えないから、そんなに嫌な気分でもなかった。ごちそうさまです。でも、メリアちゃんの様付けは、ちょっと遠慮したいんだけど。様って呼ばれるほど、偉いわけでもないからな。
あ、ケルンがいっている兄ってのは、俺のことだ。エフデを外で話すときはお兄ちゃんといいなさいと、母様にいわれたのだ。どうもエフデを親戚のお兄さんとしてケルンと別人として存在しているということにしたらしい。
俺としては首をかしげたくなったが、ケルンは素直なせいか、外出しているときに、俺が読んでみたい話とかを見つけた時とかにすっかり兄扱いをする。
「エセニア。お兄ちゃんが、あのネズミさんの人形欲しいって。うん、砂大ネズミの!」
と、俺をだしに…いや、触ってみたくていったけどな。
「あら、ケルン様にもお兄様が?…けれど、ケルン様。貴方は命を救ってくださった方です…それに…敬称もなくお呼びするのは…淑女としてあるまじきことです」
頬をそめて、そっと、頬に手を当てる。人間の手の形なのに、あのてのひらには、肉球があるんだと思うと、凄くもにゅもにゅしたくなったんだが、こらえろ、ケルン。
俺は耐えれそうにない。
「すまないな、ケルン。どうも、私は裏を読んでしまう悪癖があるようだ…本当に、すまない」
ミケ君が申し訳なさそうに、謝罪の言葉を口にしたことで、この話題を終わらすことにした。まずは、仲良くならないとな!
「坊ちゃま、お屋敷が見えてまいりました。追っ手はついてきていないようです」
「わかった!ミケ君、メリアちゃん。とりあえず、僕の家についたら、詳しい事情を父様に話してね?」
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