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第一章 棒人間の神様とケモナー
加護を持つ者の昔話
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「落ち着けティス。私が話をしてもいいかな?奥方殿?」
「ええ、構いません。ティスが話そうとしても、きっと隠そうとするでしょう。私も同様です。ですから、司祭様。お願いします」
司祭様が、呆れたようにいうと、母様が、父様を立たせて、円の外へと連れ出した。
「いいかい、ケルン。これは大事なお話だ。しっかり聞くんだよ?」
司祭様は真剣な顔でいうので、ケルンも真剣な表情で頷く。怖くないわけではない。それは、俺に伝わっている。
「ボージィン様の祝福や加護を受けた者は、歴史を動かすという。ケルンは、お父様やお母様から、時を止めた竜人の話を聞いたことがあるかい?」
前に、父様が読んでくれた絵本の話かな?俺は覚えているので、それとなく、知識をケルンに流す。
昔々、サナギッシュのあるところに、一人の竜人がおりました。彼は、とても賢く、とても優しい竜人でした。自分の鋭い爪や牙が、簡単に人を傷付けることを知っていた彼は、普段は人化の魔法を使って、人と同じ姿で生活していました。
彼の家族や、彼の幼馴染み達。彼が暮らす街の人達も、彼は、なんと変わり者の竜人なのだろうと、馬鹿にしたり、彼に酷い扱いをしていました。
けれど、彼は、そんな人達よりも、彼に良くしてくれる人や、街で出会った獣人や、唯一、彼の気持ちを組んでくれた幼馴染みの人間の女の子の言葉に支えながら、たくさんの冒険や、たくさんの人達を助けました。そこには、種族の壁がなく、次第に、街の人や、彼の家族も、彼の気持ちがわかるようになってきました。
彼は、人間になりたかったわけではありません。竜人としての彼ではなく、一人の人間として、彼は、大切な幼馴染と生きたかったのです。
優しい彼は、とても勇敢でもありました。彼は、冒険で得た財宝を貧しい人や、戦争に巻き込まれた人達や、孤児院を作ることに使って、自分の家はつぎはぎだらけの家に住んでいました。とても、冒険者の住んでいる家には見えません。けれど、彼にとって、家は王様のお城に負けない素晴らしいものでした。その家は、仲間や、孤児院の子供達が一生懸命に、改築してくれた彼の一番の財宝だったのです。
彼は、幼馴染みの女の子と、幸せに暮らしていました。
そんな彼らに、魔族は妬みを持ったのか、彼らの住む街を襲いました。
魔族が召喚した炎の大蛇達が街を取り囲み、一斉に炎を吐き出したのです。
炎に飲み込まれる街や、人達をみて、街の人達はもうダメだと諦めました。
その時でした。冒険から戻ってきた彼が街の惨劇を見過ごすわけがありません。
彼は、仲間達と一緒に力を合わせ、魔族達と戦ったのです。
冒険者として、彼は、一度も人化の魔法を解いたことがありませんでした。一度でも解いてしまえば、もう人間の姿には戻れなくなるという代償があったからです。それでも彼は、強かったのです。だから魔族と戦うことを恐れることはありませんでした。
騒ぎをかけつけた、それまでは彼を馬鹿にしていた家族や、他の幼馴染み達も、街の人を助け、戦いました。
彼らの心はもう一つになっていたのです。
竜人達はとても強く、街は救われると全員が思いました。
けれども、生き残った魔族達は、ゲートの魔法を使ったのです。ゲートの魔法は、どんな場所でも行ける代わりに、とても難しい魔法で、特に魔族は使えないはずでした。
漆黒の門が街の中央に現れると、門は開かれました。
門からは、炎を纏った巨人が現れたのです。
炎の魔王が現れ、絶望の波が広がりました。魔王の中でも、一番巨体で、全てを焼き尽くす魔王の話を知らない者は、誰一人としていなかったのです。
みなは街を捨て、戦士たちも戦いを諦め命を捨てようとしていました。
ですが、彼は、諦めませんでした。
人化を解いて、彼は竜人の力を発揮したのです。
そして、瀕死になりながらも、彼は魔王を倒したのです。
ですが、魔王は、ただ滅ぼされただけではありませんでした。炎の魔王の血は、炎の矢となり、身動きが取れなくなった彼を射貫く。そう、彼も魔王も思っていたのでしょう。
彼を庇って、一緒に冒険をしてきた仲間や、街を守った家族や友人、そして愛する幼馴染みの女の子に、炎の矢は刺さったのです。
嘆き悲しむ彼に、さらに追い討ちがかかります。死の臨終の間際の魔王は、炎の身体を引きちぎり、街を取り囲んでいた大蛇よりももっと大きな、それこそ、街を一飲みできるような大蛇の化身となったのです。大蛇は、彼もろとも、全てを飲み込もうしました。
彼はまだ息のある仲間達と、何より、愛する者の為に祈りを捧げました。
「偉大なるボージィンよ!どうか、私の命と引き換えに、この炎の時を止めたまえ!悪しき者達よ!この街は、貴様らには渡さない!」
彼がそう叫ぶと、炎の大蛇は口をあけたままぴたりと動きを止めたのです。
さらに、奇跡はありました。彼を庇った仲間たちの傷も見る間に治ってしまいました。
そして、炎の大蛇は、ゆっくりとその姿が消えていくのでした。しかし、炎の大蛇が消えていくと、彼の身体にも異変が起こりました。
彼の身体もゆっくりと、石になっていったのです。愛する彼女も、息絶え絶えにになりながらも、彼と一緒に石になっていきます。
けれども、彼らは微笑んで、街をみつめた姿で、石になりました。
今でも、彼らは街を微笑んで見つめているそうです。
という、悲しいお話だ。
「物語では、竜人の祈りを聞いたボージィン様が、炎を止めたという話になっているけど、本当は違うんだ。竜人は、ボージィンの庇護という加護と、炎の精霊の祝福を持っていたんだ」
棒神様の加護と、炎の精霊様の祝福?なら、なんで、早くに炎を止めれなかったのだろう?
疑問を問う前に、司祭様は答えてくれた。
「迫り来る炎を止めたのは炎の精霊でも可能だ。それが、同じ炎の精霊の力ならね。だけど、魔族が放つ魔法は、狂った精霊…魔族が連れてきたともいわれる魔霊の力なんだ。だから、精霊の力だけでは、炎を止めることはできない」
魔族の魔法は、同じ世界の中での魔法ではないのか。だから、ゲートの魔法が使えないと思われたし、父様のゲートの魔法と違って、門が現れることになっていたのか。
魔霊というのが、魔族の魔法を助けているわけか。
「ボージィンの庇護という加護は、決して、自分を守る為の加護ではなく、誰かを守りたいと願った時に、効果が現れるようになっているんだ。だから、その竜人は、傷付いた仲間や、逃げる人々を守りたいと願って、力を借りた」
だから、仲間が瀕死になってから使えたのか。でも、なんで、最期が、あんな風になってしまったのだろうか?
「司祭様、どうして、二人とも石になっちゃったの?」
俺の疑問をケルンが代わりに司祭様にたずねた。
それはね、と司祭様は答えを教えてくれた。
「代償…何かをしてもらうときに、何かで返すことなんだけどね?…その代償として、加護を失い、魔族の呪いで永劫の石化になってしまったんだ。今でも、彼らは、サナギッシュの神殿に祀られているんだよ」
「今も…」
そうか。呪いがなければあの二人は石にならなかったのか。
「ボージィン様の加護がある者は、それだけで、権力を…争いを招く力を持つのにも等しいんだ。魔族も、ボージィン様の加護を受けた者を、躍起になって探している」
そうして、ケルンの肩をつかんで、約束してくれと前置きしてからいわれた。
「決して、加護があることを知られてはいけないよ」
それから、三人は、難しいことを話し合っている。ケルンの興味がわかないので、よく聞こえない。
あれ?ボージィン同好者にしか食いついてないな?
もう一つの祝福はスルーなのかな?
「ないしょだねー」
そうだな。秘密にしないと、また父様たちが悲しむかもしれないからな。
「それはやー!」
なら、秘密な。
それにしても、ボージィン様もだけど、まだ会ったことない精霊様もお茶目さんだよな。この世界ではないわざわざ別の言語に置き換えて、模様にしかみえないようにして、祝福を与えてたなんて。
精霊の保護対象って書くなんて、ちょっと嫌味もある。魔法を使えないからって、天然記念物扱いかよ。
ぼーとしていたら、大人達は話をいつの間にか終えていたようだ。
「さて、大事なお話も終わったから、ケルン。みんなが待っているよ。行こうか」
「うん!」
父様に抱っこされて、屋敷のみんなのところに向かう。
色々疲れたけど、誕生日を楽しむとしよう。ランディとスラ吉は堪能したことは無論、まさか、ハンクの張り切りを見るとは思ってなかった。
夕食に出されたケーキは、ウェディングケーキかと思ったが、みんなで残さず食べた。美味しかったな。
来年には、鍛冶もだけど、魔法が使えるといいな。そうしたら、みんなをもっと喜ばすことができるのに。
そう思いながら、楽しい一日だった。
「ええ、構いません。ティスが話そうとしても、きっと隠そうとするでしょう。私も同様です。ですから、司祭様。お願いします」
司祭様が、呆れたようにいうと、母様が、父様を立たせて、円の外へと連れ出した。
「いいかい、ケルン。これは大事なお話だ。しっかり聞くんだよ?」
司祭様は真剣な顔でいうので、ケルンも真剣な表情で頷く。怖くないわけではない。それは、俺に伝わっている。
「ボージィン様の祝福や加護を受けた者は、歴史を動かすという。ケルンは、お父様やお母様から、時を止めた竜人の話を聞いたことがあるかい?」
前に、父様が読んでくれた絵本の話かな?俺は覚えているので、それとなく、知識をケルンに流す。
昔々、サナギッシュのあるところに、一人の竜人がおりました。彼は、とても賢く、とても優しい竜人でした。自分の鋭い爪や牙が、簡単に人を傷付けることを知っていた彼は、普段は人化の魔法を使って、人と同じ姿で生活していました。
彼の家族や、彼の幼馴染み達。彼が暮らす街の人達も、彼は、なんと変わり者の竜人なのだろうと、馬鹿にしたり、彼に酷い扱いをしていました。
けれど、彼は、そんな人達よりも、彼に良くしてくれる人や、街で出会った獣人や、唯一、彼の気持ちを組んでくれた幼馴染みの人間の女の子の言葉に支えながら、たくさんの冒険や、たくさんの人達を助けました。そこには、種族の壁がなく、次第に、街の人や、彼の家族も、彼の気持ちがわかるようになってきました。
彼は、人間になりたかったわけではありません。竜人としての彼ではなく、一人の人間として、彼は、大切な幼馴染と生きたかったのです。
優しい彼は、とても勇敢でもありました。彼は、冒険で得た財宝を貧しい人や、戦争に巻き込まれた人達や、孤児院を作ることに使って、自分の家はつぎはぎだらけの家に住んでいました。とても、冒険者の住んでいる家には見えません。けれど、彼にとって、家は王様のお城に負けない素晴らしいものでした。その家は、仲間や、孤児院の子供達が一生懸命に、改築してくれた彼の一番の財宝だったのです。
彼は、幼馴染みの女の子と、幸せに暮らしていました。
そんな彼らに、魔族は妬みを持ったのか、彼らの住む街を襲いました。
魔族が召喚した炎の大蛇達が街を取り囲み、一斉に炎を吐き出したのです。
炎に飲み込まれる街や、人達をみて、街の人達はもうダメだと諦めました。
その時でした。冒険から戻ってきた彼が街の惨劇を見過ごすわけがありません。
彼は、仲間達と一緒に力を合わせ、魔族達と戦ったのです。
冒険者として、彼は、一度も人化の魔法を解いたことがありませんでした。一度でも解いてしまえば、もう人間の姿には戻れなくなるという代償があったからです。それでも彼は、強かったのです。だから魔族と戦うことを恐れることはありませんでした。
騒ぎをかけつけた、それまでは彼を馬鹿にしていた家族や、他の幼馴染み達も、街の人を助け、戦いました。
彼らの心はもう一つになっていたのです。
竜人達はとても強く、街は救われると全員が思いました。
けれども、生き残った魔族達は、ゲートの魔法を使ったのです。ゲートの魔法は、どんな場所でも行ける代わりに、とても難しい魔法で、特に魔族は使えないはずでした。
漆黒の門が街の中央に現れると、門は開かれました。
門からは、炎を纏った巨人が現れたのです。
炎の魔王が現れ、絶望の波が広がりました。魔王の中でも、一番巨体で、全てを焼き尽くす魔王の話を知らない者は、誰一人としていなかったのです。
みなは街を捨て、戦士たちも戦いを諦め命を捨てようとしていました。
ですが、彼は、諦めませんでした。
人化を解いて、彼は竜人の力を発揮したのです。
そして、瀕死になりながらも、彼は魔王を倒したのです。
ですが、魔王は、ただ滅ぼされただけではありませんでした。炎の魔王の血は、炎の矢となり、身動きが取れなくなった彼を射貫く。そう、彼も魔王も思っていたのでしょう。
彼を庇って、一緒に冒険をしてきた仲間や、街を守った家族や友人、そして愛する幼馴染みの女の子に、炎の矢は刺さったのです。
嘆き悲しむ彼に、さらに追い討ちがかかります。死の臨終の間際の魔王は、炎の身体を引きちぎり、街を取り囲んでいた大蛇よりももっと大きな、それこそ、街を一飲みできるような大蛇の化身となったのです。大蛇は、彼もろとも、全てを飲み込もうしました。
彼はまだ息のある仲間達と、何より、愛する者の為に祈りを捧げました。
「偉大なるボージィンよ!どうか、私の命と引き換えに、この炎の時を止めたまえ!悪しき者達よ!この街は、貴様らには渡さない!」
彼がそう叫ぶと、炎の大蛇は口をあけたままぴたりと動きを止めたのです。
さらに、奇跡はありました。彼を庇った仲間たちの傷も見る間に治ってしまいました。
そして、炎の大蛇は、ゆっくりとその姿が消えていくのでした。しかし、炎の大蛇が消えていくと、彼の身体にも異変が起こりました。
彼の身体もゆっくりと、石になっていったのです。愛する彼女も、息絶え絶えにになりながらも、彼と一緒に石になっていきます。
けれども、彼らは微笑んで、街をみつめた姿で、石になりました。
今でも、彼らは街を微笑んで見つめているそうです。
という、悲しいお話だ。
「物語では、竜人の祈りを聞いたボージィン様が、炎を止めたという話になっているけど、本当は違うんだ。竜人は、ボージィンの庇護という加護と、炎の精霊の祝福を持っていたんだ」
棒神様の加護と、炎の精霊様の祝福?なら、なんで、早くに炎を止めれなかったのだろう?
疑問を問う前に、司祭様は答えてくれた。
「迫り来る炎を止めたのは炎の精霊でも可能だ。それが、同じ炎の精霊の力ならね。だけど、魔族が放つ魔法は、狂った精霊…魔族が連れてきたともいわれる魔霊の力なんだ。だから、精霊の力だけでは、炎を止めることはできない」
魔族の魔法は、同じ世界の中での魔法ではないのか。だから、ゲートの魔法が使えないと思われたし、父様のゲートの魔法と違って、門が現れることになっていたのか。
魔霊というのが、魔族の魔法を助けているわけか。
「ボージィンの庇護という加護は、決して、自分を守る為の加護ではなく、誰かを守りたいと願った時に、効果が現れるようになっているんだ。だから、その竜人は、傷付いた仲間や、逃げる人々を守りたいと願って、力を借りた」
だから、仲間が瀕死になってから使えたのか。でも、なんで、最期が、あんな風になってしまったのだろうか?
「司祭様、どうして、二人とも石になっちゃったの?」
俺の疑問をケルンが代わりに司祭様にたずねた。
それはね、と司祭様は答えを教えてくれた。
「代償…何かをしてもらうときに、何かで返すことなんだけどね?…その代償として、加護を失い、魔族の呪いで永劫の石化になってしまったんだ。今でも、彼らは、サナギッシュの神殿に祀られているんだよ」
「今も…」
そうか。呪いがなければあの二人は石にならなかったのか。
「ボージィン様の加護がある者は、それだけで、権力を…争いを招く力を持つのにも等しいんだ。魔族も、ボージィン様の加護を受けた者を、躍起になって探している」
そうして、ケルンの肩をつかんで、約束してくれと前置きしてからいわれた。
「決して、加護があることを知られてはいけないよ」
それから、三人は、難しいことを話し合っている。ケルンの興味がわかないので、よく聞こえない。
あれ?ボージィン同好者にしか食いついてないな?
もう一つの祝福はスルーなのかな?
「ないしょだねー」
そうだな。秘密にしないと、また父様たちが悲しむかもしれないからな。
「それはやー!」
なら、秘密な。
それにしても、ボージィン様もだけど、まだ会ったことない精霊様もお茶目さんだよな。この世界ではないわざわざ別の言語に置き換えて、模様にしかみえないようにして、祝福を与えてたなんて。
精霊の保護対象って書くなんて、ちょっと嫌味もある。魔法を使えないからって、天然記念物扱いかよ。
ぼーとしていたら、大人達は話をいつの間にか終えていたようだ。
「さて、大事なお話も終わったから、ケルン。みんなが待っているよ。行こうか」
「うん!」
父様に抱っこされて、屋敷のみんなのところに向かう。
色々疲れたけど、誕生日を楽しむとしよう。ランディとスラ吉は堪能したことは無論、まさか、ハンクの張り切りを見るとは思ってなかった。
夕食に出されたケーキは、ウェディングケーキかと思ったが、みんなで残さず食べた。美味しかったな。
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そう思いながら、楽しい一日だった。
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