上 下
8 / 10

8 メルフィーナ・バンガス2

しおりを挟む
「なんとも良い匂いがするのう」

まぁ、こんなものこっちの世界では無いだろうからな。というか、こっちにきて初めて身内以外の人物と話したが特段言葉が分からないとかは無いようだ。それにこいつ第一印象から妙に話やすいな。俺も勝手にメルとか略して呼んでるが一向に気にした様子はない。初めから殺意みたいなものは感じなかったし、あの意味不明なステータスの感じ、本気を出されたら瞬殺されるのだろう。しかし、雰囲気からして長年の友達の様な感じで接してしまっていた。

「だろう?これで肉を焼くと大抵美味しくなる魔法のタレだ」

俺はDP20万という数字を見たときに、こいつの滞在時間を増やそうとちょっと贅沢をしてあちらの世界の調味料や具材等をDP作成し振る舞う事にした。

「よし」

俺はメインの肉を焼いた横にスーパーに売ってそうな惣菜のポテトサラダや、千切りキャベツを横に添えたものをテーブルに乗せてメルを呼んで座るように促す。
メルが座ると、俺も対面に座り

「では、いただきます」
と言いながら手を合わせて食べる用に言った。
「なんじゃ、それは」

「俺の故郷の食事をする前の挨拶みたいなもんだ」

「ふむ、いただきます」

メルも同じようにしながら、綺麗にフォークとナイフを使いながら肉を食べている。

「美味しいのう。これは!」

「だろう。焼いた肉にはこれがいい。これに米というのと一緒に食べるともっと美味しく感じるぞ。今日は時間がなかったから作ってないがな。それで?外は嵐とか言ってたがどうしてこんな所に?」

「いや、別にこの洞窟を目指してとかではなく。世界中を旅をしていてな、本当にたまたま嵐にあったからこの洞窟に入って少し休憩をしようと思っておった所地下から妙な気配を感じのう。それで確認しにきたまでじゃ」

食べながら、器用に喋るがめちゃくちゃ所作が綺麗だ。なんか貴族とかじゃないだろうな。

「なるほどな。ならしばらくここにいるか?ベッドとかも生成するぞ?」

「良いのか?シンが作る料理はおいしいからのう。他にもあるなら食べたいぞ」

「ああ、いいぞ。その代わり色々手伝ってくれると助かるんだが」

「む?何をすればいいんじゃ?」

「いや、畑とか耕したり、あとは拠点の拡張とかやる事が多くてな。あとは世界を周ってるんだろ?色々聞かせてくれると助かる」

色々の中に情報とか、魔法とかももし使えたら教えて欲しいものだがな。

「なんじゃ、そんな事で良いのか」

「ああ、見てもらったらわかる通りここに住み始めたばかりなんだ。色々足りてないんだよ」

「そういえば、ダンジョンなのに魔物とか一匹もいなかったな。余程腕に自身があるのか?」

「いや、ちゃんと罠で入口隠してただろう。おまえがそれを突破してきたんだよ。1Fにはゴブリンが住んでるがあいつらは数日過ごしてるがこっちにきてないぞ。まぁ、強いやつには突破されると分かったから対策を練るけどな」

「なるほどのう。じゃあ我がここに滞在している間はシンを守護してやろう。その代わり美味しい料理を期待しておるぞ」

「そこは任せておけ、道具や材料がそろってきたら、料理のバージョンもアップしていくと思うぞ」

こうして、このダンジョンに新しい侵入者(住者)が一人増えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。 世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。 その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。 裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。 だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。 そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!! 感想大歓迎です! ※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

入れ替わった二人

廣瀬純一
ファンタジー
ある日突然、男と女の身体が入れ替わる話です。

処理中です...