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十一
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こうしてあなたは異母兄弟たちと闘争や偽りの和解をくりひろげ、この国にはいつまでたってもきな臭い匂いがたちこめることになったのでした。
けれども庶子たちにはこのときまだ王となったあなたに対抗する力はなく、自分たちが生き延びることで精一杯だったようです。
やがて謀反の疑いをかけられたレオノールはタラベラ城に連行されることになります。しかも残酷なことにその旅には次男のファドリケ様が同行されました。処刑されることに気づいていたのか、いなかったのか……。旅のあいだ、そして城についてから、この不幸は母と子はなにを語らったのでしょう。
死をさとったレオノールは、なにを思ったことでしょうか。
後悔でしょうか、憎悪でしょう、生への未練か、我が子たちへの愛か。
貴族の未亡人が王に見初められ愛妾として富や地位を得、九人の息子と一人の娘を産むという幸運にめぐまれ、王妃すら凌駕し、冠なき王妃として君臨しつづけ栄華につつまれた日々を振り返り、それらを愛人の死によって一夜にして全てを失い、逃亡と幽閉のはてに罪人として処刑台のまえに立たされた瞬間、彼女はなにを想っていたことでしょう。訊くことはかないません。
話に聞くたびに憎みもし、蔑みもし、哀れみもした一人の女の生涯に照らしあわせて、自分の運命を振り返るとき、結局はこの時代のほかの女たちの多くがそうであったように、女の人生というものは男……、夫や保護者となる人によって変わってしまうものだということをつくづく身に染みて思い知りました。
けれども庶子たちにはこのときまだ王となったあなたに対抗する力はなく、自分たちが生き延びることで精一杯だったようです。
やがて謀反の疑いをかけられたレオノールはタラベラ城に連行されることになります。しかも残酷なことにその旅には次男のファドリケ様が同行されました。処刑されることに気づいていたのか、いなかったのか……。旅のあいだ、そして城についてから、この不幸は母と子はなにを語らったのでしょう。
死をさとったレオノールは、なにを思ったことでしょうか。
後悔でしょうか、憎悪でしょう、生への未練か、我が子たちへの愛か。
貴族の未亡人が王に見初められ愛妾として富や地位を得、九人の息子と一人の娘を産むという幸運にめぐまれ、王妃すら凌駕し、冠なき王妃として君臨しつづけ栄華につつまれた日々を振り返り、それらを愛人の死によって一夜にして全てを失い、逃亡と幽閉のはてに罪人として処刑台のまえに立たされた瞬間、彼女はなにを想っていたことでしょう。訊くことはかないません。
話に聞くたびに憎みもし、蔑みもし、哀れみもした一人の女の生涯に照らしあわせて、自分の運命を振り返るとき、結局はこの時代のほかの女たちの多くがそうであったように、女の人生というものは男……、夫や保護者となる人によって変わってしまうものだということをつくづく身に染みて思い知りました。
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