【完結】最愛の人 〜三年後、君が蘇るその日まで〜

雪則

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第7章 真実と現実

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夜になり、俺は携帯を手にとる。



メールのほうがいいだろう。


まだあの男といるかもしれないしな。



……嘘。



本当は電話で上手く話せないからだ。


文章のほうがなにかと気持ちを伝えやすい。


まぁ、簡単に言えば楽ってことだ。


自分の伝えたいことだけを一方的に伝えることもできる。


そして本音を言えば、電話で直接言うほど勇気がないってことだ。



[別れよう。]



俺が送ったのはたったそれだけ。


出来れば俺から理由は言いたくない。


隠さずに恵から言ってほしい。


しらばっくれるのはやめてほしかった。



ヴヴヴ………



[着信:めぐみ]



恵からすぐさま電話がかかってきた。


でも俺は出ない。



ヴヴ…


[着信:めぐみ]



何度も恵は電話をかけてきたが、俺はでなかった。


電話が止まり、しばらくするとメールが届いた。



[どうして??

電話に出て!!]



どうしてって。


結局はしらばっくれるのか。


最悪だ。


俺のわずかな希望は崩れ去った。


ヴヴ…


[着信:めぐみ]



尚も恵からの電話は続く。


電話が切れたタイミングでメールを返した。


[今日、浮気してたろ。

もう恵を信じられない。

さよなら。]



メールを送信した俺は、


すぐに携帯の電源を切った。


わざと投げやりに別れを告げた。


少しは辛く感じてくれるだろうか。


まぁ遊びの俺なんかには平然としてるだろうが、



少しでも俺の苦しみを恵にもわからせてやりたかったんだ。


バカだよな。



これですべてが終わった。


涙があふれだす。


いったい今までの日々はなんだったんだろうか。


こんなに惨めなことはない。


俺は布団にうずくまり、あふれだす涙を必死にこらえていた。


ドンドンドン…!



うずくまった布団の中でかすかに聞こえる音。



ドンドンドン!!



俺は布団から顔を出す。



ドンドンドン!!


「お願い!!話を聞いて!!

歩!!いるんでしょ!?開けて!!」



恵の声だった。


どうやら俺の家まできたらしい。


なんのために??


別れたくないなんて言えた立場じゃないだろ。



俺はおもむろに玄関へと向かった。


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